年金制度は保険料負担を下げて国庫比率をあげよう

例の2000万円の問題が拡がりつつあるようです。


問題となったのは、金融庁の有識者が議論した中で、リタイヤ後に30年で預貯金の取り崩しが2000万円くらいになるという報告でした。

リタイヤまでに2000万貯められるだろうか?

そんな不安を持つ人も少なくないでしょう。

ただ、前回の記事にも書いたのですが、今回の金融庁の発表というのは、貯蓄から投資へという国の方向性を強化する目的があったと考えています。

高齢者は資産を沢山もってますので、いかに投資に取り込むかという議論がされていて、認知能力の低下とリスク商品との付き合い方みたいな議論もされています。

認知症の人が増えて、投資したはいいが管理ができなくなると困るというわけです。

高齢になったらできるだけ資産管理はシンプルにといった提言もされています。

確かに管理しやすくしておくのはいいんですが、そもそも高齢になれば資産はリスク商品から債権などの低リスク商品に移行させていくというのが投資のセオリーです。

リタイヤした人に国が投資を推奨するというのはかなり問題があります。

また、多くの人は年金は下がっていくか、そのうち受け取ることができなくなるという思いがあるようです。

まったく受け取ることができなくなるのはないにしても、受け取る額が減るのは仕方がないと思う人は多いのではないでしょうか。

だったら、投資して自己防衛しとこうとなるのは自然だと思います。

しかし、必ずしも年金は減るとは限りません。

少子高齢化していきますので、現役世代が少なくなるのは事実です。

少ない現役世代が多くの高齢者を支えるには、保険料を多く納める必要があるので、おのずと限界があるというのが常識的な見方です。

しかし、これは必ずしもそうではないのです。

公的年金(国民、厚生、共済)全体をみると、税金が占める割合が過去20年間で増えています。

支払い総額うち税金補填分税金が占める割合
平成9年39.3兆円4.5兆円11.4%
平成29年52.4兆円12.5兆円23.9%

つまり、私たちが納める保険料だけでは足りないので、国が国庫(税金)からプラスしてくれる部分が、最近では2割以上になっているということです。

これをこのまま3割4割に引き上げていけば、現役世代の保険料負担はそのままに、今以上の年金の給付を行うことは可能です。

もちろん、税金にしても私たちが負担するものですが、平成9年から29年にかけての税金補填というのは、私たちが納めた税金ではなく、赤字国債によって行われてきています。

いわゆる国の借金です。

国の借金という言い方は財務省の専売特許なので、より正確に言い直すと政府の借金ですね。

つまり、私たちの負担増になることなく、今の年金水準が維持できているのは、政府が借金をしてくれて給付に回してくれているから、ということになります。

年金に占める税金の割合が増えて、かつ、その財源が赤字国債によって賄われているというのは、一般の生活者の立場からすると2つの意味で良い方向だといえます。

悪い方向ではなく、良い方向です。

ポイントは2つあります。

  • 給付に占める国庫の割合が増えているところ
  • しかも国庫は赤字国債によって拠出されているところ

まず、税金が占める割合が増えているのが良いというのは、逆進性の問題の解消があります。

逆進性というのは高所得者にとっては有利で、低所得者に不利な税制を指します。

国民年金の保険料は一律16,410円/月(令和元年現在)で、年収200万円の人も年収2,000万円の人も、毎月同じ額を支払わなければなりません。

年間196,920円もの保険料を、年収200万の人が払うのはかなりの負担です。

免除措置などあるものの、定額の保険料は収入が低い人ほど所得に占める割合が高くなります。

年金を一律の保険料で徴収するというのは、低所得者にとっては大変厳しい制度ということが言えます。

任意で加入できるものであれば、所得に応じて加入したりしなかったり調整ができるわけですが、年金は強制加入です。

保険料の占める割合が減って赤字国債による給付分が増えれば、それだけ国民負担が減ることになります。

現在の2割の税金補填部分を、3割~4割に引き上げることができれば、少子高齢化が進んでも保険料を上げることなく、現状と同じかそれ以上の給付を実現することは可能です。

次に赤字国債の拡大ですが、不足する給付を税金で穴埋めしなかったのは、不幸中の幸いだったといえます。

税金によって拠出されてしまえば、経路が異なるだけで国民から徴収することに変わりがありません。

現在の日本はデフレという病にかかっています。

ひと言でいうとデフレというのは国民総金欠病です。

賃金や年金が上がらないので支出ができず、モノやサービスを安くしなければ売れないのがデフレです。

デフレはなぜ悪者なのか?ずばり、金欠で生活が苦しいということにつきます。

もし、デフレ下で税金を徴収すれば、さらに金欠病が悪化していたでしょう。

税金ではなく赤字国債によって年金に補填したことによって、いくらか国民の負担が軽減されたのは不幸中の幸いだったと思います。

不足する給付は赤字国債で賄うとして、最後に 政府の借金をどうするか? という大きな問題が残ることになります。

2018年12月末で中央政府と自治体には 1,304兆円の 借金があります。(日銀データ

本来、政府に通貨発行権があるはずなのですが、日本銀行に通貨発行権を渡してしまっています。

現在、通貨発行を行っているのは日本銀行です。

政府自身は通貨発行が出来なくなっていて、資金が必要なときは日本銀行から借りるという形をとりますが、それも、特別な事情がない限り、日銀が政府に資金を貸すことを禁止しています。

日銀が政府に資金を貸すことを、直接引受といいます。

通貨発行権を日銀に預けて、直接引受も禁止してしまったため、政府がお金が必要な時は、民間の金融機関から借りて使うという情けないことになっています。

1,304兆円はそのようにしてできた負債です。

日銀には通貨発行権があるため、必要とあれば政府はいつでも返済することは可能です。

所詮、日銀は政府の一部ですし、通貨発行権を手放したといっても、日銀に通貨発行させれば金額無制限でいつでも返済可能なのです。

わざわざこんなことをするのは、気軽に通貨発行できてしまうと、ジャンジャンお金を使ってしまってインフレになるからということらしいです。

地元にお金をばらまく政治家のほうが選挙に勝てますので、そういった野放図な支出を戒める為に、このような仕組みになっていると言われています。

しかし、経済評論家の中野剛志さんによれば、これは憲法83条に違反するそうです。

第83条 【財政処理の基本原則】 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

歳出歳入はもちろん、通貨発行についても国会で議決することで行使され、決めるのは主権者たる国民だということです。

税制や政府支出は国会で決めるというのは常識ですが、もう一つ、どの程度通貨発行をするかということも私達が決めることなのです。

老後の資産が2000万円必要とありますが、現実的に用意できない方も多いでしょう。

であるなら赤字国債(通貨)を発行して使えばいいというのが、からあげ弁当の結論です。

そのためには政治を動かす必要がありますが、残念なことに与野党揃いも揃って緊縮財政ばかりです。

山本太郎のれいわ新選組が、今のところもっともまともな経済政策を掲げています。

2,000万円用意するのも、政治を変えるのも非常にキツイのですが、いずれかを選択せざるを得ません。

20歳かそこらなら仕方ないですが、40代50代で選挙に行かないとかありえません。

是非、来月の参院選では自分の意志で、政治家を選んでみてはいかがでしょうか。

老後に備えて2000万円が必要という金融庁の発表を、真に受けるべきか、それとも受け流すか。

金融庁が老後に備えて2,000万円貯金して自助努力を、という報道がなされています。

多くの人が唖然としましたし、Yahooのコメント欄も大荒れです。

からあげ弁当もどういうことか金融庁に見に行きました。

 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

無職の高齢夫婦だと月平均5万円くらい貯金を切り崩しているので、30年で2,000万くらい貯金がいるよ、ということが書いてあります。

これは金融庁が有識者を集めて「高齢社会における金融サービスのあり方」などをテーマに議論を行い、その結果をまとめた報告書です。

金融資産の多くは高齢者が保有しているので、巷で言われるような年金不足を投資でカバーしろというよりは、いかに高齢者の持つ金融資産を株式市場に誘導するか、というところにポイントが置かれた議論のようです。

会議には大学教授の他、証券会社や保険会社の人が入っており、いわゆる貯蓄から投資へという動きに弾みをつける狙いがあるとからあげ弁当はみています。

言っても金融庁ですので、年金の敗北宣言というより、金融業界の意向をうけた資産運用啓発のようなものだと思います。

GPIFも35兆円を日本株で運用していますし、日銀はETFに25兆円入れています。

現在、65歳以上が3割近くいますので、更にその人たちの預貯金も株式に誘導するつもりでしょう。

国をあげて株をやろうというわけです。

この議論の中では加齢とともに認知力が低下するので、リスク商品との付き合い方についてどのように取り組むかという議論がなされています。

一般的な、年齢とともにリスク商品から安全資産に移行する、というセオリーとは逆行しています。

まして認知機能が低下してまで、投資を継続するなどどうかしてます。

最後に以下のような提言で締めくくられています。

<現役期>
  • 早い時期からの資産形成の有効性を認識する
  • 少額からであっても安定的に資産形成を行う
  • 自らにふさわしいライフプラン・マネープランを検討する
  • 長期的に取引できる金融サービス提供者を選ぶ
<リタイヤ期前後>
  • 退職金がある場合、それを踏まえたマネープラン等を再検討する
  • 収支の改善策を実行する
  • 中長期的な資産運用の継続と計画的な取崩しを実行する
<高齢期>
  • 心身の衰えを見据えてマネープランを見直す
  • 認知・判断能力の低下・喪失に備える

一言で言うなら、投資で老後の資金を作ってくださいということです。


働いても給料はたかが知れているし、貯金しても老後の生活は支えきれないというわけです。


そのための煽りとして、年金の不足をあげていることが今回の騒ぎの本質です。

あくまで、軸足は金融商品の販売促進です。

証券会社の会議ならまだ理解できますが、政府がやることじゃないですね。

非正規雇用の拡大や終身雇用の崩壊を促進させておいて、その代わりに投資をすすめるというのは、もはや政治ではありません。

日本人の金融資産1800兆円のうち、300兆円しか株や投資信託に入っていませんので、まだまだ投資に向かう余力はあるのですが、日本人に不足しているのは投資ではなく、自分の置かれた状況を真剣に考えるということではないでしょうか。

年金について不安があるなら、年金について勉強してみるとか、非正規雇用の賃金は本当に妥当なのかとか。

それを抜きにいきなり投資に走るというのは、まさに為政者の思うツボです。

個人的な考えですが、投資というのは余力のある人が、趣味の範囲でやるものだと思います。

そして、がっぽり儲かった日には、ベンツを乗り回して「いやー、株でちょっとね」とシャバを流すというのが、本来のあり方のような気がします。

ちなみに年金が危機的状況というのは嘘で、金を刷れば年金問題は解決します。

問題なのは生産年齢人口が少なくなったときに、日本人全体を満たせる生産力が維持できないことにあります。

お金は刷れば無限にありますけど、買えるものには限界があるということです。

2025年には700万人に達するとも言われる認知症の高齢者を、誰がどうやって看るのでしょうか。

年金が足りないから投資させるというのは、政府の姿勢としてかなり問題です。

年金の危機というウソを交えながら、社会環境の改善もせずに、老後に備えて投資をそそのかすという怠惰な姿勢に対して、国民は徹底的に怒るべきでしょう。

トランプと貿易赤字

アメリカのトランプ大統領が来日しています。

相撲を見るらしいですが、千秋楽を待たずに朝乃山が優勝したため、消化試合を見ることになりました。

日本の対米貿易黒字(アメリカは赤字)が問題になると思われます。

トランプは米中貿易でもそうですが、貿易赤字にこだわっています。

ただ、普通の会社とかだと赤字は困りますが、アメリカや日本のような通貨を自分で発行している国は、それほど貿易赤字にこだわる必要はありません。

1971年以前は金本位制で、ドルを一定量の金と交換することを米政府は保証していました。

60年代のベトナム戦争でアメリカは大量の物資を必要としたため、海外から輸入を行いドルで決済を行いました。

金本位制のもとでドルで支払うということは、金で支払うことと同じです。

長引くベトナム戦争によって金不足になったアメリカは、海外からの輸入ができなくなり、このことが金本位制をやめるきっかけになったといわれています。

金本位制のもとでは貿易不均衡が続くと、金不足になって輸入ができなくなります。

よく海外にドル(円)が流出して云々(うんぬん)というのは金本位制度のもとでの話です。

1971年以前の世界では貿易不均衡は非常に問題になります。

輸入超過で金不足になれば、輸入ができなくなるからです。

ところが、現在は金本位制ではないので、継続的な貿易不均衡であっても問題ありません。

どんどんドルを印刷して使用すればいいですから。

アメリカは対外債務残高は2018年末で33.4兆ドルありますが、米経済好調!などと言われています。

これは一国の経済状態と経常赤字との間には、直接的な関係がなくなったことを表しています。

昔なら33.4兆ドル分の金を持っていないと、それだけドルを発行することもできませんでしたが、今はちがいます。

外国が33.4兆ドルもっているということは、アメリカで33.4兆ドル分の買物ができるということです。

トランプは世界各国にアメリカ製品を売り込もうと躍起で、しかも、世界の多くの国が米ドルを持っています。

みんなドルを持っているし、売りたい商品もある。

トランプとしては渡りに船です。

しかし、買うほうもそれぞれ産業があるので、おいそれと輸入するわけにはいかない。

特に農産品はどこの国でも生産しているので、安易にアメリカから輸入すると、自分のところの農家の製品が売れなくなります。

今や世界中でセールス合戦が繰り広げられています。

輸出を増やすことができる国のトップの支持率は上がりますので、貿易黒字が増えればそれだけ地位が安泰になります。

輸出を増やしたいのはトランプだけではないんですね。

世界中セールスマンだらけなわけですが、これは買い手が不足しているということです。

その影響でモノがあふれている国は物価が低くなります。

日本、アメリカ、欧州など先進国は軒並み低物価です。

国内で売れないので、海外で売ろうということですが、あいにく海外も物価が低いのでお互いに間に合ってますよという。

ここでやるべきなのは、やはり内需拡大ですね。

国際協調して内需拡大をやれば、お互いに需要の食い合いをせずに済みます。

トランプが「瓶三、オレはこれだけ内需拡大するから、お前のところも内需拡大しろ。」みたいな話し合いが理想です。

思えば、80年代の日米構造協議のころは、アメリカは日本に内需拡大しろって言ってました。

よく考えれば、お互い協調して取り組むべき問題だと思います。

「れいわ新選組」完璧な経済政策

山本太郎が自由党を離党して、一人でれいわ新選組を立ち上げました。


現在、一人しか居ませんので、まだ政党にはなれないのですが、今後の選挙次第では、国民にとって本当に有望な受け皿になると期待しています。

しかし、れいわ新選組が掲げる政策は、惚れ惚れしてしまいます。

  • 消費税廃止
  • 奨学金チャラ
  • 最低賃金1500円(政府が保証)
  • 公務員を増やします
  • トンデモ法を廃止
  • 原発即停止

上にあげたものが全てではないのですが、これらが実現しただけでも、多くの国民がその恩恵をうけて、本当の意味で豊かさを享受できる素晴らしい未来が待っていることでしょう。

消費税廃止

言わずもがなの消費税廃止です。このデフレ真っ只中で、何をしてくれてんだという話です。


GDPの6割が個人消費をしめており、2%の増税で約6.5兆円のお金が市場から政府へ吸収されることになります。

6.5兆円が福祉などに使われれば再び市場にもどるわけですが、公債費の抑制に使用されますので、そのまま消えて無くなることになります。

お金はもともと日銀(政府)が作り出したものなので、再び政府の手によって無くなるというわけです。

こんなことをやれば、デフレになるのは当然と言えます。

奨学金チャラ

現在、新卒の二人に一人が学費の借金を背負って社会に出てきます。

20年くらい前はそんなことはありませんでした。

以前に比べて日本人は貧しくなったと思います。

最低賃金1500円

賃金安すぎてカツカツの生活です。所得が低ければ、奨学金を使わざるを得ないというように、悪循環になってます。

まずは、所得をまともな水準まで引き上げる必要があります。

そのためには消費税廃止を含めて、政府が所得保証するくらいのことが必要です。

公務員を増やします

一万人あたりの公務員数は先進国最低です。

災害などで小学校の体育館が避難場所になったりしますが、常駐する職員は平均で1人です。

一人で何百人ものお世話ができますか?

基本的に被災者自身が、生活の一切を取り仕切らないとなりません。

あらゆる場面で公務員の数は不足しすぎています。

トンデモ法を廃止


TPPや移民法などを廃止するそうです。これら法律は企業にはメリットになっても、国民個人のメリットにはなりません。

企業の業績が上がっても、従業員に還元されにくくなっています。

わずかな企業の利益のために、日本社会を混乱させるのは本末転倒です。

原発即廃止

株を買うときも、社会的に意味があるのかというのは非常に重要です。

どんなに儲かっていても、原発関連や人材派遣会社に投資する気がおきません。

福島を目の当たりにして、未だに原発を推進する経団連の姿勢は理解し難いです。

今まで人のことを立派とか思ったことはほとんどありませんが、山本太郎は立派だなあとしみじみ思います。

かつて、元気がでるテレビで、破天荒なキャラクターを演じていた、あの山本太郎がというのもありますが。

山本太郎が当時と変わったのかというと、そうではなくて、昔は人を笑わす事でサービスし、今は政治で人を助けをしているんだと思います。

その根底に共通してあるのは、サービス精神なんだろうなと。

人が喜ぶことをしたいというのが、山本太郎なんでしょう。

だから立派だと思うわけです。

現在、れいわ新選組では、選挙資金の寄付を募っています。

からあげ弁当もわずかですが寄付をしました。

平成のような政治を令和に引きずらないためにも、ご協力をお願いします。

寄付で協力したいという方はこちらまで

以下、れいわ新選組のHPの内容を転載します。

必要な金額

衆参ダブル選で挑戦する場合、10億円が必要。

参院選で最大限の挑戦をする場合、5億円が必要。

参院選で10人の候補者を擁立する場合、3億円が必要。無謀な挑戦に終わらぬよう期限を切ります。

5月31日までに1億円集める

5月31日までに1億円が集められるなら、その先には3億円〜5億円を集められる可能性があると考えます。

集まり具合によって、上記のプランいずれかを実行いたします。

1万人から1万円いただけると1億円。

5万人から1万円いただけると5億円。

10万人から1万円いただけると、10億円(この場合、衆議院とのダブル選挙にもリーチ)1万円にこだわっている訳ではありません。

みんなで出し合えば、巨大政党と並ぶ戦いが展開できるという例です。

千円でも5千円でも、1万円でも、100万円でも。あなたのできる範囲でのお力添えを賜れれば幸いです。

れいわ新選組への寄付はこちらまで

安倍政権はMMTをやっているのか?

今、MMTと呼ばれる経済理論がアメリカで話題になっています。

このMMTを一言で言えば、物価上昇率が適正な範囲内であれば、政府は財政赤字を気にする必要はないというものです。

FRBのパウエル議長をはじめ、サマーズ元財務長官、黒田日銀総裁など経済界の重鎮はMMTに辛辣ですが、このブログではMMTを支持しています。

アメリカでは法律で政府債務の上限が決められていて、毎年のように与野党が予算編成でもめて、 政府機関が閉鎖されたりしています。


そんな中、予算の上限を気にする必要がないという理論は、大きな議論を巻き起こしました。


議論でよく引き合いに出されるのが、日本です


日本はGDPの200%を超える政府債務を抱えながら、物価上昇率は低く保たれて特に大きな問題を引き起こしていません。

アメリカの政府債務は対GDP比で100%そこそこですので、仮に今の2倍に政府債務が膨らんだとしても、日本をみればそれほど問題ないと考えることができます。

これをもって、日本はMMTのモデルだと考えているわけです。

ところが、4月4日の参院決算委員会で安倍総理は、MMTはやっていないと否定しています。

どちらが本当でしょうか?

結論を言うと、今回に関しては安倍総理は珍しく本当の事を言ったといえます。

第二次安倍政権が誕生した、平成25年度からの一般会計の決算を見てみましょう。

公債借入公債返済赤字
24年度
50.0 兆
21.0 兆 29.0 兆
25 年度 43.4 兆 21.3 兆 22.1 兆
26 年度 38.5 兆 22.2 兆 16.3 兆
27 年度 34.9 兆 22.5 兆 12.4 兆
28 年度 38.0 兆 22.1 兆 15.9 兆
29 年度 33.6 兆 22.5 兆 11.1 兆

平成24年末に安倍政権が誕生していますので、安倍政権が予算編成を行ったのは平成25年度からになります。

30年度がまだ出ていませんので29年度分までですが、安倍政権はゴリゴリの緊縮財政だとわかると思います。

返済額はほぼ一定ですが、借入が劇的に減っています

一般的な現政権に対するイメージは、軍事費やバラマキ型の外交で税金の無駄遣いを行っているように見えるかもしれませんが、実はかなりケチな財政運営を行っています。

借入が減った分は、平成26年の8%消費増税によってカバーされています。

注目していただきたいのは、25年度から、26年度にかけて公債借入が一気に5兆円も減っているところです。

8%に引き上げたことによって、消費税は5兆円程度増収になっていますが、社会保障費が1兆円程度増えた意外は、他の支出は一切増えていません。

つまり、消費増税分は見事に公債費圧縮の原資に使われてしまいました。

消費増税は社会保障に回っているという噂もありますが、そうではないのです。

政府の骨太の方針(嫌な響きですが)では、財政赤字は2025年にゼロになる予定です。

このことから、10月に予定されている消費増税は公債費圧縮の原資となる可能性が、極めて高いということが言えます。

財政赤字額を問題にしないMMTとは、真逆の姿勢です。

つまり、参院決算委員会で安倍総理が言ったように、安倍政権になってからMMT的な経済政策は行っていません

2000年から2018年までにアメリカのGDPは2倍に成長しており、日本はほぼ同額にとどまっています。

その間、アメリカの政府債務残高は4倍以上になり、対する日本は1.6倍程度です。

日本のGDPと政府債務の比率は、あたかも積極財政を行っているかのように見えますが、日本がMMT的だったのは2000年より前の話です。

2000年以降にMMTを積極的に行ったのはアメリカであり、日本は真逆の緊縮財政に走って経済が縮小したというのが現実です。

消費税は社会保障には使われていないという事実

10月15日の臨時閣議で安倍総理は消費税10%への増税を明言し、落ち込む消費対策としてプレミアム商品券やクレジットカードのポイント還元などを指示しています。

一回上がってしまったら減税しないかぎり10%が続くのに、本気で一時的な商品券やポイントでしのごうとしているのでしょうか。めまいがしてくるようなセンスです。

ただ、多少景気が落ち込んでも、社会保障のためならなら仕方がないという意見もあるようです。しかし、本当に社会保障に使われているのでしょうか。まず、現状の社会保障をおさらいしておきたいと思います。

社会保障の概略

政府には一般会計と特別会計という2つの財布があり、所得税、法人税、消費税などは一般会計へ入って、国民・厚生年金や介護保険などの掛け金は特別会計に入ります。平成28年度の国民・厚生年金の給付総額は51兆円で、うち40兆円が特別会計から支払われ、11兆円が一般会計から補填されました。支払われる年金の8割が保険税として納めた特別会計から支出されており、2割が一般会計から補助的に支出されています。年金に限らず、健康保険、介護、子育てなどの社会保障のメインは特別会計であり、補助的に税金が入っているというのが大雑把なイメージになります。

年金は賦課方式で現役世代が支払った保険税が、右から左にそのまま高齢者に給付されます。このことから税金で補填しなくても、私たちが保険料を納める限り、8割程度の給付水準は維持できるといえます。また、年金は破綻することが懸念されていますが、年金特別会計の残高は29年度末で164.1兆円あり、破綻するどころか逆に過去最高に達しています。平成元年末には73.4兆円だったことから平成時代を通して2.2倍になりました。これは、取り崩すことなく私たちの保険料が積み立てられたのと、運用が株式にシフトしたことで運用益があがったことによるものです。

財務省の詭弁

平成26年に消費税を8%へ増税したときには、税収が5.2兆円ほど増えましたが、社会保障関連費は0.9兆円しか増えていません。

25年度 26年度
消費税 10.8兆円 16.0兆円
社会保障関連費 29.2兆円 30.1兆円

しかし、財務省は消費税増税した分は、全て社会保障に使っていると公式に発表しています。大ウソなんですが、頭の切れる?官僚なので、そのへんの逃げ道は用意されています。それは今まで社会保障費として公債費(借金)によって穴埋めしてきたものを、消費税で賄うようにしたというものです。直接的には公債費を抑えて、足りない分を消費税で肩代わりしたという理屈です。実際に公債費は消費税の税収が増えた分、低く抑えられています。

25年度 26年度
消費税 10.8兆円 16.0兆円
公債費 43.4兆円 38.4兆円
社会保障関連費 29.2兆円 30.1兆円

一般会計には所得税や法人税、消費税がごちゃまぜに入っているので、消費税は社会保障で所得税は防衛費といった考え方はしません。集めた税金を1つの財布に入れているので、消費税を何に使うかなど決めようがないのです。そんなことを言うなら、国会議員の給料のために消費税をあげたと、言って言えなくはありません。今までは借金によって議員報酬を支払ってきたけど、消費税で払うようにする、と言っても理屈は通ります。それを恩着せがましく社会保障に使っているというのですから、悪質なウソといっていいでしょう。

消費税の目的

仮に10%に上がっても、社会保障が純増するわけではないと考えています。公債によって支えられてきたものを消費税に置き換えただけで、実際には公債費の抑制に使われるでしょう。社会保障に使ったという詭弁が使われる可能性が大きいので、注意して見ておく必要があります。現在の政府が全力で目指している方向は、社会保障の充実ではなく、政府債務の削減です。学校にエアコンがつかないのも、生活保護が削減されるのも、災害復旧が進まないのも、全て借金の抑制のためです。

政府は2025年までに借金に頼らない予算編成ができるように目指しています。29年度の決算ベースでみると、あと11兆円ほど支出削減するか税収が上がれば、借金に頼らない財政運営ができます。これを全て消費税で行おうとすれば、15%〜20%にはなるのではないでしょうか。それまでは緊縮財政と増税の猛威が国民を襲い続けるでしょう。

老後が不安でも、財政再建はやってはいけない

選挙が終わるやいなや、たばこ税の増税や所得税控除の引き下げのニュースが出てきています。また、自民党の公約である、2019年の消費増税による教育無償化などが現実のものとなってきました。テレビや新聞では、財政再建待ったなしの論調で溢れています。政府の財政赤字が地方を合わせて1200兆円を超えているわけですから、通常の感覚なら、少しでも減らすべきだと考えることでしょう。

税収は毎年50兆円そこそこですから、そこからやりくりして10兆円ずつ返したとしても120年はかかるわけです。また、その間には利子も発生するので、実際に返済する額はもっと多くなります。消費税を上げてでも借金を返済すべき、という論が出てくるのも仕方ないと思います。

でも、実はこれって返す必要がない借金なのです。一般的に借金というと必ず返すもの、という思い込みがあります。それはあくまで個人の話であって、企業や政府には当てはまりません。

返さなくていい借金

借金は返すものという思い込みが誰しもあります。私もそうでした。でも、これは個人の場合限定なのです。お金を貸す人の立場になって考えるとわかりますが、貸す側の人は利子を稼ぐために貸すわけです。利子がもらい続けられれば、いつまででも借りてもらいたいし、もし返済されたら新たな借り手を探すでしょう。

もちろん、必要になったときはかえしてもらうわけですが、いつでもすぐに返してもらえるなら、貸しっぱなしでも困ることはありません。

個人に貸す場合は寿命がありますので、死ぬまでに返せる額ということになります。もし、不死身の人がいれば、サラリーマンでも10億くらい借りられるのではないでしょうか。

これが企業や政府になると、ある意味不死身となり、特に政府は永続性が顕著ですので、途方もない額の借り入れも可能になります。もちろん、個々の借金には期限があり、返済は行われますが、返済するお金も借金によって行われます。なので、表面上はいつまでたっても、借金の総額は減らないのです。これは個人なら多重債務になって、即破産への道のりです。

企業は成長するにつれて、借金が多くなる傾向があります。トヨタ自動車は創業以来借金が増え続けて、現在では19兆円の借金があります。政府や大企業の負債というのは増えることはあっても、減ることはまれなのです。

外国との比較

安部政権はプライマリーバランスの黒字化を2020年に予定していました。つまり、支出と収入のバランスを黒字化して、借金返済を始めるのが2020年ということです。

下のグラフは日本の財政赤字を示しています。


世界経済のネタ帳さんからお借りしました。

キレイに借金が膨らんでいます。予定では2020年からこのグラフが右肩下がりになるということです。ここで少し他の国と比較してみたいと思います。G20の先進国と比べてみましょう。ざっと眺めるだけで結構です。



















すべて世界経済のネタ帳さんからお借りしました。世界経済のネタ帳さん最高!

あれ?と思いませんか?サウジアラビアを除いてほぼ全て右肩上がりになっています。これは、G20が特殊なのではなく、世界中の国のほとんどで、財政赤字は増えているのです。

世界的に見ると、財政赤字は増えるのが普通であり、減っているところは例外といえるでしょう。歴史的にも建国以来、財政赤字が減っている国はほとんどありません。

安倍さんはこれを2020年から右肩下がりにしようとしているわけですから、どれほど異様なことかご理解いただけるのではないでしょうか。

社会保障費はどこからでるか

今後、長期的な社会保障はどのように負担されるべきでしょうか?

これは、結論からいうと公債、つまり借金によって捻出されるというのが答えになります。G20の政府債務残高からもわかるように、多くの国が公債によって行政を維持しています。

これを将来世代へのツケの先送りという言い方をすることもありますが、政府に貸しているお金はもともと国民のお金です。私たちの祖先も政府にお金を貸していますが、未だに返済はされていません。銀行や生命保険に預けている私たちのお金も、政府に貸し付けられています。おそらく、私たちの子孫も私たちと同じように銀行預金を通じてお金を政府に貸すはずです。

政府は借りたお金によって社会保障や公共事業といった必要な支出を行います。病院やなどに支払われた政府が支出したお金は、紆余曲折を経て再び私たちの預貯金になります。つまり、私たちから借りたお金が政府によって使われて、再び私たちの所へ帰ってくるということを延々続けているのです。

政府の財政赤字を増やしながら私たちの資産を形成していくというこの方法は、歴史的、世界的な標準であり、借金というだけで恐れる必要はありません。むしろ、これは持続可能なシステムであり、将来にわたって私たちの社会保障を維持していくでしょう。

その影響として、物価の上昇が起こります。今、100円位するアイスも、昔は10円で売られていました。昭和のモノの値段が安かったのは、マネーの量がそれだけ変わったことを示しています。今後も物価が上がり続けて、政府債務残高も増えて、私たちの社会保障を維持していくことが理想です。

しかし、現在は世界的な低物価です。つまり、それだけ世界中の政府支出や社会保障の削減といった、弱者を切り捨てる方向に行っていることを示しています。

まとめ

政府の財政赤字は増えるのが普通であり、老後のために財政再建をするのは、ナンセンスというほかありません。G20を見ても財政再建と言っている国など日本くらいのものです。

基本的に行政コストは公債から支出して維持していき、財政赤字は増えていくものです。その結果、物価の上昇が起きます。翻って、政府がきちんと社会保障などの手当てを行っているかを物価をみることで判断できるということです。

選挙公約はここを見とけというはなし。

選挙演説では政策はわからない。

また、衆議院選挙がありますね。こないだ内閣改造したばっかりなのに、気の早いことです。去年、福岡6区では鳩山邦夫さんが亡くなられて補欠選挙があったので、色んな候補者の演説を見に行きました。

補欠選挙は党の大物が来るんですね。それこそ麻生太郎や小池百合子といった誰でも知ってる政治家が日替わりで来ます。あ、テレビで見たことある!というのが楽しくて5回は行きました。

全国一斉だとこうはいきませんが、補欠選挙だと候補者にこれでもかと党幹部が愛情を注げるというわけです。ただ、その時思ったのは、

「久留米の皆様のために一生懸命頑張ります。」

「鳩山二郎、鳩山二郎をよろしくお願いします。」

という名前の連呼や、がんばりますコールのオンパレードばかりということです。

麻生さんは候補者に政策は一切言うなと、指示してるみたいです。ご本人が演説でおっしゃってましたw一年目で政策なんて出来やしないから、というのがその理由らしいです。公衆の面前でよく言うなという感じですが。

これでは政策的なことは、全くわかりません。やはり、党のサイトで公約を確認する必要があります。

公約のここを見る

私が公約を見るときは、全体的な税負担と政府支出のバランスを見ます。個々の政策ではなく、トータルで気前がいいのか悪いのかというところです。

自民党は消費税増税の使い道について、私立高校の無償化や全世代型の社会保障の充実をやります!と主張しています。まあ、払った人に戻るというだけですよね。

希望の党は消費税増税は凍結して企業の内部留保に課税すると言っています。内部留保に課税するくらいなら、法人税を上げれば良いような気もしますが。

これらは全部、枝葉に過ぎません。大切なのは全体としてのお金の使い方なのです。消費税を上げて私立高校を無償化するのと、消費税増税は凍結するけど、内部留保に課税するのはどちらがより良いのか?

はっきりいって比べようがありません。個々の政策を散発的に並べても、全体の収支が見通せないからです。全体の予算をどう考えているかが重要なのです。税金をどのくらいとって、どのくらいの支出を予定しているか?です。

自民党は歳出削減に血道を上げており、2020年までにプライマリーバランスを黒字にすると宣言していました。最近少し路線変更したようですが。そして、消費税増税をするので、全体としては支出を減らしつつ、増税ということになります。

これでは国民は貧困化しますね。税金を多くとられて、再分配はほどほどにというわけですから。経済政策だけでいうなら、自民党には入れられません。

希望の党は、財政出動に頼らない経済運営をすると、はっきり公約に掲げています。消費税増税は凍結と言ってますのが、あくまで凍結ですので、いつ解凍されるかはわかりません。また、内部留保に課税するので、全体としては緊縮財政と増税のペアということになります。これは自民党と同じですね。

経済政策は落第です。

いくら待機児童ゼロとか言ったところで、財布の中身は減りますよということです。これはイヤですよね。歳出削減と増税のコンビネーションは私はイヤです。イヤイヤです。

第三極となった立憲民主党は、農業者戸別所得補償制度の法制化や自治体への一括交付金の復活といったことしかわかりませんが、これだけを見れば支出を増やすようにも思えますし、共産党と連携してきているので、そんなに緊縮はやらないと想像します。

というように、全体的な税負担と政府支出のバランスがどうなるのか?を注意して見るようにしてみて下さい。

公約の羅列をジーっと見ても、どこがいいのかはわかりませんので。今回は比例は立憲民主党、小選挙区は共産党にしようかと思います。

希望の党の公約はなぜダメなのか

ユリノミクスの中身は?

衆議院選挙が10月22日に行われます。新たに小池東京都知事を代表とする希望の党が結成され、旧民進党から多くの議員が移籍するなど、政局が慌ただしくなっています。ただ、こういったときこそ政党の訴える政策を冷静に考えるべきです。希望の党は9の公約と12のゼロという政策を打ち上げており、総体としては小さな政府を目指しているということが言えます。

ただ、小さな政府を目指しているのであって、小さな政府ではないということを断っておきたいと思います。

「徹底した規制改革と特区を最大活用し、民間の活力を生かした経済活性化を図ります。」
「金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間の活力を引き出す「ユリノミクス」を断行する。」希望の党HP抜粋

小さな政府では政府はなるべく市場に口出しするのは控えて、民間企業の自由な経済活動を見守るという立場をとります。そのため、財政出動に過度に依存しないということが公約に掲げられているわけです。

ただ、希望の党の推進が推進しようとする小さな政府には矛盾点があります。2019年10月に10%引き上げが予定されている消費税ですが、小さな政府なら引き下げるか廃止の方向に行かざるを得ないからです。

財政出動を削減して、同時に減税をするというのが小さな政府のパッケージになります。共産党や社民党といった大きな政府を志向する政党なら、拡張的な財政出動を行いつつ増税となります。現状では消費増税は凍結するという煮え切らない態度をとっていますので、選挙の結果次第では増税に舵をきることは十分に考えられます。

アベユリでは庶民は置き去りに

もし自民党や希望の党のような緊縮的な財政政策をとりながら、かつ、増税という矛盾した政策をとる政党が政権を取った場合は、デフレが継続することになります。つまり、景気がいい景気がいいといわれながらも、庶民にはさっぱり美味しい部分が回ってこない経済ということです。

緊縮的な財政政策をとりながら増税しますので、当然といえば当然な結果です。こういった矛盾した政策をとるのには理由があります。

すべては財政再建のために

自民党も希望の党も小さい政府を志向していながら、なぜ増税という矛盾した税制を行うかというと財政再建のためです。中央と地方を合わせた公的債務は1200兆円を超えており、将来へのツケは減らさなければならないといわれています。

ただ、財政赤字が膨らんでいるのは日本だけではありません。アメリカ、カナダ、オーストラリア、ドイツなどすべて財政赤字は拡大しています。

アメリカ

カナダ

オーストラリア

ドイツ

そして日本

世界経済のネタ帳さんからお借りしました

先進国に限らず、発展途上国でも同様の傾向がみられます。すべての国は建国以来、右肩上がりに政府の債務は増え続けるものなのです。自然現象といってもいいでしょう。しかし、日本は2020年までにプライマリバランスをプラスにして、このグラフを右肩下がりにしようとしています。

財政支出を削減しながら増税をするのは国民を打ちのめすだけの政治であり、小さい政府でもなんでもありません。財政再建はやってはいけないのです。世界には200近くの国がありますが、政府債務が右肩下がりになっているところなどひとつもありません。それくらい財政赤字を削減するというのは尋常でない政策ということになります。

ベーシックインカムの甘いささやき

希望の党はベーシックインカムの議論も進めると公約にあります。国民全員(1億2千万人)一人当たり毎月5万円といった給付を行うものを、ベーシックインカムといいます。希望の党の基本路線はあくまで小さな政府ですので、ベーシックインカムを実施するとしたら、その分、既存の社会保障が削減されることが予想されます。

おそらく、ベーシックインカムを実施後の政府支出は、今よりもコンパクトなものになるでしょう。極論を言うと、医療費や国民年金といった社会保障はすべて廃止されてベーシックインカムでどうにかしようね、ということです。若くて健康なら良いでしょうが、高齢で病気がちの人にはきつい制度です。

本来、社会保障というのは、弱った人のためのものですので、そもそもといったところで疑問のある制度ではあります。むしろ、ベーシックインカムを導入するよりは、消費税を廃止するほうがすっきりするのではないでしょうか。

ベーシックインカムは全員一律ですので、制度管理などが簡略化されるのでコストがかからないというメリットがあります。しかし、政府全体の支出は削減の方向に行くのは間違いないので、やはり病気などの不測の事態に陥った時にどうするのか?が問われると考えられます。

客寄せパンダの12のゼロ

待機児童ゼロやブラック企業ゼロなど12のゼロの部分は一つ一つの政策に反対する人はほぼいないでしょう。花粉症ゼロや満員電車ゼロなどどうやって実現するのか???なものもあります。問題はいかにしてこの12のゼロを達成するか、という方法が明記されていないところです。

12のゼロ

原発ゼロ
隠ぺいゼロ
企業団体献金ゼロ
待機児童ゼロ
受動喫煙ゼロ
満員電車ゼロ
ペット殺処分ゼロ
フードロスゼロ
ブラック企業ゼロ
花粉症ゼロ
移動困難者ゼロ
電柱ゼロ

やはりここでも基本となるのは、財政に頼らずにどれだけできるのか?というところです。小さい政府を目指す以上は余計な支出は控えなければいけません。電柱ゼロを実行するのにはお金がかかるわけですが、ベーシックインカム同様、増税かほかの予算を削って実施することになるでしょう。どこかにしわ寄せがくるわけです。

希望の党とは

経済政策に関して言えば、希望の党は小さな政府のふりをした、国民いじめの党になる可能性があるといえます。これは現政権である自民党も同様です。財政再建にこだわって緊縮財政 + 増税というありえない政策を打ち出す以上、そう評価せざるを得ません。財政再建という発想をやめない限り、日本がデフレから脱却して、みんなが経済的な豊かさを感じることのできる社会は、絶対に来ないでしょう。

希望の党の経済政策上は以上のようなことが言えるわけです。他にも見るべきポイントはありますので、総合的に判断して投票していただきたいと思います。

そもそも経済とは

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国家と経済

経済を考えるときに、どうしても避けては通れない要素がお金です。お金はどこからやってくるのか?お金になぜ価値があるのか?

こういった基本的な部分を抜きに、経済を考えようとしてもうまく考えがまとまりません。経済を考えるには事前にお金の本質を理解しておこう、ということです。お金のことを理解するにはまず、日本という国を理解する必要があります。国家とはなんでしょうか?

Wikipediaによるとつぎのようにあります。

国家(こっか)とは、国境線で区切られた領土に成立する政治組織で、地域に居住する人々に対して統治機構を備えるものである。 領域と人民に対して排他的な統治権を有する政治団体もしくは政治的共同体である。

国家とは政治的共同体とあります。共同体というのはお互いの利害を共にして助け合う集団です。

地震などの災害が起これば被災した人を助け、歳をとって働けなくなれば年金を給付して生活を支えます。助け合うのは共同体の一員としての義務であり、また自分が困った状態になったときには助けてもらえるということでもあります。

共同体全体の利害調整を行うのが政府です。政府が音頭をとりながら、インフラ整備や治安維持といった行政サービスを行います。

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お互いに助け合うのが共同体ですが、ボランティアのように緩いものではありません。国によっては徴兵制があり、逃げたりすると重い罪に問われます。

みんなで必死に国を支えているのに、一人だけ逃げられたらたまりません。国家というのはある意味、血の掟で繋がった共同体とも言えます。

共同体に属する以上、公共的な仕事は全員の役目なのですが、政府は1つのルールを決めました。

それは、政府が発行する券を渡せば、公共の仕事をキャンセルできるというものです。この券は公共の仕事をした人に対して対価として渡されます。

ある程度、公共の仕事をすれば、それ以上はその券を使用することで減免されることになります。大量に持っていれば一切公共の仕事をする必要はありません。この券が紙幣です。

2年間の兵役もしくは100万のどちらかを、政府に求められるとしたらいかがでしょうか。徴兵制をお金で回避するのは倫理的に問題がありますが、お金の本質を表しています。

紙幣のもつ価値というのは、元をたどると共同体の一員としての義務を回避できるところにあります。公共の仕事の代わりにお金を支払って、国民の義務を果たすのが税金です。

公のために汗を流すのは尊いことですが、できれば休みたいのが人情です。公共の仕事以外に本業もあるので、みんなそれなりに忙しいはずです。本業が農業なら、生産した野菜と紙幣を交換する人もでてくるでしょう。本業に集中して、公共の義務は税金で支払うことが一般的になっていきます。

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政府はお金を発行しつつ、徴税によってお金を回収することで、国内経済を成立させています。通貨発行権と徴税権2つセットで行使することで、紙幣による経済が動き出すわけです。

政府が通貨発行すると説明しましたが、厳密には日本銀行が通貨発行や税金の管理を行っています。お札に日本銀行券と書いてあるのはそのためです。

政府支出と税収

政府は毎年、税金を徴収して予算を組んで支出します。基本的に税収より支出が多くなるように、毎年予算を組みます。もし、支出より税収が多いと、世の中から通貨が無くなることになります。政府は日本で唯一の通貨発行主体ですので、支出よりも税収が多ければ、いつか世の中からお金は無くなります。

単年度では支出<税収となることもありますが、基本的には支出>税収になります。このあたりが一般の家庭や企業と異なるところです。サラリーマン家庭が支出>収入といったバランスで生計を立てるのは不可能です。政府は不足額を通貨発行によって賄っており、その額は毎年10兆円を越えています。

実際には日銀が通貨発行を行っていますので、政府は国債を発行して日銀の用意した通貨と交換することで現金を調達します。これを日銀による直接引き受けといい、政府は通貨を得て日銀は国債を保有することになります。直接引き受けを財政ファイナンスと言ったりすることもあります。

政府は支出>税収を達成するために日銀による通貨発行と、市中の金融機関からの借り入れによって賄っています。

鋭い方はこう思うでしょう。

ある程度世の中にお金が回り始めたら、あとは支出と税収は同じくらいで良いのではないか?

確かにそんな気もしますが、以下の理由で出来ないようになっています。

経済活動を継続していくと資産が増える人、減る人、変わらない人がでてきます。国民全員が同額の資産を所有していれば、頭割りで徴税すればよいのですが、経済活動を続けるにつれて差がついていくので、中には支払えなくなる人がでてきます。

毎年、一定額の予算を執行するなら、払えない人の分はたくさん資産を保有している人に負担してもらわなくてはなりません。税金は平等に徴収するべきだ、とするなら政府の税収は徐々に減ることになります。支出=税収という前提であるなら、税収が減れば支出も減らさざるをえません。

政府の支出が減ると行政サービスが滞ることになるので、国民生活の質の低下を招くことになります。

そうはいっても支払えない人の分の税金まで、たくさん持っているがすべて負担するというのもおかしな話です。以上のことから支出=税収にしようとすると、お金持ちに重税がかかるか、行政サービスが貧弱になってしまうという問題がでてきます。

行政サービスの質を落とさずに、平等に徴税するにはどうしたらいいでしょうか?

答えは支出>税収にしてしまうことです。不足する予算は日銀による通貨発行で穴埋めします。毎年、世の中に出て行くお金が増えますので、徐々にインフレになります。インフレというと悪者のように思われがちですが、国民経済を成立させる一つの知恵です。

そしてインフレに

昔は大卒の初任給が1万円だった時代もあり、徐々にインフレが進んで今の水準になりました。税負担の平等性を考慮しつつ行政サービスを維持していくなら、今後もインフレが進んでいくことになります。

物価が上昇すると相対的にお金の価値が下がることになるので、お金を大量に持っている人にとっては好ましいことではありません。平等な徴税と行政サービス維持のために通貨発行を行いましたが、実はインフレはお金を持っている人にとっては負担なのです。実質的に税金を払っているのと変わらないために、インフレ税と言われています。

財政政策は、このインフレと税負担の公平性、行政サービスレベルのバランスをいかにとるかということが言えます。

行政サービスレベルが十分でインフレが進んでいれば富裕層にとって負担になりますので、税金を公平に徴収しつつ、財政支出を減らすことによって物価上昇率を下げる必要があるかもしれません。行政サービスの質が低く物価上昇率が低ければ、通貨発行によって政府支出を増やすか、富裕層の負担を増やす必要があるかもしれません。

難しいのはバランスの取り方に正解がないということです。インフレと行政サービスレベルと税の公平性は密接に関連していますが、これといった正解はないのです。3つのバランスはどのような世の中を私たちが望むか、政治的に決まることになります。