MMTのキモ

ステファニーケルトン教授が来日しました。

三橋さんのブログにも登場していた、水槽の図を紹介しようと思います。

ケルトン教授がMMTを説明する際に使用したものらしく、ケルトン教授自身のオリジナルの説明は聞いたことがないのですが、一目で何を言いたいのかがわかる図です。

水槽が日本国内を表しており、政府支出が水道から注がれています。

一方、税金が水槽から水を抜いていて、水槽の中は民間の金融資産の総量ということになります。

極めてシンプルですが、お金の流れをよく表していると思います。

水槽の水位は政府支出と税金によってコントロールされるわけですが、水槽の中には銀行もあり、そこでも信用創造によって水(お金)が生まれています。

なので、必ずしも支出と税金の差が水槽に蓄積されているわけではありません。

政府が意図しないところで、信用創造や信用収縮がおきますので、慎重に水位を調整する必要があります。

この図で厄介なのは、水位が上がったとしても、必ずしも物価が上がるわけではないというところです。水位がそのまま物価を表しているわけではありません。

水位はマネーストックを表しており、物価ではないからです。

普通に考えれば世の中にお金が溢れればインフレになるわけですが、考えないといけなのは格差の問題です。

20年くらいGDP横ばいで、国民総所得は一定のはずなのに、なぜか貧困が増えているというのは、所得の偏りが大きくなったということに他なりません。

政府支出をしても多くの人にお金が行き渡らなければ、100兆円支出してもインフレにはなりません。

日本のどこかに金欠病で苦しんでいる人がいる限り、インフレにはならないと考えられます。

マネーストックがいくら増えようと、金欠病を克服するまで政府支出は増やす必要があります。

溢れそうになったら、蛇口を閉めて下から抜けばいいというわけではないということです。

これはMMTの主張する財政の基準を物価に置くということで矛盾はありませんが、図として物価を説明しきれていないという意味で、もう少し工夫がいるのかもしれません。

ステファニー・ケルトン教授来たる!【MMT】

あのMMTで有名なステファニーケルトン教授が、7月に日本でシンポジウムを行うようです。


【藤井聡】ケルトン教授を招聘した、MMT国際シンポジウムを開催します!

バーニーサンダースも来年の大統領選挙に出馬するらしいので、再び経済アドバイザーに就任されるのでしょうか。

いずれにせよ、とてつもないビッグウェーブが暫く続きそうです。

あと、こちらの中野剛志さんのコラムも素晴らしいので是非ご覧ください。

MMTが、こんなにも「エリート」に嫌われる理由

政府(日銀)が円を発行しているのはご存知だと思いますが、その日本政府が円を借金したとしても、返せなくなることはないというのがMMTのベースになります。

三橋さんや西田さんなど信用創造の理屈にこだわってますが、あまりそこにこだわるとかえってわかりにくくなるような気がしています。

からあげ弁当は経済のことを考えるときは、下のような一枚の絵を思い浮かべます。

政府(日銀)が通貨を発行して世の中を回り、最後に税金として政府に戻っていくイメージです。

税金より政府支出が増えれば世の中に出回る量が増えます。

公務員給料や社会保障、教育など何でもいいのですが、何かに支出をすることによって流通する通貨が増えれば、インフレになります。

ガンガン支出しても、一方でガンガンに税金をとれば、バランス的に物価はさほど上がらないと考えることができます。(大きい政府)

逆に少ししが政府が支出しないとしても、税金がそれ以上に安かったらインフレになります。(小さい政府)

あり得ないことですが、支出より税金のほうが高くなれば、いずれ円は無くなります。

風呂のお湯も、蛇口から入るものより、栓が抜けて出ていくほうが多ければ、いつかなくなるのと同じことです。

通貨が減っていくときはデフレになります。

政府支出と税金はイコールで良いのではないか、という意見が出てくるかと思いますが、ここに落とし穴があります。

イコールということは、財務省のいうプライマリーバランスの均衡と同義です。

実は支出と税がバランスするとまずいのです。

少し前に流行った、ピケティの「資本収益率は産出と所得の成長率を上回ると、経済は持続不可能だ」というのを覚えていらっしゃるでしょうか。

自由に経済活動をしていくと、金持ちとそうでないの差がジャンジャン開いていきます。

政府支出と税収が均衡していると、お金のパイは一定ですから、徐々に金持ちとそうでない人がでてきて、みるみる生活が苦しくなるはずです。

もちろん、沢山持っている人から税金をとって再分配するわけですが、全員同じ資産になるほど徴税するわけにも行きません。

そこで、政府は通貨発行によって、税金よりも政府支出を多くして、お金のない人に配ることが必要になります。

毎年、世の中に出回るお金の量が増えますので、徐々にインフレが進むことになります。

昔の物価が安いのはそのせいです。

もう少しディテールを追加したものが、下の図になります。

ここでは銀行が貸出することで、信用創造を行っています。

国内の通貨量は政府支出と税の他に、銀行の貸出と返済で決まることになり、日銀は銀行の貸出態度を管理することで、物価を調整します。

貸出が増えれば通貨量が増えて物価が上昇し、返済すると通貨量が減ることで下落します。

ただ、どの程度貸し出すかは、銀行と借り手の合意の問題ですので、日銀が金利を操作しても、政府支出や税金ほどコントロールがビシッと決まるものではありません。

だいたい、日銀が金融緩和するときは、政府も補正予算を組んだり、減税したりするので、過去のデータをみても、それが日銀の金融政策が効いたのか、補正予算の効果なのかは区別はつかないでしょう。

日銀の金融緩和は貸出増加になれば効果はあったのかもれませんが、企業の設備投資は微増ですので、そこまで効果があったかどうかは疑問です。

バブルが崩壊して借り手が少なくなったり、いわゆる信用収縮(借金返済)が起こるとデフレになります。

借金はインフレ圧力で、借金返済はデフレ圧力になります。

簡単な図ですが、通貨が増えているのか減っているのかを考えるだけでも、物価や経済について色々考えることができます。

GDPを読む

5/20に内閣府から1〜3月のGDP 速報値が発表されました。


GDPというのはものすごく大雑把にいうと、200円でたこ焼きの原料を仕入れて400円で売ったとすると、200円の粗利益になります。

この200円がGDPに計上される部分になります。

200円というのは、お店の人がたこ焼きを作ったことによる付加価値です。

厳密に言うとガスや水道料金も原料みたいなものなので、これらも付加価値から引いておく必要があります。

国内で1年間にどのくらい付加価値が作られたか推計したのがGDPです。

付加価値が多ければ多いほど豊かな社会だよね、ということで数ある統計の中でも重視されています。

ネットニュースによると、1〜3月の実質季節調整値が年率換算で2.1%で、さほど悪くないように見えるが、個人消費や設備投資が下がった分を輸入減が補っており内容が悪い、といった書き方が多いようです。

個人消費や設備投資が減っているというのは前期比の話であり、本当に短期志向だなと思います。

1〜3月の勢いが一年中続けば実質で2.1%の成長になるという仮定の話をしていますが、3月分まで発表されていますので平成31年度のデータは出ています。

平成31年度は前年度比で実質0.6%の成長でした。

結局、結果としてどのくらい成長したのか?という所が重要です。

四半期ごとにこの勢いが続けば、年率でこのくらい成長しますと言ったところで、31年度の成長率は0.6%だったということです。

また、名目は0.5%成長で実質値と併せてみるとデフレになったことが確認できます。
確実にデフレは継続しています。

平成31年度と30年度を比較すると、マイナスのトップは公的固定資本形成で一兆円減っており、2番目が民間住宅で7000億のマイナスでした。

なんだかんだ言っても、緊縮財政が足を引っ張っています。

個人消費や設備投資など、民間が頑張っているのに政府は投資を減らしており、何してくれてるんだという話です。

景気が悪いときは減税をして、公共事業をやると社会科で習った方も多いと思いますが、頭のいいはずの政治家や官僚は真逆を突き進んでいます。

安倍政権が誕生した年が最も多く、それ以降は徐々に減っています。

民間の力でヘロヘロと立っているのが、今の日本経済です。

ここで消費増税をしたら一気に坂を転がり落ち、さらなる物価下落と生産能力を失うことになるでしょう。

消費税の使途はプライマリーバランスの黒字化です。

現状、国債の新規発行を抑えて、その穴埋めに消費税を使っています。

国債で賄っていた社会保障を消費税で置き換えれば、消費税は社会保障に使用していると言って言えなくはありませんが、屁理屈でしかないという印象です。

国会で使途について追求したとしても、社会保障に使用したと官僚は答弁するでしょう。

デフレであるという事を含めて、ジワジワと日本が衰退するいつもの内容だなという感じです。

金利を上げたほうが景気が良くなる説

ここから述べるのは、からあげ弁当の独自の説ですので、そのつもりでお読みください。


一般的には金利が上がると、借りて使う人が減るので、景気が減速すると考えられていますが、最近はそうでもないんじゃないかと思うようになりました。

なぜなら、金利が上がれば銀行の金利も上がって、「よし、利子が入ったのでメシでも食いに行くか」と言いだすお父さんが増えると予想するからです。

昔は老後は貯金の金利で生活するという方もいらっしゃいました。

もちろん、リタイヤするまでに、数千万というお金を貯める必要がありますが、仮に5%の金利で5000万の貯金をした場合、年間250万(税込)の利子を受け取ることができます。

これは大きいですよね。

元本保証の商品で5%の利子というのは、個人消費を考える上で絶大な経済効果があると思います。

家計には現金が1000兆円くらいあり、その全てが銀行預金とすると、50兆円が利子として支払われることになります。

もし、全て使われればGDPを1割近く成長させることができます。

鋭い方は、利子がついてもインフレで帳消しになるんじゃないか、と考えるかもしれません。

金利が高いときというのは好景気であり、そういうときはだいたいインフレなんですね。

たしかにその通りなんですが、過去の日本をみると、物価上昇率よりも銀行預金の金利のほうが高いことがほとんどです。

つまり、預金から物価上昇率を差し引いた、実質金利がプラスの世の中というのが、過去の日本では大半を占めていたということです。

昭和50年代には8%のゆうちょ定期とかありました。

これ元本保証ですからね。

その頃、それだけ物価上昇率が高かったかというと、50年代を通して5.7%程度でした。出典

つまり、物価が上がっているとも知らず、タコ足食いになっていたわけではないのです。

そういう利子とかもっと出していったほうが、景気が良くなるというのがからあげ弁当の見方です。

一方で借りる方の問題というのもあります。

日銀は金利を上げて、行き過ぎた景気を冷まそうとします。

もっとも、最近は下げる余地がないので、量的緩和をやっており、国債の枯渇によって行き詰まりつつありますが、いずれしてもあまり意味がないかなと思ってます。

というのは、経営者は金利を見て金を借りて投資するわけではないからです。

いわゆるアニマルスピリッツというやつです。

最近は景気がよくて人手が足りないから人を雇おうとか、事務所が手狭になったからもっと広いとこに行こうかとか、事業の具合によって投資するわけです。

工場がフル回転しても注文に追いつかないから機械を買おうとなる。

タコ社長が銀行に行きますよね。

融資担当者に会うわけです。

これこれで金かしてほしいと言うと、担当者はおたくは前から付き合いがあって、返済の実績もあるから考えますと言う。

稟議も問題なく通りますよみたいな話になるわけです。

そして、最後の最後に利子の話が出てきます。

お互い嫌われたくないので、そんなところには時間をかけません。

チョコチョコっと担当者が電卓をはじいていかがですか?じゃそれでと。
そんなものです。

優れた経営者になればなるほど、金利でゴネたりしません。

お互い信用でやる世界なので、下品な駆け引きはやらないんですね。

担当者も最初から精一杯やるし、経営者も相場はわかっているのでスマートなものです。

つまり、投資するかるかどうかは、その投資が必要どうかであって、金利が安いからではないんです。

工場を建てないと、注文を逃すことになるから投資するのです。

ただ、例外はあります。

不動産投資家です。

不動産投資家は金利に敏感に反応して、素早く投資利回りをはじき出します。

物件の収益から、どのくらいローンの返済や管理コストに回すかで手元に残るキャッシュが決まりますので、不動産投資家にとっては銀行の貸出金利は死活問題です。

2016年のマイナス金利導入とともに不動産は活況を呈しました。

その結果、スルガ銀行の不正融資や、フラット35を悪用した行き過ぎた投資が問題になりました。

しかし、不動産価格は上がっても物価は低いままなので、その影響は限定的なものにとどまっています。

いまだにデフレです。

80年代の土地バブルのときも、不動産価格の上昇ほどは物価は上がっていません。

金利の引き下げは不動産価格の上昇には有効ですが、景気全体を引き上げる力はないと思われます。

お金の借り手は企業だけでなく、政府もあります。

政府が借りるときは国債を発行するわけですが、最近は日銀が買い占めたせいで、金利がゼロになっています。

これも、日銀が買ったりせず、自然に任せればもっと金利は高くなるはずです。

そうすると、政府は毎年金利を余計に払うことになります。

今、政府は増税したり、年金削ったり壊れたインフラを放置したり、ケチケチやっているわけですが、そこに金利を払うという負担が増えれば、拡張的な財政ということになります。

政府支出は公共事業や社会保障ばかりではありません。

国債の利子が上がることにより、世の中全体の金利も上がるので、預金金利も上がってくることになり、再分配機能が働くことになります。

そういう意味で直接的な財政出動ができないと考えられている日銀にも、間接的に政府に支出させる道があるということが言えます。

本来ならもっと金利による所得があるはずなのですが、日銀の低金利政策によってその芽が摘まれているという状況です。

借り手と貸し手に与える影響を考えると、景気が悪いときは金利を上げて、景気が加熱したら金利を下げるのが正しい金融政策なんじゃないかと思います。

なぜ、マイルドなインフレがいいのか。

経済状態を考えるうえで、よく、マイルドなインフレがいいといわれます。

でも、なぜマイルドなインフレがいいのでしょうか?

ハイパーインフレよりは、マイルドなインフレがいいというのはわかると思います。

しかし、マイルドなデフレやゼロインフレではダメなのでしょうか?

ここで述べるのは、からあげ弁当オリジナルの理論なので、話半分に聞いていただきたいと思います。

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上の式は少し前に流行ったピケティ著、「21世紀の資本の資本」に出てくる式です。

株などの資本収益率のほうが、経済成長率(給料の伸び率)を超えているというのが、歴史の事実ということをピケティーは示しました。

簡単に言うと、資本主義では金持ちのところにより金が集まって、労働賃金より成長速度が速い。ということです。

このことにより格差が開いていきます。

放置すると格差はどんどん開いていくので政府が再分配を行うのですが、是正する方法として、持っているひとから徴税する方法と、通貨発行して(国債による財政赤字拡大)支出する方法の二つが考えられます。

富裕層への課税で再分配の財源をすべて賄おうとすると、かなり過激な税率になります。

現実的には通貨発行と併せて行うということになり、市場に流れるお金が政府の負債分増えてインフレになります。

これがマイルドなインフレじゃなければダメな理由です。

なので、お金持ちが全額負担してくれるのなら、ゼロインフレでも構わないと思います。

でも、政治的に難しそうなので、赤字国債を併用するというところに落ち着くでしょう。

全て金持ちが負担するとなると、「儲ける」ことができなくなります。

MMTでも財政赤字は物価上昇率が適正な範囲なら問題ないと言っていますし。

ピケティーに言わせれば、国際協調して資産に対して課税するのが一番良いということで、次善の策としてインフレをあげています。

ピケティーによるとインフレは必ずしも富裕層にマイナスに働くとは限らないといいます。

極端な金持ちは不動産や貴金属、株式といった、様々な金融商品に安いコストでアクセスすることができるためというものです。

一番割を食うのは中途半端な資産を持っている人たちだそうで、銀行預金で目減りするのを防ぐのがせいぜいということらしいです。

しかし、最近は投資信託もコストが安いものが多いですし、この本が書かれた2015年に比べてもかなり投資がやりやすい環境にはなっています。

適正なインフレ率とは?

適正なインフレ率とはどの程度かというと、当たり障りのないところで2%みたいな考え方をする人もいますが、からあげ弁当は一つの目安として国債金利を下回る程度であれば問題ないと考えています。

0 < 物価上昇率 < 国債金利

式にすると上のような感じでしょうか。

日本はゼロ金利、マイナス物価ですのでアウトですね。

アメリカの10年国債金利は2.5%程度で、物価上昇率が2%弱なので、適正といえるのではないかと思います。

ここでいう物価上昇率はGDPデフレーターが適当でしょう。

生活実感を捉えるなら消費者物価指数がいいですが、通貨価値の目減りを厳密にとらえるならGDPデフレーターが良いと思うからです。

ハイパーインフレになると、一気に国債金利を上回りますので、アウトということになります。

一つの仮説ですが、インフレによって損をする人は居ないかもしれないということが可能性としてあります。

インフレは金融資産の敵ではないかもしれません。

物価上昇率が国債金利以下であれば、銀行預金でも目減りしないからです。

となれば、デフレは誰の特にもならないので、さっさとインフレにしてwin-winの社会を迎え入れたいですね!

フリーランチはないという反論がありそうですが、高いと知らずに5,000円のランチを食べる人がいるのが現実ではないでしょうか。

安倍政権はMMTをやっているのか?

今、MMTと呼ばれる経済理論がアメリカで話題になっています。

このMMTを一言で言えば、物価上昇率が適正な範囲内であれば、政府は財政赤字を気にする必要はないというものです。

FRBのパウエル議長をはじめ、サマーズ元財務長官、黒田日銀総裁など経済界の重鎮はMMTに辛辣ですが、このブログではMMTを支持しています。

アメリカでは法律で政府債務の上限が決められていて、毎年のように与野党が予算編成でもめて、 政府機関が閉鎖されたりしています。


そんな中、予算の上限を気にする必要がないという理論は、大きな議論を巻き起こしました。


議論でよく引き合いに出されるのが、日本です


日本はGDPの200%を超える政府債務を抱えながら、物価上昇率は低く保たれて特に大きな問題を引き起こしていません。

アメリカの政府債務は対GDP比で100%そこそこですので、仮に今の2倍に政府債務が膨らんだとしても、日本をみればそれほど問題ないと考えることができます。

これをもって、日本はMMTのモデルだと考えているわけです。

ところが、4月4日の参院決算委員会で安倍総理は、MMTはやっていないと否定しています。

どちらが本当でしょうか?

結論を言うと、今回に関しては安倍総理は珍しく本当の事を言ったといえます。

第二次安倍政権が誕生した、平成25年度からの一般会計の決算を見てみましょう。

公債借入公債返済赤字
24年度
50.0 兆
21.0 兆 29.0 兆
25 年度 43.4 兆 21.3 兆 22.1 兆
26 年度 38.5 兆 22.2 兆 16.3 兆
27 年度 34.9 兆 22.5 兆 12.4 兆
28 年度 38.0 兆 22.1 兆 15.9 兆
29 年度 33.6 兆 22.5 兆 11.1 兆

平成24年末に安倍政権が誕生していますので、安倍政権が予算編成を行ったのは平成25年度からになります。

30年度がまだ出ていませんので29年度分までですが、安倍政権はゴリゴリの緊縮財政だとわかると思います。

返済額はほぼ一定ですが、借入が劇的に減っています

一般的な現政権に対するイメージは、軍事費やバラマキ型の外交で税金の無駄遣いを行っているように見えるかもしれませんが、実はかなりケチな財政運営を行っています。

借入が減った分は、平成26年の8%消費増税によってカバーされています。

注目していただきたいのは、25年度から、26年度にかけて公債借入が一気に5兆円も減っているところです。

8%に引き上げたことによって、消費税は5兆円程度増収になっていますが、社会保障費が1兆円程度増えた意外は、他の支出は一切増えていません。

つまり、消費増税分は見事に公債費圧縮の原資に使われてしまいました。

消費増税は社会保障に回っているという噂もありますが、そうではないのです。

政府の骨太の方針(嫌な響きですが)では、財政赤字は2025年にゼロになる予定です。

このことから、10月に予定されている消費増税は公債費圧縮の原資となる可能性が、極めて高いということが言えます。

財政赤字額を問題にしないMMTとは、真逆の姿勢です。

つまり、参院決算委員会で安倍総理が言ったように、安倍政権になってからMMT的な経済政策は行っていません

2000年から2018年までにアメリカのGDPは2倍に成長しており、日本はほぼ同額にとどまっています。

その間、アメリカの政府債務残高は4倍以上になり、対する日本は1.6倍程度です。

日本のGDPと政府債務の比率は、あたかも積極財政を行っているかのように見えますが、日本がMMT的だったのは2000年より前の話です。

2000年以降にMMTを積極的に行ったのはアメリカであり、日本は真逆の緊縮財政に走って経済が縮小したというのが現実です。

せっかくいいところまできていたのに、再デフレ化した日本。

日本が再デフレ化しています。安倍政権の前半はデフレ脱却しかけていましたが、またデフレに逆戻りしてしまいました。

3月8日に内閣府が2018年の10~12月のGDP統計を発表しました。GDP統計は経済成長率がどのくらいあったかという統計ですが、同時に物価の指標であるGDPデフレーターが掲載されています。

経済が1.5倍に成長をしても、物価が1.5倍になってしまっては意味がありません。そのため、GDPには物価の影響を差し引いた、実質GDPを計算しておく必要があります。実質GDPを求めるのに使う物価の指標が、GDPデフレーターというわけです。

こういった政府がだす統計は、見るのが非常にめんどくさいです。あまり簡単に見られると困るのかな?と思ったりします。なので、このブログでは日本が再デフレ化したという証拠を、みなさんと一緒に見に行きたいと思います。こういうことは元となる情報が重要です(最近はあやしい?)。GDP統計は内閣府が発表する統計です。

内閣府のリンク

統計情報・調査結果のリンクをクリックします。



国民経済計算(GDP統計)のリンクをクリックします。



主な時系列データ(PDF形式:594KB)とありますので、ダウンロードしてください。サイズがそこそこありますので、スマホのギガが心配な方はWi-Fiのあるところでダウンロードしてください。



開くと以下のような表紙が出てくると思います。下のページにはびっしりと数字が並んでいますが、全部飛ばしてPDFの一番下(P28)に行くとGDPデフレーターが載っているところがあります。


暦年デフレーターというところがあります。これは2011年の物価を100とした時の物価を表しています。2018年は102.7で前年より下がっています。経済学の定義に従えば、二年連続で物価が下がるとデフレということになります。2016年から二年連続で下がっていますので、はれて再デフレ確定というわけです。



デフレというのは、国民が金欠病になっていることを表しています。お金がなくてモノが買えなければ(消費、投資) 物価が下がります。

物価上昇率を見る場合、いくつかの指標があります。一番ポピュラーなのは消費者物価指数でしょうか。衣食住といった日常生活をするうえで必要なものやサービスの価格を指標化したもので、私たちの生活実感と近い性質をもっています。

ただし、GDPデフレーターと違って国内のすべての財やサービスをカバーしていません。また、エネルギーといった為替に左右される輸入品の影響を受けますので、純粋に需給のバランスからくる物価(景気)を見るのには不向きです。

日本人が金欠病を再発していることが明らかになりました。この状況で安倍政権は消費税増税を行うのでしょうか。3月7日に発表された景気動向指数も悪化しており、これ以上国民を金欠にして何がしたいのか?という怒りがわいてきます。

ここからは個人的な予想ですが、消費税を上げるよ上げるよと言っておきながら、参議院選挙前に「やっぱり中止!」そして衆議院も解散して「中止するから自民党に入れてね!」とやるような気がしてなりません。

いろんな経済失策をやらかしている自民党ですが、それでも一定の支持者がいるのは事実です。国民が現状を肯定してそれでも支持するのなら仕方がないと思います。残念ですが日本が滅びるのをただ見守るしかないでしょう。

再デフレ化確定

2月14日に内閣府から国民経済計算(2018年10月~12月)の速報が発表されました。 2018年が終わったことで、 物価を考えるうえで最も重要と考えるGDPデフレーターも出そろいました。

物価を考える上でポピュラーなのは、消費者物価指数とGDPデフレータです。消費者物価指数は衣食住といった、私たちが生活するうえで直接的に使用するものやサービスに関する物価なので生活実感に近い指標といえます。それに対してGDPデフレーターは、国内で生産されたすべてのモノやサービスをカバーしています。GDPデフレーターは海外製品を除外していますので、日本全体の物価(景気)を知るのに適しており、筆者はGDPデフレーターを重視しています。

さっそく内閣府のHPまで見に行ってみましょう。

内閣府

赤丸の統計情報・調査結果をクリックしてください。

国民経済計算(GDP統計)をクリックします。


少し下のほうに行くと緑で成長率が表示してあるところがあります。黄色の枠の部分に注目していただきたいのですが、実質のほうが名目よりも成長率が高く出ています。これは物価上昇率がマイナスであったためで、2018年はマイナス物価だったことがわかります。

記者公表資料(PDF形式:252KB)とあるリンクをクリックすると、今回の発表に関する概要がPDFで閲覧できます。その中にあるのが下のグラフです。

赤いグラフが暦年のGDPデフレータを示しています。2017年に続いて二年連続でマイナスとなりました。経済学的には二年連続でマイナス物価になることをデフレと定義していますので、今回の発表で日本は再デフレ化したということになります。

デフレはみんなが金欠病にかかっていることの証明です。モノやサービスはあるにもかかわらずお金がないばっかりに支出が減り、結果的に物価が下がりました。店にものが無ければ仕方ありませんが、モノやサービスがあるにも関わらず買えないというのは悲惨です。売る方も商品は余っているわけですから、買ってもらいたいわけです。デフレというのは誰の得にもならないみじめな現象です。

安倍政権はデフレ脱却を掲げて登場したにもかかわらず、6年も政権を担当しておいてデフレ脱却できませんでした。そのうえ消費税増税を行って金欠病を悪化させようとしています。今、日本に必要なのは消費税の減税(廃止)と拡張的な財政支出です。この結果を受けて、それでも自民党を支持するなら、それは日本国民としてどんな結末でも受け入れる覚悟があるということでしょう。これこそ本当の自己責任だと思います。

老後が不安でも、財政再建はやってはいけない

選挙が終わるやいなや、たばこ税の増税や所得税控除の引き下げのニュースが出てきています。また、自民党の公約である、2019年の消費増税による教育無償化などが現実のものとなってきました。テレビや新聞では、財政再建待ったなしの論調で溢れています。政府の財政赤字が地方を合わせて1200兆円を超えているわけですから、通常の感覚なら、少しでも減らすべきだと考えることでしょう。

税収は毎年50兆円そこそこですから、そこからやりくりして10兆円ずつ返したとしても120年はかかるわけです。また、その間には利子も発生するので、実際に返済する額はもっと多くなります。消費税を上げてでも借金を返済すべき、という論が出てくるのも仕方ないと思います。

でも、実はこれって返す必要がない借金なのです。一般的に借金というと必ず返すもの、という思い込みがあります。それはあくまで個人の話であって、企業や政府には当てはまりません。

返さなくていい借金

借金は返すものという思い込みが誰しもあります。私もそうでした。でも、これは個人の場合限定なのです。お金を貸す人の立場になって考えるとわかりますが、貸す側の人は利子を稼ぐために貸すわけです。利子がもらい続けられれば、いつまででも借りてもらいたいし、もし返済されたら新たな借り手を探すでしょう。

もちろん、必要になったときはかえしてもらうわけですが、いつでもすぐに返してもらえるなら、貸しっぱなしでも困ることはありません。

個人に貸す場合は寿命がありますので、死ぬまでに返せる額ということになります。もし、不死身の人がいれば、サラリーマンでも10億くらい借りられるのではないでしょうか。

これが企業や政府になると、ある意味不死身となり、特に政府は永続性が顕著ですので、途方もない額の借り入れも可能になります。もちろん、個々の借金には期限があり、返済は行われますが、返済するお金も借金によって行われます。なので、表面上はいつまでたっても、借金の総額は減らないのです。これは個人なら多重債務になって、即破産への道のりです。

企業は成長するにつれて、借金が多くなる傾向があります。トヨタ自動車は創業以来借金が増え続けて、現在では19兆円の借金があります。政府や大企業の負債というのは増えることはあっても、減ることはまれなのです。

外国との比較

安部政権はプライマリーバランスの黒字化を2020年に予定していました。つまり、支出と収入のバランスを黒字化して、借金返済を始めるのが2020年ということです。

下のグラフは日本の財政赤字を示しています。


世界経済のネタ帳さんからお借りしました。

キレイに借金が膨らんでいます。予定では2020年からこのグラフが右肩下がりになるということです。ここで少し他の国と比較してみたいと思います。G20の先進国と比べてみましょう。ざっと眺めるだけで結構です。



















すべて世界経済のネタ帳さんからお借りしました。世界経済のネタ帳さん最高!

あれ?と思いませんか?サウジアラビアを除いてほぼ全て右肩上がりになっています。これは、G20が特殊なのではなく、世界中の国のほとんどで、財政赤字は増えているのです。

世界的に見ると、財政赤字は増えるのが普通であり、減っているところは例外といえるでしょう。歴史的にも建国以来、財政赤字が減っている国はほとんどありません。

安倍さんはこれを2020年から右肩下がりにしようとしているわけですから、どれほど異様なことかご理解いただけるのではないでしょうか。

社会保障費はどこからでるか

今後、長期的な社会保障はどのように負担されるべきでしょうか?

これは、結論からいうと公債、つまり借金によって捻出されるというのが答えになります。G20の政府債務残高からもわかるように、多くの国が公債によって行政を維持しています。

これを将来世代へのツケの先送りという言い方をすることもありますが、政府に貸しているお金はもともと国民のお金です。私たちの祖先も政府にお金を貸していますが、未だに返済はされていません。銀行や生命保険に預けている私たちのお金も、政府に貸し付けられています。おそらく、私たちの子孫も私たちと同じように銀行預金を通じてお金を政府に貸すはずです。

政府は借りたお金によって社会保障や公共事業といった必要な支出を行います。病院やなどに支払われた政府が支出したお金は、紆余曲折を経て再び私たちの預貯金になります。つまり、私たちから借りたお金が政府によって使われて、再び私たちの所へ帰ってくるということを延々続けているのです。

政府の財政赤字を増やしながら私たちの資産を形成していくというこの方法は、歴史的、世界的な標準であり、借金というだけで恐れる必要はありません。むしろ、これは持続可能なシステムであり、将来にわたって私たちの社会保障を維持していくでしょう。

その影響として、物価の上昇が起こります。今、100円位するアイスも、昔は10円で売られていました。昭和のモノの値段が安かったのは、マネーの量がそれだけ変わったことを示しています。今後も物価が上がり続けて、政府債務残高も増えて、私たちの社会保障を維持していくことが理想です。

しかし、現在は世界的な低物価です。つまり、それだけ世界中の政府支出や社会保障の削減といった、弱者を切り捨てる方向に行っていることを示しています。

まとめ

政府の財政赤字は増えるのが普通であり、老後のために財政再建をするのは、ナンセンスというほかありません。G20を見ても財政再建と言っている国など日本くらいのものです。

基本的に行政コストは公債から支出して維持していき、財政赤字は増えていくものです。その結果、物価の上昇が起きます。翻って、政府がきちんと社会保障などの手当てを行っているかを物価をみることで判断できるということです。

経済成長とはなにか?

経済成長とはGDPが成長すること

突然ですが、経済成長とはなんでしょうか?結論から言うと、経済成長というのはGDPが成長することということです。うーん、でもGDPっていうのがイマイチピンと来ないんだよね、という人もいらっしゃるかと思います。

日々、私たちはイトーヨーカドーやAコープといったお店で買い物をしますが、売値から仕入れ値を引いた粗利がGDPの部分だと思ってください。

60円の商品を仕入れて100円で売るとすると、40円の粗利益になります。この40円がGDPに計上される部分です。難しくはないですよね。

40円はお店に並べてお客さんが買い物をしやすいようにしたり、お客さんの自宅付近に店舗を作ったりする資金になります。つまり、サービスを提供することによって得られる対価です。綺麗で身近にある店舗や商品ごとに整理されて陳列されている棚など、誰かがはたらくことで維持されています。いわゆる付加価値というものです。

誰も何もしなかったらメーカーをネットで検索して、直接取り寄せなければいけないのでめんどくさい限りです。しかし、お店が色んなメーカーを取り揃えて、しかも整理して比較しやすいようにしてくれています。そういった小売サービスに対して私たちは対価を支払っています。この部分が労働によって生み出された付加価値です。

日本国内で1年間にどれだけの付加価値が作り出されたかが、GDP(国内総生産)です。この付加価値が多くなれば多くなるほど便利で快適な世の中だよね、ということになり、経済成長が大切だといわれる所以です。服にしてもパソコンにしても元になる部品や原材料を仕入れて、加工、販売するはずです。

また、輸出額から輸入額を差し引いた額を純輸出といい、これもGDPに加算されます。2016年は86.7兆円の輸出に対して、81.5兆円の輸入を行っていますので、差し引き5.2兆がGDPに計上されました。

GDP(国内総生産) = 国内で生産された付加価値 + 純輸出

2016年の名目GDPは537兆円でしたので、貿易黒字が占める割合というのは1%にも満たないということになります。貿易赤字になればその分、GDPは下がることになります。

国内で生産された付加価値は更に民間と政府に分けることができます。例えば行政サービスもサービスですので付加価値ということになり、GDPに計上されます。ただ、警察に犯人を逮捕してもらったからといって、お金を払うわけではありません。売り上げと仕入れの原則に反するわけですが、公務員が提供するサービスは、支払われた給料がそのままGDPとして計上されるようになっています。また、公共事業などの政府支出なども含めて政府支出はGDPを構成する重要な要素になります。

GDP(国内総生産) = 民間による付加価値 + 政府による付加価値 + 純輸出

経済成長とはこのGDPが毎年上がっていることを指します。過去、10年間の推移を見るとある程度は順調に上がってきていることがわかります。


内閣府(国民経済計算より)名目GDP暦年(兆円)

2008年の秋にリーマンショックが始まって、翌年は落ち込んでしまいました。回復基調になるまで4年はかかっています。2015年にようやく元の水準に戻ってきたというところです。

経済は成長しているけど・・

こうしてみてみると、リーマンショックという外的な要因を除けば、そこまで経済状態が悪いというわけでもありません。ただ、生活者の実感としては景気がいいと感じる人は、一部なのではないかと想像します。非正規雇用の拡大や過去46年で最低の労働分配率などがその原因として考えられます。

大学生の二人に一人がローンを背負って卒業するといわれています。こういったことからも決して国民すべてが豊かに生活しているとは言えません。親の所得が低いのは非正規雇用だからというわけです。日本全体としてはGDPも回復してきて絶好調のようですが、いわゆる格差の問題はこのグラフからは読み取れません。

そもそも、国内の豊かさを測るために考えられたGDP(国内総生産)ですが、格差という内部的な偏りには対応していないという問題があります。同様に株価も庶民の暮らしと直接的に関連しません。経済成長しているから、経済政策は成功だと考えるのは早合点であり、もっときめ細かく見ていく必要があると思います。