国債とは何か?

2015年9月21日

国債というのは政府がお金を借りる時に発行する借用書です。ペーパーレスになっていますので、本当に紙の借用書があるわけではないのですが、国(政府)がお金を借りているということを証明する書類のことをいいます。企業がお金を借りる時に発行するのは社債と呼ばれます。

政府は主に国内の銀行や生命保険といった、金融機関からお金を借りています。金融機関が政府に貸し出すのは、私たちの預金や保険料として支払った掛け金です。銀行などの金融機関は私たちの預金を政府に貸し出して金利を稼いで、稼いだ金利から私たちの預金の利子を払っています。

例えば100万円の国債を1%の利子で発行すると下の図のようなイメージになります。

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100万円を1%で国に貸すと、毎年1万円の利子が得られて10年で110万円になります。本当は半年ごとにもらえたり、購入時の価格を割り引いて発売したりいろんな種類があるのですが、わかりやすく一年で1万円の利子としています。この1万円が私たちの預金利子になります。

住宅ローンや企業向けの貸付などで1%より金利が良い案件があれば、銀行はそちらにお金を貸すでしょう。もちろん、審査をして返って来る見込みがある案件を選んだ上での話ですが。

景気が良くなってそういった案件が増えてくると、国債を処分してお金を工面する必要がでてきます。途中で売ると大抵の場合は100万円より安くなります。世の中全体が現金に対する需要が高まるためです。少しくらい損をしても現金が必要と考える人が多くなると、そういう傾向が強まります。仮に満期まで5年残っている100万円の国債が、97万円で売れたとすると、

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このように利回りが高くなることになります。満期のときは100万円うけとれるので、債券の価格が下がることで利回りは上がることになります。逆に債券価格が上がると利回りは下がることになります。満期のときは取引金額でなく、満額戻ってくるのが保証されていますので、安く買えればそれだけ利回りは高くなるのです。

新しく国債を発行するときに、市場で売買されている利回りより低いと、売れ残る可能性があります。期間が5年残った利回り1.6%の中古の国債が市場で取引されているのに、10年満期の利回り1%の国債が選ばれることは考え難いわけです。そのため、新たに発行する場合は、市場で売買されている国債の利回りを参考に金利が決められます。

例えば残り5年で1.6%の国債が売買されていたときに、10年満期の国債を同じ1.6%で発行されるとしたらどちらが有利でしょうか?仮に10年満期を5年目で売ってしまうとすると、少し安くなりますので利回りは1.6%より低くなります。同じ5年目で現金にするのに、同じ金利だと10満期の新発債のほうが不利になります。

つまり、新しく国債を発行するときには、既発債の金利より高くする必要があるということになります。長くなればなるほどこの傾向は強くなります。定期預金なども期間が長くなると金利が高くなるのと同じです。

近年、国債の満期より高い金額で売買されており、利回りは非常に低下しています。下の図のような状況です。日本では10年ものの国債は2015年9月現在で0.34%です。

 

 

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額面上は100万しかないものをそれ以上の価格で買っているということです。

ヨーロッパなどでは、一時マイナスの利回りになるなど、世界的に現金の需要が下がっています。金利がマイナスになると、預金者の金利もマイナスになるために、利子をもらうどころか利子を支払わなくてはならなくなります。

ヨーロッパでもお金を借りて使う人がおらず、現金が余っているということです。ただし、ギリシャ等の破綻の心配がある国は金利が高くなっています。なぜかというと、満期の時に満額返ってくる保証がないためです。返ってこない可能性があるとするなら、貸すほうとしても金利を高くもらっておかないとリスクに合いません。債券の金利というのはそういったお金の需給バランスとリスクによって決まります。

わたしはブルームバーグの債券&金利のところで、よく国債の金利をチェックしています。スマホでも見やすいのでオススメです。

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