アメリカの内需拡大政策

トランプがアメリカ大統領に就任してまだ10日程度ですが次々に政策を打ち出しています。特に注目しているのがインフラへの投資です。カナダとの間のパイプラインを通す大統領令にサインをしたことから、1800キロ以上のパイプを敷設することになりそうです。

これは内需拡大と雇用を生み出す政策であり、選挙期間中のインフラへの投資という公約を実行したことになります。二酸化炭素が温暖化を招くという説に異議を唱えるトランプ氏と、環境保護団体との衝突が気にはなりますが、日本の原発推進に比べたらまだパイプラインのほうがましのような気もします。

使用するパイプの鋼管もアメリカ製に限るとのことで、徹底した国内需要の振興を行っているのは評価できます。また、メキシコとの間の壁は最初はメキシコに負担させるという話だったのが、会談のキャンセルに伴いメキシコ製品にかける税金で建設するとトーンダウンしています。ただ、壁建設をアメリカのゼネコンに発注するならこれも内需拡大につながります。

トランプは一貫して内需拡大に邁進しており、同時に外からこの内需の蜜を吸おうとする海外への牽制も行っています。持続可能な国内循環型の経済は、もしかしたらアメリカの黄金期とも言える時代を築くかもしれません。

グローバル企業に対してアメリカに工場を作れ!とストレートに言うところはちょっと強引ですが、パナマ文書に見るような租税回避や企業トップの莫大な報酬などを見るにつけ、これはトランプというよりアメリカ国民の声ということを忘れるわけにはいかないでしょう。

気になるのはFRBがすでに金利の引き上げを伺っているところです。物価の上昇率もやっと2%程度ですので、まだまだ警戒するほどのことではないのですが、異様なまでにインフレを警戒しています。

かつてレーガン政権のときに大型減税と軍需産業に対する財政拡大でインフレに陥りましたが、金利の引き上げはさほど効果はなく、むしろドル高を引き起こしました。関税を引き上げることで輸入品を牽制するなら、外から内需を荒らされることはないので為替の水準にそれほど神経質になる必要はないと考えます。輸出にこだわることなく内需を伸ばすことでアメリカは復活するでしょう。

ベルちゃんは自分のベッドで寝ました。

アセットアロケーション

国際分散投資ということでバランス型の投資信託を積み立てたりしていましたが、海外債券への投資はどうなんだろう?と疑問になってきています。

アセットアロケーションは基本的に国内株式、海外株式、国内債券、海外債券と、あとお好みに合わせてREITなどを組み入れるのが一般的だと思いますが、この海外債券は少しでも為替が動けば年4%程度の豪州債券でも利益は出ません。ある意味FXと同じです。

逆に動けば大儲けですが。

仮にイギリス債券に投資していたとすると、EU離脱の際にはポンド安を引き起こしていますので円換算で損失になります。ポンドで債券に投資をして、そのまま満期後もイギリス株やイギリス債券に投資し続ければ問題ありません。しかし、最終的には日本人ですので、円にしたいわけです。

そういう意味で本来リスク低減のために組み入れているはずの債券ですが、海外債券に限って言えばその意味をなさないのではないかと思います。もちろん、為替ヘッジがあれば問題ありませんが、ヘッジするにもコストの問題があるので商品の総合的な収益とのバランスの問題になりそうです。

かといって日本国債も利回りが極端に低いので、おもしろい投資と言えるか微妙です。ガチガチの元本保証なので損はしないけど、0.1%とかで持ち続ける自信はあまりありません。

なので、今の所有効な資産構成は

日本株:外国株:円 or 国債 = 1:1:1

なのかなぁと。煮物の味付け(醤油:酒:みりん)と同じですね。大きく下がった所では買いましていきたいので、1/3は現金にといった感じを考えています。

上昇相場と長期投資

上昇相場は含み損を解消する

アメリカ大統領選後は日米ともに株式市場の調子がいいですね。ブリジストンとトヨタも利益がのっております。同じ自動車関連でリスクがまったくヘッヂされてないのが気になっていましたが、とりあえずはそのままにしておこうかと考えています。

昔、自分の父親がブリジストンに勤めていて、今の自分があるのもこの会社のおかげです。

REIT、ETF、個別株、投資信託をいろいろ混ぜて買っており、今の所バランス型の投資信託がまだ含み損があります。資産の半分近くが投資信託に集中してしまっているので、そこが少しバランスが悪いような気もします。投資信託自体はバランス型なんですが(笑

デイトレードからシステムトレード、オプション、先物、FXなど色々やってきて、今は長期投資に落ちついています。毎日注文を出して、市場の動きに一喜一憂するのは疲れました。投機と投資の違いは、自分の利益の裏で損失を出している人がいるかどうかです。そういう意味では投機はパチンコと変わりません。自分の中ではヘッヂファンドはパチプロとたいして変わらない認識です。ジョージソロスはさしずめ梁山泊といったとこでしょうか。

それに比べて長期投資はゆっくりとかまえて、半年に一度配当がくるのを待つのが心地いいです。少しずつ育っていく感じがなんとも言えません。半年間の企業活動を通じて得られた利益が配当としてくるわけです。

銘柄はなんとなく知ってるだけで、財務は一切見ません。なぜ投資のプロは猿に負けるのか?という本があったと思いますが、選び抜いた銘柄と適当に分散させたものとパフォーマンスはそんなには違わないと思ってますので。

自分がよく知っている会社を買います。よくわからない会社を買っても楽しくありませんし、その会社の商品を使ったことがあれば、良さなどもわかるし、会社の現場を見ているわけですから安心できます。あとは適当に分散しておくだけです。

今後の見通し
世界的に見れば経済は成長しているので、十分に分散させて時間さえかければ、失敗することはないでしょう。マネーストックは増えれば物価も上昇します。現在は世界的な債券高の物価安ですが、今回の大統領選挙で変わりつつあるのではないかと思っています。レーガン、サッチャー政権以前の時代への大転換です。

気になるのはFRBが利上げをしてくるだろうということです。あくまで自説ですが、金利を上げてもインフレはほとんど抑制できないと考えます。流動性の罠とはいいますが、実は金利の高低はほとんど実体経済には影響しないのではないかと思います。オーストラリアは高金利ですがさほど経済は悪くありませんし、ブラジルは二桁金利でもインフレが酷くなりつつあります。日本はゼロ金利でデフレです。

金利が上がると投資が減るという話も、逆に投資が活発な時期は金利は上がるので、高金利が投資意欲を削ぐというのはちょっと一方的な見方だと思うのです。資金需要が金利を上げるのか、金利が資金需要を抑制するのかは一概には言えません。

トランプはドル高は容認しないでしょうが、ここで金利を上げてしまうとドル高になり、日本が再び貿易摩擦に怯える時代になるかもしれません。トランプの激昂した顔が目に浮かびます。

年金の財源問題。年金カット法案は必要か?

安部政権は国会を延長して年金改正法案を強制的に通そうとしているようです。

現行では物価が上がれば年金も上がるマクロ経済スライド制になっていますが、今回の改正は物価が上昇しても賃金が上がらなければ,賃金に合わせて据え置くようにするものです。民進党の試算では国民年金が年額で4万円、厚生年金が14万円の削減になるとのことで野党は批判をしています。

 

厚生年金は平均月額147,000円、国民年金のみの月額は平均で54,000円程度であり、いま現在でも年金だけで生活できる水準にはありません。年金の財源が足りなくなるという不安を抱えている人も多いかと思いますが、本当に年金運営は厳しいのでしょうか?

年金の構造

65歳以上の高齢者は3000万人を超えており、現役世代は6500万人です。そのことからお年寄り一人を二人の現役世代が支えていると言われています。

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国民年金の保険料は月に16,260円ですので、二人で支えるとすると32,520円にしかなりません。実は国が1/2負担していて、それで満額の65008円を支給しています。つまり、

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このようなイメージです。平成21年3月までは国庫からの支出は1/3でした。高齢化に伴い、現役世代の負担が大きくなることから、1/2へ引き上げられました。

政府が1/2負担するにしても、その分税金で支払うなら保険料を上げるのと同じことです。2050年には1人が1人を支えることになるので、政府支出は1/2からさらに増えることが考えられます。政府が負担するにも財源が問題になってきます。

財源をどうするか?

28年度予定の流れをざっくり見ると、以下のようなものになるようです。145兆円積立があり、損失が問題になったGPIFが運用しています。
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100年安心を謳っている制度ですが、株で失敗などしていれば145兆はすぐになくなりそうです。また、保険料だけで不足するときは、徐々に切り崩して使います。若い人に限らずこれから受給する人でも少し不安があるかもしれません。

埋蔵金でもあればいいのですが、 実はあるのです。

埋蔵金はどこにあるのか?

毎年1月から予算編成が始まり、一年のお金の使い道が決まります。これを一般会計といいます。それとは別に特別会計という用途を限定した会計があり、その中外国為替資金特別会計というものがあります。略して外為特会といいます。

外為特会には2016年10月末現在で1,242,792百万ドルの残高があり、日本円で140兆円ほどになります。今の所使う予定もそれほどなく、眠っている状態です。このお金を使おうというわけではありません。

そもそも、なぜこれほどまでの大金が眠っているのか?

というところに着目していただきたいのです。
もともと、円高が進行したときに、財務省が為替介入を行った名残です。為替が円高になると輸出企業の収益が悪化するので、円をドルに交換する市場介入をおこないます。

政府は政府短期債権を発行して、日銀から資金を得ます。これは税金ではなく、日銀が新たに発行したお金です。為替介入によって円安に誘導することで、政府の手元にはドルが残ります。これがさきほどの1,242,792百万ドルです。

ドルのままではなく、アメリカ国債を買って保有しているため、毎年2兆円前後の金利収入もあります。

つまり、この外為特会は通過発行によって、140兆円もの資金を保有していることになります。コツコツ税金を貯めたお金ではありません

隠さず外為特会のお金を使え、という議論もありますが、そんなことをしなくても通過発行して使えば済む話です。これが埋蔵量です。

お金はもともと人が作り出したものです。年金の支払いにも節度をもって使用すれば、新しく通貨発行することに何の問題ありません。

節度と言うのは物価上昇率です。一気に巨額の支出をすると、強いインフレになりますので、様子を見ながらということになります。通貨発行は物価の上昇を伴いますので、うまく支出すればデフレ脱却にも繋がると考えられます。

お金を発行して使うなど、とんでも無いことだと思われるかもしれません。このブログには他にもなぜお金に価値があるのかを説明した記事もありますので、一度落ちついてゆっくり考えてみられることをおすすめします。

なぜ、経済成長が必要なのか?

戦後、日本は経済成長をすることで豊かになりました。食べるものもなかった時代から、ものに溢れる時代になれたのも経済成長があったからです。フニセフというとアフリカの貧しい子供たちのためのものというイメージがありますが、かつては日本もお世話になったことがあります。

その当時から比べると経済的には十分に発展して、もうこれ以上の成長は必要ないのではないかと思われるかもしれません。しかし、テレビやネットのニュースではアベノミクスの成長戦略といった、経済成長を求める記事が多く見られます。

本当にこれ以上経済成長する必要があるのでしょうか?

そのことを考える前に、まず、経済成長とはどういうことか確認したいと思います。

そもそも経済成長とは?

経済成長するというのは去年10万台売れた車が、今年は11万台売れることです。販売数量が毎年増えていけばそれだけ経済成長したことになります。
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200万の車が10万台売れたとすると、その年の売り上げは2000億円となり、次の年に11万台売れれば2200億の売り上げになります。販売台数が増えて、売り上げ金額が増えていくことが経済成長です。

しかし、発展途上国ならまだしも人口の増えない日本で、毎年売り上げを伸ばしていくことは可能なのでしょうか?

経済成長の2つのパターン

実は経済成長するもう1つのパターンがあります。

先ほどの例では10万台売れた車が、次の年には11万台売れるのが経済成長だと説明しましたが、車本体の価格を上げることで売り上げを伸ばすこともできます。

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本体価格が220万円になれば、同じ販売台数でも売り上げは2200億円になります。経済成長にも販売数量が増えて成長するタイプと、価格が上がることで成長するタイプがあります。

車の本体価格が上がったのはオプションを付けたからではありません。同じものの価格が上がったと考えてください。

安部政権はデフレ脱却を掲げて経済政策を行ってきました。デフレ脱却は物価を上げることですので、実は経済成長をするということでもあります。日本の目指す経済成長はこの物価上昇型の経済成長なのです。

しかし、なんのために物価を上げる必要があるのでしょうか?

物価をなぜ上げるのか? 

日本には裕福な人もいれば年金生活の高齢者もいます。高齢者や病気で働けない人は、社会的なサポートが必要です。そのために私たちは税金や社会保険料を負担しています。

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オレンジの線が最低限の生活を送ることができる所得の水準だとしたら、

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このようにお金を持っている人から少しずつ負担してもらうわけです。しかし、今の日本では65歳以上の高齢者は3000万人を超えており、それに対して現役世代は6500万人ほどです。しかも、そのうちの2000万人は賃金の安い非正規雇用となっています。もっと厳密に図を描くと、

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こういったイメージでしょうか。こうなってくると、最もお金をもっている人がたくさん負担しなければならなくなります。しかし、いくらお金をもっているからといっても、大きな負担をすることは不公平にも思えます。

そこで政府は借金をして年金や医療費をまかないます。政府がお金を借りるのは銀行などの金融機関です。

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現役世代はさほど負担しなくても、年金や医療費を十分に受けとることができます。金融機関から借りて遣うと、世の中に流通するお金が以前よりも増えることになります。銀行が貸し出しを行っても、預金者の残高が減るわけではないからです。

政府は金融機関から借りたお金を使用することで、社会保障の費用を捻出しました。それは同時に通貨の総量を増やすことにもなります。

毎年、借りては遣うといったことを続けいていくと、やがて次のように大きな通貨の膨張が起きることになります。

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世の中的にお金が増えたので、みんながお金持ちになったような気になりますが、その分、最低限の生活費を示すオレンジの線も上がっています。つまり、インフレになったのです。

政府がお金を借りて年金や医療費を継続的に捻出すると、物価の上昇が起こります。

裕福な人に全てを負担させるわけにもいかず、かといって高齢者や働けない人を見殺しにするわけにもいきません。

政府がお金を借りて遣うことで年金や医療費を捻出する代わりに、物価の上昇が起こったということです。

もし、裕福な人が全てを負担して、財政赤字を出さずに済むなら、物価上昇を起こすことなく社会保障も充実させることができます。

しかし、恐らくそういった寛大な人はごくわずかでしょう。現実的には政府の借金による通貨の膨張によって、社会保障費をカバーすることになると思われます。

つまり、物価の上昇が起きるということは、その裏で年金や医療費などの再分配が、きちんと行われている可能性が高いことを示しています。

まとめ
年金や医療費といった社会保障を行うためには、お金をもっている人に課税するか、政府の借金によって原資の確保が必要になります。

現実的には社会保障費を税金や保険料のみで実現するのは難しいため、政府の借金による再分配がおこなわれます。それに伴う物価の上昇が経済成長をもたらすことになります。

目的は経済成長そのものではなく、物価上昇を伴う再分配です。

これはあくまで日本のようなある程度経済成長した先進国の話ですので、発展途上国は販売量が増えるタイプの経済成長が必要になります。また、新たな製品やサービスが出てくることによって、経済成長することは歓迎すべきところです。

90年代までは企業が通貨の膨張の主役でした。設備投資をするために、銀行からの借り入れが多かったためです。
1980年に470兆だった企業の金融負債は、1990年には1300兆を超えて10年で3倍近く増えています。

企業が設備投資をすることで、従業員の給料は大幅にアップしてきました。また、法人税や所得税などもあり、高齢者も1000万人程度だったので(1980年の日本の人口は1億1000万人)十分に現役世代が支えることができていました。

2016年現在で企業の金融負債は1400兆円ですので、その後の26年間はほとんど伸びていません。その代わりに、1990年から2016年にかけて、政府が300兆から1200兆円まで金融負債を増やして社会保障をカバーしてきました。

しかし、80年代の企業の負債の増やし方には及んでいません。このことが物価上昇率の低迷、つまり、経済の低迷を招いています。

米大統領選と円安ドル高

以前、トランプが大統領になれば円高になるという予想を立てていましたが、ものの見事に外れてしまいました。

現在の円安は、アメリカ国債の金利が上昇したことによるものという見方が多いようです。直近のアメリカの10年満期国債の利回りは2.35%です。日本の10年満期国債の利回りが0.02%ですので、アメリカに投資するほうが断然利益がでます。そこで円をドルに両替して国債や株などを購入する動きがでてきており、それが円安を引き起こしていると考えられます。

 
2.35%の金利では10000ドルをアメリカ10年満期国債に投資すると、10年後には12350ドルになって戻って来る計算です。
金利が変化するメカニズムを少しご説明したいと思います。

国債の利回りの計算

 
新規に発行された国債を購入する場合は、下のようなイメージになります。購入金額と満期の時に戻って来る金額が同じため、利子がそのまま利回りになります。

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利子100ドルと満期のときの元本はアメリカ政府によって保証されています。
 
購入するときは株のように市場で売買されているので、価格が変動しています。利子と満期は保証されていますが、購入価格は変動しているのです。なんらかの理由で途中で国債を売却して現金にするときは、新規の価格よりも安くなることが一般的です。
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上の図は8900円で中古の国債を購入した例です。購入金額が安いために、新規で購入したときよりも利回りが良くなっています。
 

金利差によって動く為替レート

 
アメリカ国内ではトランプが大統領になったことで、より利回りの良い投資案件が出てきています。そこで、少し損してでも国債を売って、他の投資に振り向ける動きが出てきています。
 
特に10年間で1兆ドルのインフラ投資を公約として掲げていたために、建設関連の投資は増えることが予想されます。
世界中からアメリカに注目が集まって、ドルに両替する動きが続けばドル高は続くでしょう。しかし、ドル高はアメリカの輸入物価を押し下げることになり、外国製品がアメリカに大量に入ってくることを意味します。
 
トランプは雇用を重視していますので、こういった動きは受け入れられないでしょう。トランプがドル高に対してどのような対策を打ってくるかが注目されます。

トランプはなぜTPPを離脱するのか。

トランプが大統領選を制したことで、連日テレビや新聞の報道が続いています。トランプは就任直後の1月20日にTPPを離脱すると宣言しています。TPPは本来アメリカが言い出したものですが、なぜトランプはTPPを離脱するのでしょうか。

就任100日プラン
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トランプはペンシルベニア州のゲティスバーグで、アメリカの有権者との契約として就任100日プランを発表しました。これは口約束ではなく、文書でネットで公開されており、契約書のようにトランプのサインが入っています。ビジネスマンらしい演出ですね。

 

 

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トランプが大統領になるにあたって、もっとも重視するのは雇用、移民、健康保険の3つだと言われています。

不法な移民を制限することでアメリカ人の雇用を守り、2500万人の雇用を創出すると約束しています。雇用を守ることはトランプにとって大切な政治課題なのです。

 

「make America great again」
(アメリカを再び偉大な国にしよう)

 

この言葉が象徴するようにアメリカを再起させようとしています。そのために一番重要なのは国民の生活であり、雇用だと考えています。

 

アメリカ、カナダ、メキシコで結ばれている北米貿易協定(NAFTA)の見直しを始め、TPPもアメリカの雇用を脅かすものとして離脱を表明しました。

TPPはオーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国及びベトナムの12カ国が参加する自由貿易協定です。

下の表は参加する12ヵ国の経済規模を大きい順に並べたものです。数字は2015年のGDP(USドル)になります。

億USドル
アメリカ 180367
日本 44779
カナダ 14738
オーストラリア 12063
メキシコ 8786
シンガポール 2819
マレーシア 2617
チリ 2310
ベトナム 1828
ペルー 1754
ニュージーランド 1733
ブルネイ 123

メキシコより下はちょっと経済規模が小さすぎて、メリットもデメリットもないというのがアメリカの本音でしょう。しかし、ベトナムはよくアメリカと戦争をしたと思います。

メキシコとカナダは北米自由貿易協定(NAFTA)にも加盟していますので、アメリカにとっては目新しくありません。やはり、アメリカにとって本命は日本ということになります。

ただ、80年代の日本の自動車の輸出攻勢はアメリカにとってはトラウマになっています。アメリカの自動車産業を潰したのは他でもない日本製の自動車だからです。

同じ条件で貿易した場合にアメリカは雇用を守れる自信がありません。特にアメリカの労働者は危機を感じているので、TPPに反対するトランプに投票したと言われています。

本当に実行できるのか
TPP離脱を保護主義として批判する向きもありますが、自国民の雇用や生活を守るのも大統領の大切な仕事です。国内経済よりも世界経済を優先するべきであるとは誰も言えないでしょう。

大統領に就任するのが1月20日ですので、就任して即日離脱というのが選挙での公約でしたが、本当にできるかどうかはわかりません。財務長官にゴールドマンサックスやJPモルガンのCEOとっいったウォール街の中心にいた人を据えるという話もあります。

本来、ウォール街を批判することで勝ち上がってきたわけですから、この人選は少し疑問があります。また、インフラへの投資の資金を拠出するために投資銀行を設立するという話もあります。もともとはヒラリーが提言していたもので、そのときはトランプは批判をしていました。

選挙戦とその後では政策の軌道修正が行われることも考えられるので、TPPも注視していく必要がありそうです。

【訂正】2016年11月24日
TPP加盟国のGDPの表に誤りがありましたので訂正しました。全ての数字を精査し直しました。

【解説】なぜお金に価値があるのか

意外と知られていないお金の本質
なぜお金に価値があるのかは意外と知られていません。一説によるとみんながお金に価値があるという共同の幻想があるから、というものもあります。しかしそれだと、なぜみんなが共同の幻想を持っているのか、という理由が必要になります。

江戸時代の例
この話はたとえ話であり史実とは違いますが、お金の本質を表しています。

武士は幕府から禄である米をもらって生活しています。俵で自宅まで運ぶのは結構大変です。
下級武士ともなると自ら大八車を引っ張って自宅の納屋まで運びます。
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一方で、農民は秋の収穫の時期は、遠路はるばる奉行所まで年貢を納めにきます。こちらも車に乗せて重労働です。
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米が奉行所を出たり入ったり保管場所の確保も大変です。そこで幕府は米券を武士に渡して、農民から直接米を受け取るようにしました。
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米券というのは幕府の署名が入った米引換券です。これで米を自宅まで持ち帰る負担がなくなりました。必要な時に食べる分だけ農民から貰えばいいのです。
農民には御触れを出して、年貢は米券で納めるようにしました。農民にしても米券をソデに入れて納めに行けるので、労力が大幅に軽減されることになります。

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こうして米券は武士への禄から農民の年貢という役割を経て、流通するようになります。米に限らず他のものの取引にもつかわれるようになり、これがお金ということになります。

発行と徴収
管理通貨制度というのは、発行すると同時に税金や罰則金として政府が徴収することで成立します。そのため、お金を偽造するのは国家主権を侵害するものとして厳しく取り締まりがなされます。
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商品券の場合は発行した百貨店なりスーパーから商品をもらえることで、その価値を維持しています。一方、法定通貨は税金や罰金を納めることができるので価値があるのです。

以上、お金の解説でした。

ドナルドトランプが大統領になると円高になる理由

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トランプの政策が円高を招く
アメリカ大統領選挙が迫ってきました。ヒラリークリントンに引き離されていたドナルドトランプが、メール問題などをきっかけに追い上げてきているようです。

メディアや金融関係者はドナルドトランプが大統領になると円高になるという予測を立てています。なぜ、ドナルドトランプが大統領になると、円高になるのでしょうか。

 

オピニオン:米大統領選後はドル安と新興国株高へ=居林通氏

[東京 4日] – 今回の米大統領選挙で鮮明になったのは、米国政治の左傾化・保護主義化であり、為替市場へのインプリケーションとしては、選挙結果にかかわらず「ドル安」だと、UBS証券ウェルス・マネジメント本部ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドの居林通氏は指摘する。

円高になる理由はドナルドトランプが掲げる政策にあります。

・TPPの離脱
・高所得者への課税、2万5千ドル以下の所得者の所得税免除
・最低賃金の引き上げ
・関税の引き上げなどの保護貿易
・10年間で1兆ドルのインフラへの投資

これらの政策を実行すれば、アメリカ国内の物価が上がることが予想されます。これらに共通するのは「大きい政府」ということです。トランプは共和党員であり、共和党は伝統的に小さい政府を目指していましたが、トランプは大きい政府をめざしています。

緩和的な財政政策を行うとインフレになります。戦争などで大量に支出すると短期間で物価が上がるなどがそうです。

最近はヒラリーも同じような中間所得層を重視した政策を掲げていますので、もしヒラリーが大統領になったとしても物価が上昇するかもしれません。

物価と為替
アメリカの物価が上がるとなぜ円高になるのでしょうか。1ドルのハンバーガーを例に考えてみます。
日本では同じハンバーガーが100円だとします。
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同じものがアメリカでは1ドルで日本では100円であれば、為替の水準もだいたい1ドル100円ということになります。
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トランプが内需拡大して物価をあげてくると、当然ハンバーガーの値段も上がってきます。ハンバーガーが2ドルになったとします。
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日本の物価が変わらなければ2ドルで100円、つまり1ドル50円の円高になることが考えられます。
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アメリカ国内の物価が上がれば円高になるメカニズムは以上です。

ご存知とは思いますがトランプ氏は不動産王です。内需拡大して物価が上昇すれば、当然不動産価格も上がることになります。そう考えるとアメリカ人の利益と自分の利益を実現できるので、トランプの掲げる政策の実現性はかなり高いと考えられます。

日銀が行った量的緩和とは何か?

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黒田日銀総裁が就任して3年半が経ちました。その間、一貫して2%の物価上昇率の達成を約束してきましたが、とうとう自分の任期の間は達成できない見通しとなりました。

あらためて、黒田日銀が行った量的緩和とは何かを振り返ってみましょう。

物価を上げるためには、消費や投資といった支出が必要となります。消費や投資が盛んということはイコール好景気であり、支出が増えればに物価が上がることになります。つまり、黒田総裁は景気を良くしたかった、ということです。そのためには、銀行にお金が大量にあれば、企業や個人が借りて投資するので好景気になると考えました。

銀行は国の債権である国債を大量に持っています。預金者から預かったお金を、国に貸し出して運用するためです。債権は元本が保証されているので、安全に運用をすることができます。その国債を日銀が買い取りました。これが量的緩和と言われるものです。

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銀行は国債を手放して現金を入手します。このことによって、企業に貸し出す資金が銀行に準備されたわけです。日銀が国債を買い取るために支払ったお金は税金ではありません。日銀が新規に発行した通貨です。量的緩和には300兆円近いお金が使われており、今後も年間80兆円くらいのペースで国債を買い取っていく予定です。

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楽しそうに印刷していますね。ここまでは上手くいきましたが、銀行から先に貸出しが拡大しなければ意味がありません。
理想としては全部貸し出せば企業は投資に回すので景気拡大と物価上昇が見込まれます。
しかし、現実にはこのようにほとんど投資にはまわらず、銀行の手元に残ってしまいました。

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緩和をしたものの、お金は市場には十分にまわりませんでした。お金の貸し借りは、貸す側と借りる側の両方の意見が一致しなければ成立しません。通常、企業は仕事が忙しくなると人を増やしたり、事務所を大きくしたり投資を行います。いくら銀行が貸すからといっても仕事がない以上、投資はしないわけです。また、銀行にしても借りてくれるなら誰でもいいわけではありません。確実に返してくれる人を選ぶ必要があります。

このような理由から量的緩和は失敗ということになりました。