日本が財政破綻しない理由

2015年10月3日

日本の財政が危機的な状況にあるということが言われています。そのため、増税もやむ無しという意見の人も、少なくないでしょう。しかし、もし日本の財政は極めて健全で増税の必要がないとしたらいかがでしょうか?

そんな馬鹿な。日本は1000兆円を越える借金があるし、テレビや新聞でも財政再建と言っているじゃないか、と思われることでしょう。

確かに数字は事実ですし、テレビや新聞でも財政再建が必要であるという報道がなされています。

今からする説明を読まれても、日本の財政は危機的状況とお考えなら、それでもかまいません。しかし、テレビや新聞が言うから何となくそうなんじゃないか、と思われている方はぜひごこの説明を読んで、ご自分で考えてみて下さい。

そもそも、お金の性質はわかりにくく、身近なもであるにもかかわらず誤解もあります。お金はただの紙でありながら、価値あるものとして取り扱われています。

ひとつの説明として、日本国民全員が価値があると思っているから価値がある、というものがあります。それは間違いありません。しかし、なぜみんなが価値があると思っているのでしょうか?

 

結論をいうとお金の価値の本質は税と関係があります。

仮に徴兵制ができたとしましょう。20歳以上の男女は2年間の兵役を追うといった法律があるわけです。すごく嫌ですね。でも、500万円を納めれば徴兵が免除されるとしたらいかがでしょうか?実際にはものすごく問題のある内容なんですが、たとえとして考えてみてください。

これがお金の価値が生まれた瞬間です。お金を発行するのは政府で、同時に徴兵するのも政府です。徴兵免除のために自分が発行したお金を徴収するという、自作自演こそがお金の本質なのです。

兵役を逃れたり税を納める義務を怠れば犯罪になり、悪質な脱税であれば刑務所に入れられます。そういったことを免除してくれるのがお金です。お金の価値の本質は国家から国民に課せられる義務からの解放にあります。

徴兵の免除(刑務所行きの免除)というメリットがあるため、市場を流通して様々なものやサービスと交換されるようになります。個人にとってお金は貴重なものであり、働いてはじめて手に入れるものです。しかし、その原則も政府には当てはまりません。そもそもお金を発行して、徴税を通じてお金自体の価値を作り出したのは政府だからです。

誤解を恐れずに言えば、政府にとってお金は価値あるものでもなんでもありません。必要なら印刷して使うことができるからです。事実、毎年国会で予算が作られていますが、そのうちの10兆円以上は新たに発行されたものです。政府は毎年10兆円以上何もないところからお金を作り出して遣っています。

給料が少ないからといって、新たに印刷して遣うのは完全に犯罪ですが、政府は当たり前のように毎年行っています。つまり、お金(お金そのものの価値)を作り出す政府自身が財政危機になるというのは、物理的に起き得ないことになります。

これは独自の通貨を発行している国家であれば当てはまる原則です。アメリカ、イギリス、韓国、スイスなどは独自に通貨を発行していますので、これらの国が借金の返済ができなくなることはありません。

ただし、政府といえどお金を無尽蔵に作り出して放漫財政をやると、物価の上昇という面倒な現象が起こってきます。ほどほどの上昇なら問題ないのですが、急激な上昇は経済活動にとっては害になるのです。

明治政府が西南戦争のときに軍費を調達するために、お金を発行して使用したところインフレになりました。この教訓から現在では政府から通貨発行の機能を切り離して、日本銀行が通貨の管理を行っています。

例えば政府が予算を執行するときに、同じモノやサービスの価格が去年の1.5倍になっていたとします。そうすると、予算も去年の1.5倍にしないと同等の行政サービスは行うことができません。

しかし、そもそも物価が1.5倍になったのは、去年の政府の支出が多すぎたためです。去年と同じ水準の行政サービスを執行しようとして、まともに1.5倍の予算を組んでしまうと、来年はさらなる物価上昇を招くことになります。この調子でいけば5年後は物価は7倍以上の上昇になります。

現在の日本の物価の状況はどのようなものでしょうか。

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上のグラフGDPデフレーターという物価を表す指標の一つです。2005年を100としたときの相対的な物価水準を表しています。90年代後半から下がり続けており、いわゆるデフレです。直近で反転しているように見えますが、90年代の水準まではまだ余裕があります。

2005年に100円で買っていたのもが、最近では95円や94円で買えるといったイメージで見てもらえばいいかと思います。

つまり、政府がお金を発行して遣って物価が上昇したとしても、今現在は問題にはならないということです。アベノミクスはデフレの脱却を掲げて政権を運営しています。日本銀行の黒田総裁も2年で物価上昇率2%の目標を掲げていましたが達成できませんでした。なので、むしろ政府支出を増やして物価をあげても良いかもしれません。

政府が財政破綻するというのは、通貨発行のメカニズムから考えるとナンセンスです。注意しないといけないのは物価上昇率であり、今の所日本はその心配もありません。つまり、日本の財政は何の心配もないということになります。むしろ、物価上昇率が低すぎるので、政府は積極的に支出するべきとも言えるでしょう。

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