消費税増税

そもそも税金はお金のある人から徴収して、お金の無い人への分配するのが本来の目的です。ところが、消費税は全ての人から徴収するため、再分配という税制本来の性格が歪められてしまいます。このことを逆進性といいます。逆進性の強い消費税は、税制本来の再分配とは真逆の政策ということになります。

 

安倍総理が消費税を予定通り2019年の10月に引き上げると公言しました。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170805-00050064-yom-pol

 安倍首相は5日、読売テレビの番組に出演し、2019年10月の消費税率10%への引き上げについて、「予定通り行っていく考えだ」と述べた。

 当初15年10月の予定だった引き上げは、首相が景気失速への懸念から2度延期している。内閣支持率の下落で与党内からもアベノミクスへの批判が出ており、財政再建に取り組む姿勢を強調した。今後の経済運営については「企業に働きかけて賃上げし、デフレからの脱却を目指したい」と述べた。

 

最近、政府は財政再建の旗を掲げて緊縮財政と増税を推し進めようとしています。2020年までに支出と収入を同じにする、いわゆるプライマリーバランスの黒字化を目標としています。消費税増税もプライマリーバランス黒字化の一環になります。

 

現状、日本は歳入よりも歳出の方が多く、財政赤字が拡大しています。それを2020年までにトントンにしようというわけです。歳入と歳出がバランスすればそれ以上は財政赤字は拡大しません。これをプライマリーバランスといいます。

 

一般の家庭であれば結構なことですが、政府がこれをやると景気が冷え込む原因になります。私が小学生の頃は景気が悪い時は、減税をして公共事業をすれば景気がよくなると社会科で習ったものでした。しかし、現在の政府がやろうとしていることはこれとは真逆です。文部科学省(旧文部省)も政府の一部ですので、なんかトチ狂ったことをやっているという感が否めません。前に言っていたことと違うことをやっているわけです。

 

そうは言っても、孫子の代に借金を残すのは・・という意見もあるかと思います。しかし、私たちのおじいさんやそのまたおじいさんは私たちに大量の借金を残してきました。その代わり、私たちに科学技術やインフラなどたくさんの資産ものこしてくれました。もし、お金をけちって日本に投資していなかったら今の私たちの暮らしはどうなっていたでしょうか。

 

インフラへの投資を行ったために大量輸送が可能になり、全国どこでも東京と同じような商品が手に入るようになりました。地震や水害といった災害で道路などが寸断されると、普通の生活が送れなくなるのはニュースなどを見ればすぐにわかります。私たちの生活はインフラなくして成り立たないのです。

 

プライマリーバランスといった何のための目標かわからないもののために、消費税を上げたり科学技術やインフラへの投資を削減したりするのは、それこそ孫子へ貧素な日本を残すことになります。

GDPとは何か?

経済を理解する上でGDPは重要な概念です。GDPとは、Gross Domestic Productの略で、一定期間内に国内で産み出された国内総生産のことをいいます。

 

たこ焼き屋さんが150円で原材料を仕入れて、400円のたこ焼きを売ったとしたら250円の粗利益がでます。この粗利益がGDPにカウントされます。どんな商売でも仕入れと売り上げがあり、日本全体で一年間をトータルしたものがGDPということになります。ちなみに日本国内で外国人が働いた分もGDPにカウントされますが、日本人が外国で働いたものはカウントされません。これは国内総生産というように日本国内の活動を対象としているため、必ずしも日本人である必要がないためです。

 

たこ焼き屋さんの粗利益である250円というのは、粉を混ぜて焼いてパックに詰めるという作業の対価です。これを付加価値といいます。自分で作れば粉を混ぜて焼いて皿に盛るという作業を行わなければならないのですが、たこ焼き屋さんが作ってくれているのですぐに食べられるのです。
発展途上国に比べると、日本はこの付加価値であふれています。最近、街中で見かけるマッサージも物を生産している訳ではありませんが、マッサージというサービスを生産しています。30分で2980円といったところでしょうか。揉んでコリをほぐすというサービスに対して私たちは対価を支払う訳です。マッサージや美容室は仕入れの部分がありませんので、粗利益が高くなる傾向があります。2980円がそのままGDPになるということです。
また、嵐のコンサートも物を生産している訳ではありませんが、音楽と嵐のメンバーと共にひと時を過ごすという価値を提供しています。これも一つの豊かさですのでGDPに計上されます。このように様々な材やサービスが日本では生産されており、そのために経済大国と言われています。お金を持っているからではなく、様々な物やサービスを生産することができるのが経済大国の条件です。

サウジアラビアは石油を輸出しているため、大量のドルを持っています。そのため、教育、医療、福祉など無料でサービスを受けられますが経済大国とはいいません。お金持ちであることは間違いありませんが、サウジアラビア国内で生産できる物が少ないためです。なので、生活用品など多くを輸入に頼っています。

世界一の経済大国はアメリカです。アメリカでは様々な物やサービスが日本の約4倍生産されています。人口が3億人以上いて、そのほとんどが日本人と同程度の教育があります。物やサービスを生産するには技術や知識が必要になります。たこ焼きならどの国の人でも作れるかもしれませんが、より高度な技術が必要な工業製品などは、高い専門性をもった人材が必要になります。そのため、日本人のような教育水準があり、そして人口も多いアメリカが世界一の経済大国になるのは当然かもしれません。

デフレは貨幣現象か需給のバランスか

デフレの原因として貨幣現象なのか、それとも需給のバランスかという議論があります。

貨幣現象という主張はアメリカの元FRB議長ベン・バーナンキ氏や内閣参与の浜田宏一氏など、いわゆるリフレ派が主張している理論で、通貨発行量によって物価が決まるという考え方です。

たくさんあるものの価値は下がるという原理があります。例えばダイヤモンドは希少だから価値があるのであって、どこでも採れるのであれば、そこまで高価な鉱物にはならなかったでしょう。お金にしてもアルバイトの時給が1万円の世界ではおそらく物価が高くなるはずです。簡単に1万円が手に入るのであれば、そもそも1万円の価値はそれほど高いものではないということになるからです。なので、お金を発行すればデフレは解決するというのが、リフレ派の主張になります。その原理をもとに日銀は金融機関がもつ大量の国債を買い取って現金を供給しました。

一方で、需要と供給のバランスで需要が不足するために、デフレが起こると考えるのが需給バランス派の考え方になります。こちらはケインズが主張した理論です。

例えば、野菜が不作になると供給が不足して値段が上がります。逆に供給過多になると値段が下がります。つまり、需要が不足するためにデフレになったということです。国内には家計、企業、政府という3つの経済主体があり、この3者それぞれに需要があります。家計は生活をするためにいろいろなものを購入しますが、所得の伸びが悪いので個人消費は減少傾向にあります。企業はそういった家計の支出の動きを察知して、新たな工場や機械の導入を手控えています。新しい設備投資は一種の需要になりますので、ここが減ると物価が下がるというわけです。また、政府も財政赤字を削減するために公共投資といった政府支出を削減しています。つまり、3者とも需要縮小しているので、それがデフレの原因というわけです。

では、どちらが本当のデフレの原因でしょうか?

実はこの二つの理論には少しずつ欠点があります。

リフレ派の主張するお金を発行すれば希少価値が下がってインフレになるという部分は、あくまで「全員にお金が供給されれば」という条件付きになります。誰しもが簡単にお金が手に入ることによって、お金の希少性が薄れるのです。金融機関が大量に保有する国債を日銀が買い取って現金を発行したとしても、銀行や生命保険といった金融機関にお金が入るだけであって、預金者や国民に現金が支給されるわけではありません。

その点、バーナンキはヘリコプターからお金をばらまけばインフレになると、理屈に沿った的確な表現をしています。つまり、ヘリコプターからまくようにみんなにお金が行き渡ることが大切だと言っているわけです。

一方の需給バランス派の理屈にも少しおかしいところがあります。昔は大根一本10円くらいだった時期もありました。現在では100円程度です。インフレによって物価が上昇した結果ですが、需給バランス派の主張だと天候不順による不作で値段があがる場合と、インフレによる価格の上昇は本質的には同じということになります。10円から100円に価格が上昇したのは、供給が減ったか需要が劇的に増えたことによるもので、昔に比べて大根が手に入りにくくなったことを表します。しかし、大根が手に入りにくいという話は聞いたことがありません。

価格はモノと通貨の価値を付き合わせて決定されます。大根が希少なら大根の価値が上がり、通貨が希少なら少ないお金で大根が手に入ります。リフレ派はお金の価値に注目して、需給バランス派はモノの価値に注目しているという点で実はそう本質的に食い違っているわけではありません。

強いて言うならデフレは全てのモノの値段に影響することから、お金の価値が高まることで起こる現象といえるでしょう。つまり、リフレ派のいう通貨供給量の少なさがデフレを誘発しているということだと考えられます。

日銀の金融緩和は金融機関にはお金が供給されますが、国民の財布に入るわけではありません。大切なのはお金の希少性が薄れることですので、消費税の減税や財政支出の増大などお金がなるべく多くの人に行き渡る施策が必要です。流行りのベーシックインカムなどもデフレには有効だと考えられます。

相模原事件から考える義務と権利意識

相模原事件の犯人の植松被告の精神鑑定が行われて、パーソナリティー障害という診断がでたそうです。
植松被告の主張は障害者はお荷物であり生きていてもしかたがないというもので、誠に身勝手な主張なわけですが、ネット上では賛同する意見などもみられ、少しこの事について考えてみました。

植松被告は参議院議長に障害者を邪魔者として排除するような手紙を送っています。働けず税金を納めることもできず、ただ他人の手を煩わすだけの存在ということが、ネット上での賛同を集めた理由のひとつと考えられます。

効率や採算だけを見た非情な意見ですが、今の日本を見ると、どうもこのパーソナリティー障害の植松被告が起こした特殊な事件で済まないのではないか、という気がしています。

すべての人には生きる権利があって、これを真っ向から否定しているわけですから正当性はありません。しかし、人の手を煩わせこの先良くなる見込みもないとなればどうでしょうか。確かに生きる権利はあるのかもしれないが、なんの義務も果たせない人を無駄に生かしておいていいのか?と続くわけです。

これにはひとつ大きな勘違いがあります。権利は義務を果たした者の特権であるという認識です。権利を主張するなら義務を果たせとはよく言いますが、本来、義務と権利は別のものです。税金を人の2倍納めたからといって選挙で2票あるわけでないですし、働いていないからといって生きる権利がないわけでもありません。

しかし、この二つはセットで捉えられるようです。そして、義務は美徳であり権利を主張するものはさもしい、といった価値観が以前に比べて浸透してきている感じがします。本来、別個のものであるにもかかわらずです。義務を果たしたものが控えめに権利を主張する、というのが作法のような空気すらあります。

去年、衆議院本会議で自衛隊、海上保安庁、警察を讃えて拍手を贈るという光景がみられました。国防や治安の維持はまさに国民が果たすべき義務の最たるものです。ここでは義務がこれでもかとでもいわんばかりに賞賛されています。

相模原の事件と衆議院で起こった拍手は義尊権卑とでもいうような、同じ思想の裏表でしかありません。権利への卑下と義務の賞賛です。

人権屋という言葉が示すようにも、もはや権利を主張するのは卑しいことになっているようです。労働組合が下火になり、日本でストが見られなくなっているのもその一つです。ストライキは労働者の権利です。しかし、実行することには社会的な理解が得られなければ難しいでしょう。今の日本では権利を主張することは難しくなっています。

日本人全員が必死に堪えているなかで、そこから抜けて権利を主張するのは卑しい行為なのです。

賃金が上がらなければデフレは脱却できません。こういった痩せ我慢が、組合の弱体化と経済の悪化を招いたと言っても言い過ぎではないでしょう。

日本人は義務はほどほどに、もっと権利を主張すべきだと思います。そうすれば経済も今よりまた違った景色が望めるはずです。

アメリカの内需拡大政策

トランプがアメリカ大統領に就任してまだ10日程度ですが次々に政策を打ち出しています。特に注目しているのがインフラへの投資です。カナダとの間のパイプラインを通す大統領令にサインをしたことから、1800キロ以上のパイプを敷設することになりそうです。

これは内需拡大と雇用を生み出す政策であり、選挙期間中のインフラへの投資という公約を実行したことになります。二酸化炭素が温暖化を招くという説に異議を唱えるトランプ氏と、環境保護団体との衝突が気にはなりますが、日本の原発推進に比べたらまだパイプラインのほうがましのような気もします。

使用するパイプの鋼管もアメリカ製に限るとのことで、徹底した国内需要の振興を行っているのは評価できます。また、メキシコとの間の壁は最初はメキシコに負担させるという話だったのが、会談のキャンセルに伴いメキシコ製品にかける税金で建設するとトーンダウンしています。ただ、壁建設をアメリカのゼネコンに発注するならこれも内需拡大につながります。

トランプは一貫して内需拡大に邁進しており、同時に外からこの内需の蜜を吸おうとする海外への牽制も行っています。持続可能な国内循環型の経済は、もしかしたらアメリカの黄金期とも言える時代を築くかもしれません。

グローバル企業に対してアメリカに工場を作れ!とストレートに言うところはちょっと強引ですが、パナマ文書に見るような租税回避や企業トップの莫大な報酬などを見るにつけ、これはトランプというよりアメリカ国民の声ということを忘れるわけにはいかないでしょう。

気になるのはFRBがすでに金利の引き上げを伺っているところです。物価の上昇率もやっと2%程度ですので、まだまだ警戒するほどのことではないのですが、異様なまでにインフレを警戒しています。

かつてレーガン政権のときに大型減税と軍需産業に対する財政拡大でインフレに陥りましたが、金利の引き上げはさほど効果はなく、むしろドル高を引き起こしました。関税を引き上げることで輸入品を牽制するなら、外から内需を荒らされることはないので為替の水準にそれほど神経質になる必要はないと考えます。輸出にこだわることなく内需を伸ばすことでアメリカは復活するでしょう。

ベルちゃんは自分のベッドで寝ました。

アセットアロケーション

国際分散投資ということでバランス型の投資信託を積み立てたりしていましたが、海外債券への投資はどうなんだろう?と疑問になってきています。

アセットアロケーションは基本的に国内株式、海外株式、国内債券、海外債券と、あとお好みに合わせてREITなどを組み入れるのが一般的だと思いますが、この海外債券は少しでも為替が動けば年4%程度の豪州債券でも利益は出ません。ある意味FXと同じです。

逆に動けば大儲けですが。

仮にイギリス債券に投資していたとすると、EU離脱の際にはポンド安を引き起こしていますので円換算で損失になります。ポンドで債券に投資をして、そのまま満期後もイギリス株やイギリス債券に投資し続ければ問題ありません。しかし、最終的には日本人ですので、円にしたいわけです。

そういう意味で本来リスク低減のために組み入れているはずの債券ですが、海外債券に限って言えばその意味をなさないのではないかと思います。もちろん、為替ヘッジがあれば問題ありませんが、ヘッジするにもコストの問題があるので商品の総合的な収益とのバランスの問題になりそうです。

かといって日本国債も利回りが極端に低いので、おもしろい投資と言えるか微妙です。ガチガチの元本保証なので損はしないけど、0.1%とかで持ち続ける自信はあまりありません。

なので、今の所有効な資産構成は

日本株:外国株:円 or 国債 = 1:1:1

なのかなぁと。煮物の味付け(醤油:酒:みりん)と同じですね。大きく下がった所では買いましていきたいので、1/3は現金にといった感じを考えています。

上昇相場と長期投資

上昇相場は含み損を解消するアメリカ大統領選後は日米ともに株式市場の調子がいいですね。ブリジストンとトヨタも利益がのっております。同じ自動車関連でリスクがまったくヘッヂされてないのが気になっていましたが、とりあえずはそのままにしておこうかと考えています。

昔、自分の父親がブリジストンに勤めていて、今の自分があるのもこの会社のおかげです。

REIT、ETF、個別株、投資信託をいろいろ混ぜて買っており、今の所バランス型の投資信託がまだ含み損があります。資産の半分近くが投資信託に集中してしまっているので、そこが少しバランスが悪いような気もします。投資信託自体はバランス型なんですが(笑

デイトレードからシステムトレード、オプション、先物、FXなど色々やってきて、今は長期投資に落ちついています。毎日注文を出して、市場の動きに一喜一憂するのは疲れました。投機と投資の違いは、自分の利益の裏で損失を出している人がいるかどうかです。そういう意味では投機はパチンコと変わりません。自分の中ではヘッヂファンドはパチプロとたいして変わらない認識です。ジョージソロスはさしずめ梁山泊といったとこでしょうか。

それに比べて長期投資はゆっくりとかまえて、半年に一度配当がくるのを待つのが心地いいです。少しずつ育っていく感じがなんとも言えません。半年間の企業活動を通じて得られた利益が配当としてくるわけです。

銘柄はなんとなく知ってるだけで、財務は一切見ません。なぜ投資のプロは猿に負けるのか?という本があったと思いますが、選び抜いた銘柄と適当に分散させたものとパフォーマンスはそんなには違わないと思ってますので。

自分がよく知っている会社を買います。よくわからない会社を買っても楽しくありませんし、その会社の商品を使ったことがあれば、良さなどもわかるし、会社の現場を見ているわけですから安心できます。あとは適当に分散しておくだけです。

今後の見通し
世界的に見れば経済は成長しているので、十分に分散させて時間さえかければ、失敗することはないでしょう。マネーストックは増えれば物価も上昇します。現在は世界的な債券高の物価安ですが、今回の大統領選挙で変わりつつあるのではないかと思っています。レーガン、サッチャー政権以前の時代への大転換です。

気になるのはFRBが利上げをしてくるだろうということです。あくまで自説ですが、金利を上げてもインフレはほとんど抑制できないと考えます。流動性の罠とはいいますが、実は金利の高低はほとんど実体経済には影響しないのではないかと思います。オーストラリアは高金利ですがさほど経済は悪くありませんし、ブラジルは二桁金利でもインフレが酷くなりつつあります。日本はゼロ金利でデフレです。

金利が上がると投資が減るという話も、逆に投資が活発な時期は金利は上がるので、高金利が投資意欲を削ぐというのはちょっと一方的な見方だと思うのです。資金需要が金利を上げるのか、金利が資金需要を抑制するのかは一概には言えません。

トランプはドル高は容認しないでしょうが、ここで金利を上げてしまうとドル高になり、日本が再び貿易摩擦に怯える時代になるかもしれません。トランプの激昂した顔が目に浮かびます。

年金の財源問題。年金カット法案は必要か?

安部政権は国会を延長して年金改正法案を強制的に通そうとしているようです。

現行では物価が上がれば年金も上がるマクロ経済スライド制になっていますが、今回の改正は物価が上昇しても賃金が上がらなければ,賃金に合わせて据え置くようにするものです。民進党の試算では国民年金が年額で4万円、厚生年金が14万円の削減になるとのことで野党は批判をしています。

 

厚生年金は平均月額147,000円、国民年金のみの月額は平均で54,000円程度であり、いま現在でも年金だけで生活できる水準にはありません。年金の財源が足りなくなるという不安を抱えている人も多いかと思いますが、本当に年金運営は厳しいのでしょうか?

年金の構造65歳以上の高齢者は3000万人を超えており、現役世代は6500万人です。そのことからお年寄り一人を二人の現役世代が支えていると言われています。

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国民年金の保険料は月に16,260円ですので、二人で支えるとすると32,520円にしかなりません。実は国が1/2負担していて、それで満額の65008円を支給しています。つまり、

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このようなイメージです。平成21年3月までは国庫からの支出は1/3でした。高齢化に伴い、現役世代の負担が大きくなることから、1/2へ引き上げられました。

政府が1/2負担するにしても、その分税金で支払うなら保険料を上げるのと同じことです。2050年には1人が1人を支えることになるので、政府支出は1/2からさらに増えることが考えられます。政府が負担するにも財源が問題になってきます。

財源をどうするか?28年度予定の流れをざっくり見ると、以下のようなものになるようです。145兆円積立があり、損失が問題になったGPIFが運用しています。
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100年安心を謳っている制度ですが、株で失敗などしていれば145兆はすぐになくなりそうです。また、保険料だけで不足するときは、徐々に切り崩して使います。若い人に限らずこれから受給する人でも少し不安があるかもしれません。

埋蔵金でもあればいいのですが、 実はあるのです。

埋蔵金はどこにあるのか?毎年1月から予算編成が始まり、一年のお金の使い道が決まります。これを一般会計といいます。それとは別に特別会計という用途を限定した会計があり、その中外国為替資金特別会計というものがあります。略して外為特会といいます。

外為特会には2016年10月末現在で1,242,792百万ドルの残高があり、日本円で140兆円ほどになります。今の所使う予定もそれほどなく、眠っている状態です。このお金を使おうというわけではありません。

そもそも、なぜこれほどまでの大金が眠っているのか?

というところに着目していただきたいのです。
もともと、円高が進行したときに、財務省が為替介入を行った名残です。為替が円高になると輸出企業の収益が悪化するので、円をドルに交換する市場介入をおこないます。

政府は政府短期債権を発行して、日銀から資金を得ます。これは税金ではなく、日銀が新たに発行したお金です。為替介入によって円安に誘導することで、政府の手元にはドルが残ります。これがさきほどの1,242,792百万ドルです。

ドルのままではなく、アメリカ国債を買って保有しているため、毎年2兆円前後の金利収入もあります。

つまり、この外為特会は通過発行によって、140兆円もの資金を保有していることになります。コツコツ税金を貯めたお金ではありません

隠さず外為特会のお金を使え、という議論もありますが、そんなことをしなくても通過発行して使えば済む話です。これが埋蔵量です。

お金はもともと人が作り出したものです。年金の支払いにも節度をもって使用すれば、新しく通貨発行することに何の問題ありません。

節度と言うのは物価上昇率です。一気に巨額の支出をすると、強いインフレになりますので、様子を見ながらということになります。通貨発行は物価の上昇を伴いますので、うまく支出すればデフレ脱却にも繋がると考えられます。

お金を発行して使うなど、とんでも無いことだと思われるかもしれません。このブログには他にもなぜお金に価値があるのかを説明した記事もありますので、一度落ちついてゆっくり考えてみられることをおすすめします。

なぜ、経済成長が必要なのか?

戦後、日本は経済成長をすることで豊かになりました。食べるものもなかった時代から、ものに溢れる時代になれたのも経済成長があったからです。フニセフというとアフリカの貧しい子供たちのためのものというイメージがありますが、かつては日本もお世話になったことがあります。

その当時から比べると経済的には十分に発展して、もうこれ以上の成長は必要ないのではないかと思われるかもしれません。しかし、テレビやネットのニュースではアベノミクスの成長戦略といった、経済成長を求める記事が多く見られます。

本当にこれ以上経済成長する必要があるのでしょうか?

そのことを考える前に、まず、経済成長とはどういうことか確認したいと思います。

そもそも経済成長とは?経済成長するというのは去年10万台売れた車が、今年は11万台売れることです。販売数量が毎年増えていけばそれだけ経済成長したことになります。
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200万の車が10万台売れたとすると、その年の売り上げは2000億円となり、次の年に11万台売れれば2200億の売り上げになります。販売台数が増えて、売り上げ金額が増えていくことが経済成長です。

しかし、発展途上国ならまだしも人口の増えない日本で、毎年売り上げを伸ばしていくことは可能なのでしょうか?

経済成長の2つのパターン実は経済成長するもう1つのパターンがあります。

先ほどの例では10万台売れた車が、次の年には11万台売れるのが経済成長だと説明しましたが、車本体の価格を上げることで売り上げを伸ばすこともできます。

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本体価格が220万円になれば、同じ販売台数でも売り上げは2200億円になります。経済成長にも販売数量が増えて成長するタイプと、価格が上がることで成長するタイプがあります。

車の本体価格が上がったのはオプションを付けたからではありません。同じものの価格が上がったと考えてください。

安部政権はデフレ脱却を掲げて経済政策を行ってきました。デフレ脱却は物価を上げることですので、実は経済成長をするということでもあります。日本の目指す経済成長はこの物価上昇型の経済成長なのです。

しかし、なんのために物価を上げる必要があるのでしょうか?

物価をなぜ上げるのか? 

日本には裕福な人もいれば年金生活の高齢者もいます。高齢者や病気で働けない人は、社会的なサポートが必要です。そのために私たちは税金や社会保険料を負担しています。

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オレンジの線が最低限の生活を送ることができる所得の水準だとしたら、

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このようにお金を持っている人から少しずつ負担してもらうわけです。しかし、今の日本では65歳以上の高齢者は3000万人を超えており、それに対して現役世代は6500万人ほどです。しかも、そのうちの2000万人は賃金の安い非正規雇用となっています。もっと厳密に図を描くと、

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こういったイメージでしょうか。こうなってくると、最もお金をもっている人がたくさん負担しなければならなくなります。しかし、いくらお金をもっているからといっても、大きな負担をすることは不公平にも思えます。

そこで政府は借金をして年金や医療費をまかないます。政府がお金を借りるのは銀行などの金融機関です。

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現役世代はさほど負担しなくても、年金や医療費を十分に受けとることができます。金融機関から借りて遣うと、世の中に流通するお金が以前よりも増えることになります。銀行が貸し出しを行っても、預金者の残高が減るわけではないからです。

政府は金融機関から借りたお金を使用することで、社会保障の費用を捻出しました。それは同時に通貨の総量を増やすことにもなります。

毎年、借りては遣うといったことを続けいていくと、やがて次のように大きな通貨の膨張が起きることになります。

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世の中的にお金が増えたので、みんながお金持ちになったような気になりますが、その分、最低限の生活費を示すオレンジの線も上がっています。つまり、インフレになったのです。

政府がお金を借りて年金や医療費を継続的に捻出すると、物価の上昇が起こります。

裕福な人に全てを負担させるわけにもいかず、かといって高齢者や働けない人を見殺しにするわけにもいきません。

政府がお金を借りて遣うことで年金や医療費を捻出する代わりに、物価の上昇が起こったということです。

もし、裕福な人が全てを負担して、財政赤字を出さずに済むなら、物価上昇を起こすことなく社会保障も充実させることができます。

しかし、恐らくそういった寛大な人はごくわずかでしょう。現実的には政府の借金による通貨の膨張によって、社会保障費をカバーすることになると思われます。

つまり、物価の上昇が起きるということは、その裏で年金や医療費などの再分配が、きちんと行われている可能性が高いことを示しています。

まとめ
年金や医療費といった社会保障を行うためには、お金をもっている人に課税するか、政府の借金によって原資の確保が必要になります。

現実的には社会保障費を税金や保険料のみで実現するのは難しいため、政府の借金による再分配がおこなわれます。それに伴う物価の上昇が経済成長をもたらすことになります。

目的は経済成長そのものではなく、物価上昇を伴う再分配です。

これはあくまで日本のようなある程度経済成長した先進国の話ですので、発展途上国は販売量が増えるタイプの経済成長が必要になります。また、新たな製品やサービスが出てくることによって、経済成長することは歓迎すべきところです。

90年代までは企業が通貨の膨張の主役でした。設備投資をするために、銀行からの借り入れが多かったためです。
1980年に470兆だった企業の金融負債は、1990年には1300兆を超えて10年で3倍近く増えています。

企業が設備投資をすることで、従業員の給料は大幅にアップしてきました。また、法人税や所得税などもあり、高齢者も1000万人程度だったので(1980年の日本の人口は1億1000万人)十分に現役世代が支えることができていました。

2016年現在で企業の金融負債は1400兆円ですので、その後の26年間はほとんど伸びていません。その代わりに、1990年から2016年にかけて、政府が300兆から1200兆円まで金融負債を増やして社会保障をカバーしてきました。

しかし、80年代の企業の負債の増やし方には及んでいません。このことが物価上昇率の低迷、つまり、経済の低迷を招いています。

米大統領選と円安ドル高

以前、トランプが大統領になれば円高になるという予想を立てていましたが、ものの見事に外れてしまいました。

現在の円安は、アメリカ国債の金利が上昇したことによるものという見方が多いようです。直近のアメリカの10年満期国債の利回りは2.35%です。日本の10年満期国債の利回りが0.02%ですので、アメリカに投資するほうが断然利益がでます。そこで円をドルに両替して国債や株などを購入する動きがでてきており、それが円安を引き起こしていると考えられます。
2.35%の金利では10000ドルをアメリカ10年満期国債に投資すると、10年後には12350ドルになって戻って来る計算です。
金利が変化するメカニズムを少しご説明したいと思います。

国債の利回りの計算

新規に発行された国債を購入する場合は、下のようなイメージになります。購入金額と満期の時に戻って来る金額が同じため、利子がそのまま利回りになります。

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利子100ドルと満期のときの元本はアメリカ政府によって保証されています。

購入するときは株のように市場で売買されているので、価格が変動しています。利子と満期は保証されていますが、購入価格は変動しているのです。なんらかの理由で途中で国債を売却して現金にするときは、新規の価格よりも安くなることが一般的です。
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上の図は8900円で中古の国債を購入した例です。購入金額が安いために、新規で購入したときよりも利回りが良くなっています。

金利差によって動く為替レート

アメリカ国内ではトランプが大統領になったことで、より利回りの良い投資案件が出てきています。そこで、少し損してでも国債を売って、他の投資に振り向ける動きが出てきています。

特に10年間で1兆ドルのインフラ投資を公約として掲げていたために、建設関連の投資は増えることが予想されます。
世界中からアメリカに注目が集まって、ドルに両替する動きが続けばドル高は続くでしょう。しかし、ドル高はアメリカの輸入物価を押し下げることになり、外国製品がアメリカに大量に入ってくることを意味します。

トランプは雇用を重視していますので、こういった動きは受け入れられないでしょう。トランプがドル高に対してどのような対策を打ってくるかが注目されます。