お金と政府の関係

2016年5月25日 通貨

消費税増税の報道があるたびに、官邸が否定するということが繰り返されている。G7では麻生さんが消費税を必ずあげるような発言があったらしいが、そもそも現在は増税するような経済環境にないことは明らかだ。

増税は嬉々としてやるものではなく、いたしかたなくやるというスタンスが最も正しい在り方だと確信している。それはインフレが酷くてその対策として行われるといった場合などだ。政府の意見としては財政が厳しいから税収を増やすためとのことらしいが、増税をする動機としては誤っている。

そもそも、お金とはなんだろうか。例えばTポイントはお金に近い性質がある。現在は使用できるお店は限られているが、ローソンなどのTポイント加盟店しか利用しない人にとっては、ほぼ現金のようなものかもしれない。しかし、そのような人は少数派であり、色々な店の色々なポイントカードが発行されているので、財布のカードが煩わしいというのが個人的な印象だ。

しかし、このTポイントが日本全国あらゆるお店で利用できるとしたらどうだろうか。公共料金や新聞代といった日常の支出の全てがTポイントで支払い可能だとしたら、第二の通貨となるかもしれない。

Tポイントの仕組みは、アーケード街などの商店がスタンプなどを発行して、集めたら500円分の買い物ができるといった取り組みと同じものだ。加盟している全ての店がその500円分の割引を負担して、加盟店全体として顧客を囲い込む。全国的にポイントが普及すれば、そのうち給料の一部やボーナスなどはTポイントで支払う店がでてくるかもしれない。そうなると、第二の通貨として流通しそうな気もする。

しかし、決してそうはならない。なぜならば、どんなに疑似通貨が発展したとしても、税金だけは円に変わって支払うことはできないからだ。

日本政府がTポイントでの納税を認めたら、Tポイントを発行する会社は、自ら作り出したポイントで税金を納められることになる。これは実質的に税金を全額免除していることに等しい。気が向いたときにポイントを発行して納税できるのであれば、こんなに素晴らしいことはない。Tポイントでの納税を認めるということは、通貨発行を一企業に認めたことになる。

現金の偽造がかなり重い罪に問われることを考えれば、通貨発行権というのがいかに大きな権限であるかわかるだろう。現金ではないにせよ、納税までできるポイントを発行するということは、政府が通貨と認めたということであり、円と寸分違わない通貨が誕生したということでもある。

つまり、お金がお金たり得るのは、政府がお金と認める(納税できる)ということに他ならない。一万円札がお金として流通できるのは、みんながお金には価値があると思っているから、といったようなあやふやな理由ではなく、納税可能であるということからきている。

極論を言えば牛乳のフタで税金を納める法律が国会で通れば、牛乳のフタがお金になる。もちろん、明治乳業や小岩井は勝手に牛乳のフタを作ることは違法になるだろう。

冒頭の消費税増税が通貨発行権のある政府にとっていかにナンセンスなものかは、今までの話を理解できればお分かりだろう。通貨を発行できれば意地悪く国民を締め上げるような真似は必要ない。気をつけなければいけないのは放漫財政によるインフレだけだ。

増税を認めるとしたらインフレ対策としての場合だけだ。

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