日本は財政再建できるのか?

国と地方の借金を合わせると1000兆円を超えました。今、一番に有権者が心配なのは、このまま借金が増え続けたら日本はどうなるのだろうか?ということだと思います。

年金の不安や医療費の自己負担率の上昇などが目の前に突きつけられている以上、無視することのできないこの問題を考えてみたいと思います。

借金というからには当然お金なのですが、金融資産に関する情報は日本銀行の資金循環統計というデータを見るとわかります。

2016年3月末の時点で一般政府(中央政府、地方自治体、社会保障基金)の負債の残高は1245兆円になります。それと同時に金融資産も554兆円ありますので、差し引き691兆円が純粋な負債になります。

少し減りましたが途方もない数字であることには変わりませんし、年々増え続けています。この負債を税金から返済可能かどうか、平成28年の予算を見てみたいと思います。

平成28年度の予算で23.6兆円国債の利子や元本の返済に充てています。利子が10兆円程度なので、元本返済は13.6兆円くらいでしょうか。よかった、負債が677.4兆円に減ったと思われるかもしれません。しかし、新たに34.4兆円借りていますので負債は711.8に膨らんでいます。

政府(自民公明連立与党)は2020年までにプライマリーバランスを黒字にして、これ以上負債が増えないようにすると言っています。プライマリーバランスというのは借金と返済のバランスで、黒字にするというのは借金より返済の方を多くするということです。

2020年までに返済するのではなく、あくまで負債の額が止まるだけでそこから返済がスタートするということです。本当にプライマリーバランスをプラスにできるかどうかもわかりませんし、節約や増税などで10兆円捻出したとしても返済には80年近くかかりそうです。

以上のことから税金から返済するのは、非常に困難であるということが言えると思います。

ここで家計や企業の負債と金融資産を見ておきたいと思います。

2016年 負債 資産
政府 1245兆円 554兆円
企業 1428兆円 1094兆円
家計 390兆円 1706兆円
合計 3063兆円 3354兆円

企業も政府に負けず多額の負債をもっているようです。一番下に日本全体の資産と負債の合計を出してみました。金融機関や海外を除外していますので、厳密な数字ではありませんが、政府、企業(金融機関は含まず)、家計のトータルです。

 

一番下の資産と負債の合計はそれぞれ3000兆円台と近い数字になっています。企業や政府が金融機関からお金を借りると負債になり、遣うことでお金を受領した相手の金融資産になります。負債が増えると同時に資産も増えることになるので、ほぼバランスしています。

 

主に政府と企業による借金によって日本全体の資産も増加してきました。下の表は1980年の日本の資産と負債の状況です。

 1980年 負債 資産
政府 128兆円 102兆円
企業 477兆円 311兆円
家計 134兆円 372兆円
合計 739兆円 785兆円

政府の借金も128兆円と今の1/10くらいです。この頃も資産と負債の合計はバランスしており、誰かが借りて遣うことで資産を形成していることがわかります。

1980年といえばまだ東京ディズニーランドもありませんし、せいぜいなめ猫ブームで下敷きが売れていた時代です。携帯やネットもありませんでした。これまで企業や政府が借金をして投資をすることで豊かな社会を作りながら、同時私たちの金融資産も形成してきたわけです。

おそらく、10年後、20年後は政府の負債はどうなるかはわかりませんが、日本全体で見た場合は負債は増えているでしょう。また、同時に資産も増えているはずです。それだけ様々な分野に投資などが行われているはずなので、経済的にも豊かになっていると思われます。

税金によって借金を返済することはできませんが、そもそも返済する必要もないと言えます。

個人として考えると借金はなるべくはしたくないものです。教育ローンや住宅ローンをすれば定年に向けて返済しなければならず、どうしてもマイナスなイメージがあります。個人の場合は寿命があるので亡くなるまでに返済しなければなりませんが、企業や政府には人間のような寿命はありません。なので、借りたままでも50年100年と利子だけ払うということも可能です。また、借金返済は資産の縮小という問題も引き起こします。

経済発展とともに資産や負債は増えるようになっており、いたずらに負債を恐れる必要はありません。特に企業や政府の場合は寿命がありませんので返済の必要もなく、むしろ歴史ある企業になればなるほど負債は増える傾向にあります。