ドルペッグの危険な橋

2016年3月3日 海外

「サウジ」「中国」通貨急落で「国際通貨危機」勃発か

http://www.jiji.com/jc/foresight?p=foresight_16701

サウジアラビアや中国はそれぞれリヤルと元という独自の通貨を発行している。これらの通貨は為替レートをUSドルに固定して変動起きないようにしている。ドル円のように変動が起きると貿易や投資などのリスクになるので、固定することで海外からの投資を呼び込みやすくしているのだ。こういった為替相場を固定することをドルペッグという。

投資を呼び込むというのは例えばユニクロが世界中に展開するように、店舗や工場を建ててその国で経済活動を行うことだ。日本にもスターバックスやアメリカンファミリーといった外資系企業が沢山ある。外資系企業はその国の人を雇うために雇用対策になり、企業も市場を獲得できるとあって、多くの発展途上国は外資系企業がくることを望んでいる。

反面、独自の産業を育成するインセンティブが削がれるため、企業が撤退すると雇用は失われて産業もなくなってしまう。また、技術やノウハウなどのソフト面での成長が促されないため、いつまでたっても外国企業の下請け的な立場から脱することができない。

ホンハイがシャープを買収しようとしたのは、独自のものづくりを行いたいという思いがあったからだろう。ホンハイはアップルなどメーカーの下請けとして製造を行っている。2015年の売り上げは16兆円で、トヨタ自動車が27兆円なのでその規模の大きさを伺うことができる。これだけの大企業であっても自社ブランドを持たないので、シャープを買収して技術を手に入れたいという思いは人一倍あったにちがいない。金があっても技術はなかなか育たないのだ。

ドルペッグするときは中央銀行が為替介入を行う。サウジアラビアの場合は石油を輸出しているので、売り上げはドルで受け取っている。もし、ドル高リヤル安なったら輸出で獲得したドルをリヤルに両替することでリヤル安を防ぎ、ドル安リヤル高になりそうになったら所有しているリヤルをドルに交換することでバランスをとる。

リヤルをドルに交換するときは中央銀行がリヤルを発行する権利をもっているので問題ないのだが、問題はドルをリヤルにしてリヤル安を防ぐときだ。いくらでも発行できるリヤルと違って、外貨であるドルには限りがある。

今回、原油が7割も下がってしまったので、サウジアラビアはドルの外貨を大きく減らした。サウジアラビアは生活用品など多くのものを輸入に頼っているので、稼ぎのもとである原油がこけてしまうと命綱である輸入ができなくなる。

サウジのように輸出にたよって日用品の多くを輸入に頼る経済モデルや、外資系企業の進出によって国内の雇用や需要を満たすにはドルペッグさせるのが手っ取り早い。手っ取り早いが、そのぶん脆弱な経済になる。原油も供給過剰になれば今回のように値段がさがるし、代替エネルギーがでてくる可能性もある。また、外資系企業を誘致したとしても、いつ撤退するかもしれないし、撤退しないとしても永遠の下請けであり続ける。

なるべく日常的に使うものくらいは、「自分たちの手」で「国内」で生産するというのが理想だろう。

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