日本がギリシャにならない理由

日本の財政赤字が酷くて、ギリシャのように破綻するのではないかと言われています。本当に日本もギリシャのようになるのでしょうか?

まず、債務額ですが、ギリシャ政府が3400億ユーロ(42兆円)であるのに対して、日本政府は1209兆円です(2015年6月末)。絶対額だけみると二桁もちがうのですが、もちろんこれだけで判断はできません。

 

政府が借金を返済する場合に考えられる方法は以下の3つです。

1、税収から返済する

2、借金を返済するために借金する

3、新たにお金を発行する

個人の場合だと給料から返済するか、借金の返済のための借金をするだけで、3はお金の偽造になってしまいます。2、借金のための借金にしても、多重債務ということで、個人の場合はだいたい破産してしまいます。

政府には新たにお金を発行して使うことで借金の返済が可能となっています。事実、政府は例年予算を作って執行していますが、毎年10兆円以上日銀に発行させたお金を使っています。これは税収でもなければ、借金でもない新たなお金です。ずるいと思われるかもしれませんが、政府というのは特殊な存在なので、こういったことが可能なのです。

私たちが借金を返済するときは1の選択肢しかないので、2や3は感覚的に受け入れられないかと思います。しかし、日本が財政破綻しない理由のところで書いているように、お金というものの本質を理解していれば、お金を発行して返済するというのも何の問題もないとういうことがおわかりいただけるかと思います。

ギリシャと日本では決定的な違いがあります。それは日本政府には通貨発行権があるのに対し、ギリシャ政府には通貨発行権がないというところです。

円は日本政府(厳密には日本銀行)が発行していますが、ギリシャで使うユーロはドイツにある欧州中央銀行で発行しています。円は日本政府の決定で発行することができるのに対して、ギリシャ政府の一存ではユーロは発行できないのです。

ギリシャ政府が借金を返済しようと思ったら税収から返すか、借金のための借金をするしかないのです。借金をしようにも延滞常習犯のギリシャにドイツなどは怒っていて、それをフランスがなんとか取りなして2015年の騒動は収まりました。

しかし、ギリシャは更なる借金をしたというだけなので、再燃するのは時間の問題です。

日本政府が毎年10兆円以上新規の通貨発行して使っているのと比べると、ユーロ各国はかなり厳しい財政運営ということがいえます。また、ユーロ加盟国はマーストリヒト条約というものに批准していて、借金をすること自体を制限されています。そのような中でギリシャは財政破綻(返済期限を守れなかった)ということが起きました。

 

アベノミクスによる金融緩和によって日銀は国内の金融機関の持つ国債を200兆円近く買い取りました。これは政府が金融機関に対して200兆の借金があったのを、日銀が代わりに支払ってチャラにしたということです。日銀は政府の一部なので政府がお金を発行して借金を返済したということと同じことになります。

ギリシャと日本の違いは通貨発行権をもっているかもっていないかです。ギリシャも以前は独自の通貨を発行していましたが、ユーロ加盟と引き換えに通貨発行権を欧州中央銀行に委譲しました。主権の一部を失ったわけです。