円高の原因

2016年7月10日 通貨

今年に入って円高が続いている。安倍政権が始まってからの円安が帳消しになるのではないかと危惧されているが、その原因はなんだろうか?

イギリスのEU離脱をうけて、安全資産である円が買われているという、よくわかったようなわからない説も飛び交っているが、結論から言えば円高の原因はマイナス金利の影響にほかならない。

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上の図はヤフーファイナンスから借りてきたドル円の週足チャートだ。マイナス金利がサプライズ的に金融政策決定会合で決定されたのが1月29日。週明けの2月1(月)からご覧のような怒涛の円高が始まっている。

 

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こちらは日足。より動きがはっきりとご覧いただけるのではないだろうか。1月29日の金融政策決定会合後、2月1日(月)から大きな下げが確認できる。2週間で10円以上の円高になった。たまたまチャートと一致していただけ、という論もあると思うので理屈としてなぜそうなるのかを追っていきたい。

今現在、一ドル100.50円前後で取引されているが、そもそもなぜ、200円でもなく50円でもなく100円なのだろうか。理由は簡単でアメリカで1ドルのものが日本では100円くらいだからだ。モノによって若干の高い安いはあるものの、アメリカで1ドルで売っているものは日本では100円前後で買える。

仮に日本でデフレが進行して100円のものが50円になったとすると、1ドル50円の円高になると予想される。100円で買えていたものが50円になって、アメリカでは同じ1ドルで変わらなければ1ドルが50円の価値ということだ。

為替の水準はその国の物価を反映したものになる。では、日銀のマイナス金利がなぜ円高、つまり日本の物価の下落を引き起こすのだろうか?。

次のことを行うと物価が下がる。

これらは国内のお金の総量を減らすという共通点がある。言い換えると私たちの所得(給料)を減らす効果がある。増税や財政支出の削減は説明するまでもないが、企業の設備投資の減少や住宅ローンの減少も私たちの所得を押し下げる。

企業の設備投資が減って工作機械の発注が減ると、当然、注文を受けるメーカーの売り上げが下がる。住宅メーカーなども同じだ。

3000万借りて家を建てると、住宅メーカーはこのお金を従業員の給料に使用する。一方、貸し出した銀行は3000万を貸し出したとしても、当然、預金者の残高を減らすことはない。預金者のお金を貸すとはいいながらも、残高を減らすことはないので、あたかも銀行が新たにお金を作り出したように見える。これを信用創造という。この信用創造によってあたらに3000万が市場に追加されたことになる。

信用創造を続けると、市場に出回る通貨の量(所得)が増える。トータルとして通貨の量が増えることで、国民全体の所得が押し上げられ、支出が増えて物価が上昇することになる。

マイナス金利は、銀行が日銀に金利を支払うものであり、市場から通貨が引き上げられる効果をもたらす。つまり、信用創造とは逆の通貨量の減少をもたらして、物価を下落させると考えられる。

日銀はマイナス金利によって、銀行に余剰な現金を持たせずに積極的な貸し出しを期待していたと思われるが、結果として貸し出しは増えずに銀行の収益の悪化をもたらした。これは単純に行員の給料が悪くなるだけの愚策だと言える。

銀行の収益が悪化するだけとはいえ、巡り巡って世の中に与えるインパクトは大きいだろう。銀行の収益が悪化した分、通貨量が減り、物価の下落を招き、円高になる。

グダグダと説明してきたが、結局、物価が為替を決定するということだ。アメリカで買えるものが日本ではいくらで買えるのか?そして、アメリカと日本の物価上昇率がそれぞれどのように動くかによって、為替は決定される。今回の日銀のマイナス金利は、各方面の予想に反して物価を押し下げる効果があったということだ。

秋頃に20兆から30兆の大型の財政出動が行われるという予想もあるので、そうなると国内の通貨量が増えて物価上昇が起こる。もしそうなれば、円安になるとここで予想してみよう。結果はおたのしみということで。

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