輸出という幻想

2015年11月1日 海外

日本経済を語るときにどうしても輸出というものがそのイメージを覆う。経済状況が悪いとどうしても輸出の伸びが・・・というように、メディアにしろ、一般の日本人にしろ、日本は海外相手の国際商人としてインプットされているらしい。小4の社会科で、日本は加工貿易で成り立っているというのを習うが、どうもそのときの刷り込みが原因のようだ。今更ながら再度確認しておきたい。

junkan

これが日本の経済の流れだ。85%が国内で還流しており、輸出入は15%でしかない。しかも輸出と輸入はトントンであり、ガンガン貿易で外貨を獲得するイメージはまちがっている。むしろ、最近は輸入のほうが少し多い。これで日本経済の不調の原因を国際競争力の低下のせいにするのは、少しバランスに欠いた議論だということがおわかりいただけるだろう。

15%の線が細すぎるという批判は甘んじて受けるが、書き直すのは結構大変なのでこのままでお許し願いたい。

では、メイドインジャパンと言われて「世界の日本」だった80年代はどうかというと、これまたイメージと違い輸出、輸入共に5%程度しかなかった。嘘を言っているわけではない。本当だ。戦後日本が輸出によって経済を成長させてきたというのは、間違いで、内需循環型の経済発展をとげたというのが事実だ。経済に詳しい方なら常識だろう。

仮にTPPによって輸出が2倍になったとしても30%だ。アジアの成長を取り込むというのが、いかにチンケな発想かということを言いたい。それよりも85%という数字がアメリカが欲しがる市場である点に注意してもらいたい。

アメリカと日本の経済規模を比較してみると、アメリカの人口3億ちょいでGDPが2000兆円だ。対して、日本は1億2千万人で500兆だ。人口比で日本の市場の伸びシロがあるのがおわかりいただけるだろうか。

つまり、TPPはアメリカの大企業が日本にいかにものを売るかというのが基本線ということだ。もう日本は経済成長しないと思っているのは日本人だけで、アメリカは日本のもつ潜在的なポテンシャルを見抜いている。日本はまだまだ潜在的なポテンシャルを秘めているのである。ここでみすみすアメリカに食わせることはない。つまり、日本自身が投資をすればいい。

外資を呼び込むための三本目の矢など不要であり、日本企業か政府が投資をするべきなのだ!

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