ステファニー・ケルトン教授来たる!【MMT】

あのMMTで有名なステファニーケルトン教授が、7月に日本でシンポジウムを行うようです。


【藤井聡】ケルトン教授を招聘した、MMT国際シンポジウムを開催します!

バーニーサンダースも来年の大統領選挙に出馬するらしいので、再び経済アドバイザーに就任されるのでしょうか。

いずれにせよ、とてつもないビッグウェーブが暫く続きそうです。

あと、こちらの中野剛志さんのコラムも素晴らしいので是非ご覧ください。

MMTが、こんなにも「エリート」に嫌われる理由

政府(日銀)が円を発行しているのはご存知だと思いますが、その日本政府が円を借金したとしても、返せなくなることはないというのがMMTのベースになります。

三橋さんや西田さんなど信用創造の理屈にこだわってますが、あまりそこにこだわるとかえってわかりにくくなるような気がしています。

からあげ弁当は経済のことを考えるときは、下のような一枚の絵を思い浮かべます。

政府(日銀)が通貨を発行して世の中を回り、最後に税金として政府に戻っていくイメージです。

税金より政府支出が増えれば世の中に出回る量が増えます。

公務員給料や社会保障、教育など何でもいいのですが、何かに支出をすることによって流通する通貨が増えれば、インフレになります。

ガンガン支出しても、一方でガンガンに税金をとれば、バランス的に物価はさほど上がらないと考えることができます。(大きい政府)

逆に少ししが政府が支出しないとしても、税金がそれ以上に安かったらインフレになります。(小さい政府)

あり得ないことですが、支出より税金のほうが高くなれば、いずれ円は無くなります。

風呂のお湯も、蛇口から入るものより、栓が抜けて出ていくほうが多ければ、いつかなくなるのと同じことです。

通貨が減っていくときはデフレになります。

政府支出と税金はイコールで良いのではないか、という意見が出てくるかと思いますが、ここに落とし穴があります。

イコールということは、財務省のいうプライマリーバランスの均衡と同義です。

実は支出と税がバランスするとまずいのです。

少し前に流行った、ピケティの「資本収益率は産出と所得の成長率を上回ると、経済は持続不可能だ」というのを覚えていらっしゃるでしょうか。

自由に経済活動をしていくと、金持ちとそうでないの差がジャンジャン開いていきます。

政府支出と税収が均衡していると、お金のパイは一定ですから、徐々に金持ちとそうでない人がでてきて、みるみる生活が苦しくなるはずです。

もちろん、沢山持っている人から税金をとって再分配するわけですが、全員同じ資産になるほど徴税するわけにも行きません。

そこで、政府は通貨発行によって、税金よりも政府支出を多くして、お金のない人に配ることが必要になります。

毎年、世の中に出回るお金の量が増えますので、徐々にインフレが進むことになります。

昔の物価が安いのはそのせいです。

もう少しディテールを追加したものが、下の図になります。

ここでは銀行が貸出することで、信用創造を行っています。

国内の通貨量は政府支出と税の他に、銀行の貸出と返済で決まることになり、日銀は銀行の貸出態度を管理することで、物価を調整します。

貸出が増えれば通貨量が増えて物価が上昇し、返済すると通貨量が減ることで下落します。

ただ、どの程度貸し出すかは、銀行と借り手の合意の問題ですので、日銀が金利を操作しても、政府支出や税金ほどコントロールがビシッと決まるものではありません。

だいたい、日銀が金融緩和するときは、政府も補正予算を組んだり、減税したりするので、過去のデータをみても、それが日銀の金融政策が効いたのか、補正予算の効果なのかは区別はつかないでしょう。

日銀の金融緩和は貸出増加になれば効果はあったのかもれませんが、企業の設備投資は微増ですので、そこまで効果があったかどうかは疑問です。

バブルが崩壊して借り手が少なくなったり、いわゆる信用収縮(借金返済)が起こるとデフレになります。

借金はインフレ圧力で、借金返済はデフレ圧力になります。

簡単な図ですが、通貨が増えているのか減っているのかを考えるだけでも、物価や経済について色々考えることができます。

トランプと貿易赤字

アメリカのトランプ大統領が来日しています。

相撲を見るらしいですが、千秋楽を待たずに朝乃山が優勝したため、消化試合を見ることになりました。

日本の対米貿易黒字(アメリカは赤字)が問題になると思われます。

トランプは米中貿易でもそうですが、貿易赤字にこだわっています。

ただ、普通の会社とかだと赤字は困りますが、アメリカや日本のような通貨を自分で発行している国は、それほど貿易赤字にこだわる必要はありません。

1971年以前は金本位制で、ドルを一定量の金と交換することを米政府は保証していました。

60年代のベトナム戦争でアメリカは大量の物資を必要としたため、海外から輸入を行いドルで決済を行いました。

金本位制のもとでドルで支払うということは、金で支払うことと同じです。

長引くベトナム戦争によって金不足になったアメリカは、海外からの輸入ができなくなり、このことが金本位制をやめるきっかけになったといわれています。

金本位制のもとでは貿易不均衡が続くと、金不足になって輸入ができなくなります。

よく海外にドル(円)が流出して云々(うんぬん)というのは金本位制度のもとでの話です。

1971年以前の世界では貿易不均衡は非常に問題になります。

輸入超過で金不足になれば、輸入ができなくなるからです。

ところが、現在は金本位制ではないので、継続的な貿易不均衡であっても問題ありません。

どんどんドルを印刷して使用すればいいですから。

アメリカは対外債務残高は2018年末で33.4兆ドルありますが、米経済好調!などと言われています。

これは一国の経済状態と経常赤字との間には、直接的な関係がなくなったことを表しています。

昔なら33.4兆ドル分の金を持っていないと、それだけドルを発行することもできませんでしたが、今はちがいます。

外国が33.4兆ドルもっているということは、アメリカで33.4兆ドル分の買物ができるということです。

トランプは世界各国にアメリカ製品を売り込もうと躍起で、しかも、世界の多くの国が米ドルを持っています。

みんなドルを持っているし、売りたい商品もある。

トランプとしては渡りに船です。

しかし、買うほうもそれぞれ産業があるので、おいそれと輸入するわけにはいかない。

特に農産品はどこの国でも生産しているので、安易にアメリカから輸入すると、自分のところの農家の製品が売れなくなります。

今や世界中でセールス合戦が繰り広げられています。

輸出を増やすことができる国のトップの支持率は上がりますので、貿易黒字が増えればそれだけ地位が安泰になります。

輸出を増やしたいのはトランプだけではないんですね。

世界中セールスマンだらけなわけですが、これは買い手が不足しているということです。

その影響でモノがあふれている国は物価が低くなります。

日本、アメリカ、欧州など先進国は軒並み低物価です。

国内で売れないので、海外で売ろうということですが、あいにく海外も物価が低いのでお互いに間に合ってますよという。

ここでやるべきなのは、やはり内需拡大ですね。

国際協調して内需拡大をやれば、お互いに需要の食い合いをせずに済みます。

トランプが「瓶三、オレはこれだけ内需拡大するから、お前のところも内需拡大しろ。」みたいな話し合いが理想です。

思えば、80年代の日米構造協議のころは、アメリカは日本に内需拡大しろって言ってました。

よく考えれば、お互い協調して取り組むべき問題だと思います。

セブン&アイ・ホールディングス【3382】から配当

7&Iから配当をいただきました。

100株  4,750円

NISA枠なので非課税です。

2019年の総配当受取額は52,938円になりました。

ただ、悲しいことに株価が値下がりして含み損の状態です。

24時間営業問題でもめていましたが、7&I側が一部柔軟な対応をとるようです。

宅配業界もそうですが、働く人の身になって考えるみたいなので良かったと思います。

7&Iは持株会社でして、コンビニ以外にもスーパーや百貨店なども営んでいます。

タワレコや赤ちゃん本舗も7&Iなんですね。有価証券報告書を見ていて驚きました。

また、意外にも国内のコンビニの占める割合というのは14%しかありません。

売上で一番多いのは海外のコンビニで、41.5%を占めています。

自動車の輸出みたいに貿易ではありませんが、海外に投資して配当所得が入ることになります。

日本全体でみると、海外への投資によって得られる所得は毎年黒字で、2018年は19兆円でした。

貿易戦争中の中国は貿易黒字は大きいですが、直接投資による所得は4兆円くらいしかありません。

一方、日本の貿易黒字は、年によって赤字になったり黒字になったりしています。

投資の日本、働いて稼ぐ中国という感じでしょうか。

貿易黒字は相手国の雇用を奪うので問題視されることが多いです。

今の米中がそのいい例ですね。

輸出で伸びる中国ですが、輸出できる量にはおのずと限界があります。

日本のように海外への投資によって所得を得るほうがスマートで強力な気がします。

これは個人の場合でも同じです。

仕事で所得を稼ぐのと、投資などで稼ぐのでは圧倒的に投資のほうが有利です。

いわゆるピケティーの言う、資本収益率が経済成長率を上回るというやつです。

自分が動いて稼ぐのには限界がありますが、投資ならいくらでも手を広げることができます。

今回の配当もそういった所得ですね。

含み損はありますが、配当金が入れば精神的に落ち着きます。

「やった、配当が入った。ちょっと含み損があるけど、長期的には持ち直すだろう。そうすれば配当分プラスなんだ。大丈夫なんだ。」と自分に言い聞かせています。

米中貿易戦争と株価

2019/5/5にトランプが中国製品の関税を25%にするとtweetして、世界中の株に大きめの調整が来ました。

日本は10連休の後半で、この海外の動きに冷や汗をかいた方も多かったのではないでしょうか。

なにせ、東証は休みで逃げられません。

少し落ち着きはしたものの、今後どうなるか気になる方も多いと思いますので、からあげ弁当なりに整理してみました。

まず、米中のGDPと貿易額は以下のような感じになります。

アメリカ中国
GDP(名目)195,000億ドル120,000億ドル
輸出1,300億ドル5,000億ドル
輸入5,000億ドル1,300億ドル

データは色々調べたのですが、貿易統計はまちまちで参考程度にしかならないものばかりでしたので、平均的なところで四捨五入しています。

なので、大体の規模をつかむ程度の正確さしかありません。あらかじめご了承ください。

現在、5000億ドルのうち2000億ドル分に10%の関税がかかっており、残りは0%です。

今回、5000億ドルすべてに対して25%にするということを言い出したので騒ぎになりました。

しかし、どうでしょうか。

中国の対米輸出はGDPと比較すると4%程度です。

仮にアメリカと貿易が無くなったとしても、輸出入で差し引きGDPの落ち込みは3%程度で済みます。

涙をのんで25%を受け入れたとしても、GDPの8割近くに課税される日本の消費税とは比較になりません。

もちろん、輸出産業に従事する人にとってはたまったものではないかもしれませんが、中国全体の経済への影響としてみた場合は限定的でしょう。

株価に対する影響は未知数ですが、実体経済に対する影響はさほどでもないとからあげ弁当は見ています。

つまり、騒ぎすぎです。

アメリカの姿勢を保護主義とメディアは批判します。

しかし、3700億ドルの貿易赤字はアメリカの雇用をそれだけ奪うものなので、トランプの雇用を守るという姿勢は大統領として理解できるところです。

もともと公約でしたし、選挙の時と180度方向が変わってしまう某総理大臣より偉いと思います。

ただ、どうも貿易赤字というものに対して、いろんな人が誤解をしているのはないでしょうか。

1971年以前の金本位制度の時代の感覚のまま、今の世界経済を見ているのかもしれません。

昔はドルを金に交換することを米政府は保証していました。

当然、米政府はそれだけの金の蓄えをしていたわけですが、60年代のベトナム戦争で膨大な物資の輸入のために金を放出してしまい、金本位制度を維持できなくなりニクソンショックが起こったといわれています。

つまり、金が足りなくなってドルが発行できなくなったわけです。

貿易赤字が続くと輸入ができなくなるので、1971年以前というのは貿易不均衡というのは避けなければならないものでした。

しかし、今は不換紙幣(金に交換しない)なのでいくら貿易赤字になっても、ドルを発行することで支払いができます。

貿易赤字が行き過ぎるとドル安になるのですが、トランプはドル安が好きそうなので、よけいに貿易赤字は容認するべきだと思うんですよね。

その辺の為替のメカニズムがわかっていないのではないかと。

貿易赤字がダメだというのは、財政赤字はダメだ財政再建だ!というのと同根だと思います。

結論としては株価はG20までは動きまくるかもしれませんが、実体経済への影響は限定的なので、おのずとその範囲内に株価も収斂していくと思います。

カタルーニャの分離独立運動

スペインのカタルーニャ州

スペインのカタルーニャをご存じでしょうか?最近、ヤフーニュースでも独立するかも?ということで話題になったところです。

スペインはアメリカと同じように17の州からできている国で、スペイン全体の人口4600万人のうち、700万人がカタルーニャ州に住んでいます。スペインのGDPの2割を占める、経済的に発展した州でもあります。日本でいうと、ちょうど東京のようなイメージでしょうか。東京が日本から独立するというのはインパクトありまくりですね。

州都はバルセロナでサグラダファミリアのあるところです。サグラダファミリアって、少し前までは完成までに数百年かかるといわれていました。生きているうちに見ることができないんだと思ってましたが、今は3Dプリンターでガシガシ作っていて2026年には完成するらしいですねww技術の進歩は素晴らしいと思います。

独立の理由は経済的行き詰まり

なぜ、独立しようとしたかですが、直接的な原因は経済的な行き詰まりということが言えます。

カタルーニャ州はスペイン中央政府に多額の税金を納めていますが、その見返りがあまりないのが不満だったようです。東京も日本のGDPの3割を稼ぎだして、国税として10兆円くらいの税収のある地域ですが、地方交付税は1円ももらっていません。ただ、それで東京が日本から独立する話なんて、聞いたことないですよね。

もともとスペインは地域によって言葉や民族の違いがあります。スペインにはカタルーニャ人、バスク人、バレンシア人などが集まってできた国です。なので、日本のような単一民族ではありません。

スペインの失業率は20%を超えており、若年者の失業率は50%を越えていて、日本よりひどいデフレに苦しんでいます。日本はデフレでありながら人手不足です。ふつうはデフレになると仕事がなくなるのですが、日本の場合は高齢化が進んでいて、労働人口が少ないので例外といえます。スペインでは仕事がないのです。

仕事がないうえに、自分達が納めた税金がよそのカタルーニャ民族でない人々にばらまかれたと思うと、いてもたってもいられなくなったというのが実態のようです。カタルーニャに負担ばかりが押し付けられている、という思いがあったのでしょう。

EU加盟がもともとの原因

政府は一般的には不景気になると、公共事業を増やして景気を下支えします。小学校のころ習った記憶はないでしょうか?

しかし、EUは加盟国にたいして欧州連合条約(マーストリヒト条約)で、財政赤字はGDP比で60%以内と決めています。日本は200%を超えているのでかなり厳しい基準です。EU加盟国は不景気でも、60%以上の財政赤字があると景気対策ができないのです。

また、通貨がユーロのため、以前ならスペインの旧通貨であるペソを発行して金融緩和していましたが、ユーロの通貨発行権はEUにあるので金融緩和することはできません。アベノミクスの第一の矢である、黒田バズーカのようなワザが使えないということですね。

以上のような理由で、スペインにかぎらずヨーロッパ全体の失業率は、10%を越える慢性的な不景気に陥っています。EUに加盟している国は、財政出動も金融緩和も縛りがあるためです。

経済と政治は不可分

日本の場合は東京の人も北海道の人も、同じ日本人という認識があるので、東京の税金が北海道で使われたとしてもさほど問題視しません。

もともと、東京は地方出身の人が多いというのもありますし、日本の国の歴史が長いために、1つの国民としてのまとまりがあるからというのもあります。なので、再分配するにも抵抗がないわけです。

しかし、カタルーニャの場合は他の地域とは言葉も風習も違うために、自分達の税金が他の民族のために使われるのは抵抗があったと考えられます。

まして、経済対策ができずに不景気なわけですから、そのストレスが爆発したというのが今回の国民投票になったということです。

グローバル化の問題点

 

モノ、人、金の移動

盛んにグローバル化ということが言われています。貿易を自由に行い世界を相手に企業がビジネスを展開するようなイメージは、誰しもがもつことでしょう。

グローバル化というのは国境を越えて人、物、お金(資本)が自由に行き来することを言います。

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変な言い方ですが、日本の国内は完全にグローバル化されています。県境を越える関所もありませんし、東北の人が東京で就職するのも自由です。

これが江戸時代のように関所があって、いちいち「お伊勢参りに参ります」などと役人に申告しなければならないとしたら面倒くさい限りです。観光産業は大打撃でしょう。

グローバル化されたユーロ

ユーロは2000年から人、物、お金の移動が自由になりました。ユーロに加盟している国同士であれば、パスポートなしで行き来ができます。

共通の通貨にすることで、ドイツからフランスに自転車で買物に行って、戻ってくることも可能になりました。ユーログローバリズムということができるでしょう。

日本なら隣の県に買物に行くくらいの気楽さです。このように規制をなくすことで経済が効率的になります。ヨーロッパを観光するのに、昔だったらマルクやフランといった、それぞれの国の通貨にお金を交換しながら旅をしていましたが、ユーロになってからはそういった手間がなくなりました。

観光を主な産業にしていたギリシャは、共通通貨のユーロは大変魅力的でした。パスポートもいらずお金の交換もなしに旅行に行けるとなれば、イタリアに来たついでにちょっとギリシャまで足をのばそうか、と考える旅行客が増えたとしても不思議はありません。

ただし、ユーロ加盟には条件があり、財政赤字がGDPの60%以下で毎年の赤字は3%以下である必要があったのです。この基準を満たせなかったギリシャは財政赤字などの情報を粉飾したことが問題になりました。

国境が県境になる

人の行き来が自由で物の行き来も自由となれば、経済的にはほとんど国内と同様になります。フランス人がドイツのスーパーに行ってイタリアのビールを買う、というような光景も当たり前になります。これは商売をする上では画期的といえます。

ただし、問題がないわけではありません。日本国内は完全にグローバル化されていて、福岡から佐賀に行くのにパスポートはいりませんし、関税もありません。なので、佐賀の人は休みになると福岡市内に買物に出て行きます。自ずと佐賀県の経済は潤わず税収も低くなります。これが東京や大阪だともっと顕著になります。

地域を越えて自由に商売ができるようになると、地域間での経済発展に偏りを生じさせます。経済が潤わない地方都市は財政が苦しいところがほとんどです。

再分配の問題

佐賀の場合は平成26年度の予算のうち、48%が地方交付税と国庫支出金で国からのお金になります。ほぼ半分は国からお金をもらっているわけです。

一方、東京は国からお金はもらっていません。東京は経済が活発で十分な税収があるために、国の助けは必要ないのです。

多くの地方自治体は国からの援助で行政サービスをまかなっています。もし、国からの援助がなければ地方は立ち行かないでしょう。

実は佐賀と同じ問題を抱えているのがギリシャです。ユーロの中でギリシャは経済的に他の国に比べて押されています。ギリシャには観光と海運くらいしか輸出できるような産業がありません。いわばユーロの中のパッとしない地方都市なのです。

日本国内であれば地方交付税や国庫支出金などでカバーしてもらえますが、外国であるドイツやフランスからお金をもらうことはなかなか難しいでしょう。なぜなら、違う国民だからです。

政治と経済の一体性

同一国内であれば、地方交付税といった再分配をしてもらえるとこを、ギリシャはお金を借りることで凌いできました。

本来、共通通貨やグローバリズムといったことは、同じくらいの経済力同士でないとなかなかうまくいきません。 一方的に商売を展開されると税収などに偏りが出てしまうからです。

日本国内であれば同じ国民だから助けてもらえますが、ドイツ人はギリシャにお金をあげることに猛反対するでしょう。

グローバル化は経済が一体化することです。しかし、そこには政治的な一体性がなければ持続できません。

自由に経済活動するグローバル化は、お金持ちと貧しい人、お金のある自治体と無い自治体といった、偏りを生じさせます。経済を持続させるには偏りを是正する仕組みが必要で、日本国内では地方交付金や国庫支出金がそれでした。

経済効率を考えるならグローバリズムはベストな選択ですが、国境を越えてお互い助けあう精神がなければ、貧富の格差を生み出すシステムになってしまうのです。

アメリカの内需拡大政策

トランプがアメリカ大統領に就任してまだ10日程度ですが次々に政策を打ち出しています。特に注目しているのがインフラへの投資です。カナダとの間のパイプラインを通す大統領令にサインをしたことから、1800キロ以上のパイプを敷設することになりそうです。

これは内需拡大と雇用を生み出す政策であり、選挙期間中のインフラへの投資という公約を実行したことになります。二酸化炭素が温暖化を招くという説に異議を唱えるトランプ氏と、環境保護団体との衝突が気にはなりますが、日本の原発推進に比べたらまだパイプラインのほうがましのような気もします。

使用するパイプの鋼管もアメリカ製に限るとのことで、徹底した国内需要の振興を行っているのは評価できます。また、メキシコとの間の壁は最初はメキシコに負担させるという話だったのが、会談のキャンセルに伴いメキシコ製品にかける税金で建設するとトーンダウンしています。ただ、壁建設をアメリカのゼネコンに発注するならこれも内需拡大につながります。

トランプは一貫して内需拡大に邁進しており、同時に外からこの内需の蜜を吸おうとする海外への牽制も行っています。持続可能な国内循環型の経済は、もしかしたらアメリカの黄金期とも言える時代を築くかもしれません。

グローバル企業に対してアメリカに工場を作れ!とストレートに言うところはちょっと強引ですが、パナマ文書に見るような租税回避や企業トップの莫大な報酬などを見るにつけ、これはトランプというよりアメリカ国民の声ということを忘れるわけにはいかないでしょう。

気になるのはFRBがすでに金利の引き上げを伺っているところです。物価の上昇率もやっと2%程度ですので、まだまだ警戒するほどのことではないのですが、異様なまでにインフレを警戒しています。

かつてレーガン政権のときに大型減税と軍需産業に対する財政拡大でインフレに陥りましたが、金利の引き上げはさほど効果はなく、むしろドル高を引き起こしました。関税を引き上げることで輸入品を牽制するなら、外から内需を荒らされることはないので為替の水準にそれほど神経質になる必要はないと考えます。輸出にこだわることなく内需を伸ばすことでアメリカは復活するでしょう。

ベルちゃんは自分のベッドで寝ました。

米大統領選と円安ドル高

以前、トランプが大統領になれば円高になるという予想を立てていましたが、ものの見事に外れてしまいました。

現在の円安は、アメリカ国債の金利が上昇したことによるものという見方が多いようです。直近のアメリカの10年満期国債の利回りは2.35%です。日本の10年満期国債の利回りが0.02%ですので、アメリカに投資するほうが断然利益がでます。そこで円をドルに両替して国債や株などを購入する動きがでてきており、それが円安を引き起こしていると考えられます。
2.35%の金利では10000ドルをアメリカ10年満期国債に投資すると、10年後には12350ドルになって戻って来る計算です。
金利が変化するメカニズムを少しご説明したいと思います。

国債の利回りの計算

新規に発行された国債を購入する場合は、下のようなイメージになります。購入金額と満期の時に戻って来る金額が同じため、利子がそのまま利回りになります。

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利子100ドルと満期のときの元本はアメリカ政府によって保証されています。

購入するときは株のように市場で売買されているので、価格が変動しています。利子と満期は保証されていますが、購入価格は変動しているのです。なんらかの理由で途中で国債を売却して現金にするときは、新規の価格よりも安くなることが一般的です。
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上の図は8900円で中古の国債を購入した例です。購入金額が安いために、新規で購入したときよりも利回りが良くなっています。

金利差によって動く為替レート

アメリカ国内ではトランプが大統領になったことで、より利回りの良い投資案件が出てきています。そこで、少し損してでも国債を売って、他の投資に振り向ける動きが出てきています。

特に10年間で1兆ドルのインフラ投資を公約として掲げていたために、建設関連の投資は増えることが予想されます。
世界中からアメリカに注目が集まって、ドルに両替する動きが続けばドル高は続くでしょう。しかし、ドル高はアメリカの輸入物価を押し下げることになり、外国製品がアメリカに大量に入ってくることを意味します。

トランプは雇用を重視していますので、こういった動きは受け入れられないでしょう。トランプがドル高に対してどのような対策を打ってくるかが注目されます。

トランプはなぜTPPを離脱するのか。

トランプが大統領選を制したことで、連日テレビや新聞の報道が続いています。トランプは就任直後の1月20日にTPPを離脱すると宣言しています。TPPは本来アメリカが言い出したものですが、なぜトランプはTPPを離脱するのでしょうか。

就任100日プラン
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トランプはペンシルベニア州のゲティスバーグで、アメリカの有権者との契約として就任100日プランを発表しました。これは口約束ではなく、文書でネットで公開されており、契約書のようにトランプのサインが入っています。ビジネスマンらしい演出ですね。

 

 

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トランプが大統領になるにあたって、もっとも重視するのは雇用、移民、健康保険の3つだと言われています。

不法な移民を制限することでアメリカ人の雇用を守り、2500万人の雇用を創出すると約束しています。雇用を守ることはトランプにとって大切な政治課題なのです。

 

「make America great again」
(アメリカを再び偉大な国にしよう)

 

この言葉が象徴するようにアメリカを再起させようとしています。そのために一番重要なのは国民の生活であり、雇用だと考えています。

 

アメリカ、カナダ、メキシコで結ばれている北米貿易協定(NAFTA)の見直しを始め、TPPもアメリカの雇用を脅かすものとして離脱を表明しました。

TPPはオーストラリア,ブルネイ,カナダ,チリ,日本,マレーシア,メキシコ,ニュージーランド,ペルー,シンガポール,米国及びベトナムの12カ国が参加する自由貿易協定です。

下の表は参加する12ヵ国の経済規模を大きい順に並べたものです。数字は2015年のGDP(USドル)になります。

億USドル
アメリカ 180367
日本 44779
カナダ 14738
オーストラリア 12063
メキシコ 8786
シンガポール 2819
マレーシア 2617
チリ 2310
ベトナム 1828
ペルー 1754
ニュージーランド 1733
ブルネイ 123

メキシコより下はちょっと経済規模が小さすぎて、メリットもデメリットもないというのがアメリカの本音でしょう。しかし、ベトナムはよくアメリカと戦争をしたと思います。

メキシコとカナダは北米自由貿易協定(NAFTA)にも加盟していますので、アメリカにとっては目新しくありません。やはり、アメリカにとって本命は日本ということになります。

ただ、80年代の日本の自動車の輸出攻勢はアメリカにとってはトラウマになっています。アメリカの自動車産業を潰したのは他でもない日本製の自動車だからです。

同じ条件で貿易した場合にアメリカは雇用を守れる自信がありません。特にアメリカの労働者は危機を感じているので、TPPに反対するトランプに投票したと言われています。

本当に実行できるのか
TPP離脱を保護主義として批判する向きもありますが、自国民の雇用や生活を守るのも大統領の大切な仕事です。国内経済よりも世界経済を優先するべきであるとは誰も言えないでしょう。

大統領に就任するのが1月20日ですので、就任して即日離脱というのが選挙での公約でしたが、本当にできるかどうかはわかりません。財務長官にゴールドマンサックスやJPモルガンのCEOとっいったウォール街の中心にいた人を据えるという話もあります。

本来、ウォール街を批判することで勝ち上がってきたわけですから、この人選は少し疑問があります。また、インフラへの投資の資金を拠出するために投資銀行を設立するという話もあります。もともとはヒラリーが提言していたもので、そのときはトランプは批判をしていました。

選挙戦とその後では政策の軌道修正が行われることも考えられるので、TPPも注視していく必要がありそうです。

【訂正】2016年11月24日
TPP加盟国のGDPの表に誤りがありましたので訂正しました。全ての数字を精査し直しました。

ドナルドトランプが大統領になると円高になる理由

トランプの政策が円高を招く
アメリカ大統領選挙が迫ってきました。ヒラリークリントンに引き離されていたドナルドトランプが、メール問題などをきっかけに追い上げてきているようです。

メディアや金融関係者はドナルドトランプが大統領になると円高になるという予測を立てています。なぜ、ドナルドトランプが大統領になると、円高になるのでしょうか。

 

オピニオン:米大統領選後はドル安と新興国株高へ=居林通氏

[東京 4日] – 今回の米大統領選挙で鮮明になったのは、米国政治の左傾化・保護主義化であり、為替市場へのインプリケーションとしては、選挙結果にかかわらず「ドル安」だと、UBS証券ウェルス・マネジメント本部ジャパン・エクイティ・リサーチ・ヘッドの居林通氏は指摘する。

円高になる理由はドナルドトランプが掲げる政策にあります。

・TPPの離脱
・高所得者への課税、2万5千ドル以下の所得者の所得税免除
・最低賃金の引き上げ
・関税の引き上げなどの保護貿易
・10年間で1兆ドルのインフラへの投資

これらの政策を実行すれば、アメリカ国内の物価が上がることが予想されます。これらに共通するのは「大きい政府」ということです。トランプは共和党員であり、共和党は伝統的に小さい政府を目指していましたが、トランプは大きい政府をめざしています。

緩和的な財政政策を行うとインフレになります。戦争などで大量に支出すると短期間で物価が上がるなどがそうです。

最近はヒラリーも同じような中間所得層を重視した政策を掲げていますので、もしヒラリーが大統領になったとしても物価が上昇するかもしれません。

物価と為替
アメリカの物価が上がるとなぜ円高になるのでしょうか。1ドルのハンバーガーを例に考えてみます。
日本では同じハンバーガーが100円だとします。
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同じものがアメリカでは1ドルで日本では100円であれば、為替の水準もだいたい1ドル100円ということになります。
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トランプが内需拡大して物価をあげてくると、当然ハンバーガーの値段も上がってきます。ハンバーガーが2ドルになったとします。
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日本の物価が変わらなければ2ドルで100円、つまり1ドル50円の円高になることが考えられます。
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アメリカ国内の物価が上がれば円高になるメカニズムは以上です。

ご存知とは思いますがトランプ氏は不動産王です。内需拡大して物価が上昇すれば、当然不動産価格も上がることになります。そう考えるとアメリカ人の利益と自分の利益を実現できるので、トランプの掲げる政策の実現性はかなり高いと考えられます。