ヤマト運輸の値上げが喜べない理由

2017年から引き受け個数を制限していたヤマト運輸が、4月26日に連結決算を発表して増収増益になったようです。

純利益が40%アップという素晴らしい成果であり、主に値上げの効果が高かったとのこと。

引き受け単価のアップが、増加した人件費をカバーしての増益だったようです。

株主「ヒッヒッヒッ・・・」

しかし、やったーデフレ脱却だ!とはいきません。

一時に比べたら残業代などの労働対価がきちんと支払われるようになり、そういった部分では良いのですが、この値上げは本当の意味でのディマンドプルなインフレではないように思います。

あくまで業界の惨状が社会的問題になってのことです。

ディマンドプルなインフレというのは、需要が多くて値段が上がっていくことです。

この値上げというのはどちらかというと、野菜の不作による値上げに近いものがあります。

供給力が不足して運送業自体の価値があがったのです。

つまり、みんなの財布の中身は変わらないのに、宅配料だけ上がっているので実質的に国民は貧しくなったということが言えます。

本来であれば、消費者の財布の中身の増加に伴う値上げが理想です。

モノの値段というのはモノ自体の価値と通貨価値の合成値なので、値段が上がったといっても、物自体の価値が上がる場合もあれば、通貨価値が下がる場合もあります。

今回は、モノ自体の値段が上がったということであり、あまり喜ばしいことではありません。

例えば、格安スマホなどが普及していくのは逆に喜ばしいことです。

一見するとデフレが酷くなったようにも思えますが、これはキャリアの努力で安くサービスが提供できるようになったためであり、通貨価値が上がるデフレとは違います。

みんなの財布の中身は変わらずに、モノの値段が下がれば技術革新というわけです。

モノの値下がりや通貨の値下がりは歓迎すべきですが、モノの値上がりや通貨の値上がりはよいニュースではないので注意してください。

2019/5/8追記

値上げが喜べないと書きましたが、大口顧客への過剰な値引きが是正された、という意味では喜んでいいと思います。

ただ、これをもってデフレ脱却の兆しと捉えるのは間違いということです。

なぜ、マイルドなインフレがいいのか。

経済状態を考えるうえで、よく、マイルドなインフレがいいといわれます。

でも、なぜマイルドなインフレがいいのでしょうか?

ハイパーインフレよりは、マイルドなインフレがいいというのはわかると思います。

しかし、マイルドなデフレやゼロインフレではダメなのでしょうか?

ここで述べるのは、からあげ弁当オリジナルの理論なので、話半分に聞いていただきたいと思います。

r>g

上の式は少し前に流行ったピケティ著、「21世紀の資本の資本」に出てくる式です。

株などの資本収益率のほうが、経済成長率(給料の伸び率)を超えているというのが、歴史の事実ということをピケティーは示しました。

簡単に言うと、資本主義では金持ちのところにより金が集まって、労働賃金より成長速度が速い。ということです。

このことにより格差が開いていきます。

放置すると格差はどんどん開いていくので政府が再分配を行うのですが、是正する方法として、持っているひとから徴税する方法と、通貨発行して(国債による財政赤字拡大)支出する方法の二つが考えられます。

富裕層への課税で再分配の財源をすべて賄おうとすると、かなり過激な税率になります。

現実的には通貨発行と併せて行うということになり、市場に流れるお金が政府の負債分増えてインフレになります。

これがマイルドなインフレじゃなければダメな理由です。

なので、お金持ちが全額負担してくれるのなら、ゼロインフレでも構わないと思います。

でも、政治的に難しそうなので、赤字国債を併用するというところに落ち着くでしょう。

全て金持ちが負担するとなると、「儲ける」ことができなくなります。

MMTでも財政赤字は物価上昇率が適正な範囲なら問題ないと言っていますし。

ピケティーに言わせれば、国際協調して資産に対して課税するのが一番良いということで、次善の策としてインフレをあげています。

ピケティーによるとインフレは必ずしも富裕層にマイナスに働くとは限らないといいます。

極端な金持ちは不動産や貴金属、株式といった、様々な金融商品に安いコストでアクセスすることができるためというものです。

一番割を食うのは中途半端な資産を持っている人たちだそうで、銀行預金で目減りするのを防ぐのがせいぜいということらしいです。

しかし、最近は投資信託もコストが安いものが多いですし、この本が書かれた2015年に比べてもかなり投資がやりやすい環境にはなっています。

適正なインフレ率とは?

適正なインフレ率とはどの程度かというと、当たり障りのないところで2%みたいな考え方をする人もいますが、からあげ弁当は一つの目安として国債金利を下回る程度であれば問題ないと考えています。

0 < 物価上昇率 < 国債金利

式にすると上のような感じでしょうか。

日本はゼロ金利、マイナス物価ですのでアウトですね。

アメリカの10年国債金利は2.5%程度で、物価上昇率が2%弱なので、適正といえるのではないかと思います。

ここでいう物価上昇率はGDPデフレーターが適当でしょう。

生活実感を捉えるなら消費者物価指数がいいですが、通貨価値の目減りを厳密にとらえるならGDPデフレーターが良いと思うからです。

ハイパーインフレになると、一気に国債金利を上回りますので、アウトということになります。

一つの仮説ですが、インフレによって損をする人は居ないかもしれないということが可能性としてあります。

インフレは金融資産の敵ではないかもしれません。

物価上昇率が国債金利以下であれば、銀行預金でも目減りしないからです。

となれば、デフレは誰の特にもならないので、さっさとインフレにしてwin-winの社会を迎え入れたいですね!

フリーランチはないという反論がありそうですが、高いと知らずに5,000円のランチを食べる人がいるのが現実ではないでしょうか。

経済を勉強しても、コレを知らなければまったく意味がないという話。


コレを知らなければ始まらない


経済を勉強する上で、絶対に押さえておくべきポイントがあります。

これを知らなければ、いかに難しい経済理論や金融工学を学んだところで、まったく無意味といってもいいかもしれません。

それは、金利から国民所得が決まるメカニズムでも、株価と債権価格の関係でもありません。

経済の勉強をする上で絶対に知っておかなければならないのは、なぜお金には価値があるのか?ということです。

経済のことを考えるのに、お金のことを知らなければなにも始まりません。

お金に価値がある理由を、既に知っているという方はいらっしゃるでしょうか?

福沢諭吉や野口英世が印刷してあるだけの、ただの紙切れです。
透かしが入っていて、多少デザインが凝ってますが。

  • みんながお金に価値があると思っているから価値がある。
  • 日本政府が価値を保障しているから価値がある。
  • 金と交換できるから価値がある。

よく言われるお金に価値がある理由は、こんなところでしょうか。

100%間違いというわけではありませんが、正解でもありません。答えを言うと・・・

政府がお金で税金を徴収するからです。

私達は普段の生活で様々な税金を払っています。

持家であっても固定資産税は払わなければなりませんし、車を持っていれば毎年自動車税の納付書が届くでしょう。また、年金や健康保険も納めなければなりません。

これらの納税義務は日本円でしか納めることができず、ドルなどの外貨やその他の貴金属などでは受け取ってもらえません。

この悩ましい税金や各種保険こそが、紙切れのお金に最初の需要を生み出します。

払いたくないからといって、固定資産税から逃れることはできるでしょうか?
悪質な脱税は実刑になる場合もあります。

誰しも脱税で逮捕されて刑務所に入りたくないから、お金が必要というわけです。

日産の元会長のカルロスゴーンが支払った保釈金は、10億円だそうです。

よくそんなに持っているなという感想しかでませんが、それだけ払っても外に出たいという気持ちもわかります。保釈金や罰則金にしても、日本円でしか受け付けません。

このように、日本政府が税金や罰則金という形で円に需要を発生させているために、お金に価値が生まれます。

お金に価値があるのは、意外にネガティブな理由なのです。

経済は政府の手の平の上にある


紙幣は日本銀行が発行しています。

銀行の銀行とか、政府の銀行と呼ばれるあの日本銀行です。

日本銀行の株式の55%は日本政府が保有しており、日本銀行の総裁は内閣が人選をして、国会で承認されます。また、日本銀行の運営は日銀法によって決められています。

つまり、日本銀行は株式会社なのですが、ほぼ政府の出先機関なのです。
なので、お金は実質的には政府が発行していると考えていいでしょう。

むしろ、普通の株式会社がお金を発行している方が異様です。

日本銀行(政府)が発行したお金を、政府が税金や各種保険料という形で徴収するというのが、お金の流れの全体像になります。

例えば、政府が発行したお金は公務員給料から始まり、スーパーの売上になり、銀行預金になり、子供のお年玉になり、ゲームソフトの売上などを経て、税金や保険料として再び政府の元に戻ります。

日本は資本主義であり、自由主義経済なのですが、最初と最後はガッチリ政府が握っています。

お金の偽造は罪に問われますし、紙幣を燃やしたりシュレッダーにかけるのも(あまりいないと思いますが)罪に問われます。

お金の誕生と最後を決められるのは、政府だけです。

私達は普段、自由な経済活動を行っているわけですが、大きな視点で見れば政府の手のひらの上にいるようなものです。

お金に価値があるから経済活動が行えるわけで、その価値の源泉は徴税や罰則金などです。

国家権力に裏付けられたお金というのは、まさに国家そのものと言えると思います。

ビットコインが円にとって代わるという議論がありますが、いかに的はずれであるかおわかり頂けると思います。

ビットコインが法定通貨に取って代わるには、日本政府がビットコインでの納税や罰則金の支払いを認める必要があるからです。

お金の価値は常に変化している


お金の価値は一定ではなく、常に変化しています。

一度に大量の政府支出を行えば、インフレになるのはご存知だと思います。
政府支出を増やす以外にも、税金を下げるとインフレになります。

いわゆる物価上昇率というのは、実はお金の価値の変化のことを指しています。
お金の価値が下がればインフレ、上がればデフレです。

みなさんは、税金のない世界に住んでみたいと考えたことは無いでしょうか?

税金や社会保険料の無い世界はみんなの夢だと思いますが、本当に税金を無くしてしまうと強烈なインフレになります。

政府の徴収する税金や各種保険などが、お金の価値の後ろ盾ですので、それが無くなってしまうとお金の価値も失われるからです。

逆に増税したり政府支出を削減したりするとデフレになります。

政府は収支を調整することで、世の中に出回るお金の量を変化させ、物価を安定させるのです。

2019年の現在の日本はデフレです。それは取りも直さず政府支出が少なすぎるか、税金が高すぎることを意味しています。

信用創造について


通貨の発行は政府の特権ですが、それ以外にもお金が作られるケースがあります。
それは誰かがお金を借りたときです。

AさんがBさんから3000万を借りたとします。
Aさんの手元には3000万、Bさんには借用証書が渡ります。

Aさんが3000万円分の買物ができるのはもちろんですが、Bさんも借用証書で3000万円分の買物ができます。

簿記ができる方は分かると思いますが、手形(借用証書)が裏書きして決済に使用できるのと同じです。

借用証書は誰の手に渡ったとしても、Aさんから返してもらえる限り、3000万と同等の価値があると考えられます。この借用証書は、現金に近い性質を持っているということができるでしょう。

借金という形ではありますが、表面的にはお金が増えました。これを信用創造といいます。

AさんBさんそれぞれが3000万円のお金(借用証書)を持つことになりました。

たくさんお金を持っていれば使いたくなるのが人情ですので、信用創造によって購買力が上がれば、物価もあがります。政府支出だけでなく、信用創造もインフレの原因になります。

一般的には信用創造は銀行など金融機関がメインで行っていますが、話を単純にするため個人同士の取引にしています。

政府は経済政策を行う上で、物価を注視しています。政府支出だけでなく、信用創造によっても物価が左右されるからです。

例えば景気が悪くなって、Aさんが借金を返せるか怪しくなったとします。

Bさんは早く返してもらいたいし、他に借金の依頼があったとしても断るでしょう。

そうなると信用創造が停滞して、物価は横ばいか下がることになり、政府は物価の変化によって、景気の悪化を知ることになります。

リーマンショックのような急激な景気変動が起こると、BさんはAさんから無理矢理にでも返済を迫るかも知れません。

借金が返済されてしまえば、見た目上のお金が減ることになります。

これを信用収縮といいます。

こうなると物価は下がり、景気の悪化が鮮明になります。
物価が下がれば、政府はカウンターで政府支出を増やしたり、減税を行うことで物価を上げようとします。

まとめ

お金に価値があるのは、 政府が 税金や保険料、罰則金を徴収することよって、価値があるということにしているためでした。

お金の価値は一定ではなく、政府支出と税金のバランスによって変化します。
また、信用創造も物価上昇率に影響を及ぼします。

政府は景気の動向を知るために物価を(通貨価値)を注視して、その時の経済状態に応じた政策を行います。

お金を理解することは、物価を理解することに繋がります。
物価は経済を考える上で最も重要な概念です。

この一連のメカニズムを知っているだけでも、経済に対する見方が広がると思います。

逆にお金や物価について知らなければ、経済のコアの部分について理解するのは、なかなか難しいでしょう。

せっかくいいところまできていたのに、再デフレ化した日本。

日本が再デフレ化しています。安倍政権の前半はデフレ脱却しかけていましたが、またデフレに逆戻りしてしまいました。

3月8日に内閣府が2018年の10~12月のGDP統計を発表しました。GDP統計は経済成長率がどのくらいあったかという統計ですが、同時に物価の指標であるGDPデフレーターが掲載されています。

経済が1.5倍に成長をしても、物価が1.5倍になってしまっては意味がありません。そのため、GDPには物価の影響を差し引いた、実質GDPを計算しておく必要があります。実質GDPを求めるのに使う物価の指標が、GDPデフレーターというわけです。

こういった政府がだす統計は、見るのが非常にめんどくさいです。あまり簡単に見られると困るのかな?と思ったりします。なので、このブログでは日本が再デフレ化したという証拠を、みなさんと一緒に見に行きたいと思います。こういうことは元となる情報が重要です(最近はあやしい?)。GDP統計は内閣府が発表する統計です。

内閣府のリンク

統計情報・調査結果のリンクをクリックします。



国民経済計算(GDP統計)のリンクをクリックします。



主な時系列データ(PDF形式:594KB)とありますので、ダウンロードしてください。サイズがそこそこありますので、スマホのギガが心配な方はWi-Fiのあるところでダウンロードしてください。



開くと以下のような表紙が出てくると思います。下のページにはびっしりと数字が並んでいますが、全部飛ばしてPDFの一番下(P28)に行くとGDPデフレーターが載っているところがあります。


暦年デフレーターというところがあります。これは2011年の物価を100とした時の物価を表しています。2018年は102.7で前年より下がっています。経済学の定義に従えば、二年連続で物価が下がるとデフレということになります。2016年から二年連続で下がっていますので、はれて再デフレ確定というわけです。



デフレというのは、国民が金欠病になっていることを表しています。お金がなくてモノが買えなければ(消費、投資) 物価が下がります。

物価上昇率を見る場合、いくつかの指標があります。一番ポピュラーなのは消費者物価指数でしょうか。衣食住といった日常生活をするうえで必要なものやサービスの価格を指標化したもので、私たちの生活実感と近い性質をもっています。

ただし、GDPデフレーターと違って国内のすべての財やサービスをカバーしていません。また、エネルギーといった為替に左右される輸入品の影響を受けますので、純粋に需給のバランスからくる物価(景気)を見るのには不向きです。

日本人が金欠病を再発していることが明らかになりました。この状況で安倍政権は消費税増税を行うのでしょうか。3月7日に発表された景気動向指数も悪化しており、これ以上国民を金欠にして何がしたいのか?という怒りがわいてきます。

ここからは個人的な予想ですが、消費税を上げるよ上げるよと言っておきながら、参議院選挙前に「やっぱり中止!」そして衆議院も解散して「中止するから自民党に入れてね!」とやるような気がしてなりません。

いろんな経済失策をやらかしている自民党ですが、それでも一定の支持者がいるのは事実です。国民が現状を肯定してそれでも支持するのなら仕方がないと思います。残念ですが日本が滅びるのをただ見守るしかないでしょう。

再デフレ化確定

2月14日に内閣府から国民経済計算(2018年10月~12月)の速報が発表されました。 2018年が終わったことで、 物価を考えるうえで最も重要と考えるGDPデフレーターも出そろいました。

物価を考える上でポピュラーなのは、消費者物価指数とGDPデフレータです。消費者物価指数は衣食住といった、私たちが生活するうえで直接的に使用するものやサービスに関する物価なので生活実感に近い指標といえます。それに対してGDPデフレーターは、国内で生産されたすべてのモノやサービスをカバーしています。GDPデフレーターは海外製品を除外していますので、日本全体の物価(景気)を知るのに適しており、筆者はGDPデフレーターを重視しています。

さっそく内閣府のHPまで見に行ってみましょう。

内閣府

赤丸の統計情報・調査結果をクリックしてください。

国民経済計算(GDP統計)をクリックします。


少し下のほうに行くと緑で成長率が表示してあるところがあります。黄色の枠の部分に注目していただきたいのですが、実質のほうが名目よりも成長率が高く出ています。これは物価上昇率がマイナスであったためで、2018年はマイナス物価だったことがわかります。

記者公表資料(PDF形式:252KB)とあるリンクをクリックすると、今回の発表に関する概要がPDFで閲覧できます。その中にあるのが下のグラフです。

赤いグラフが暦年のGDPデフレータを示しています。2017年に続いて二年連続でマイナスとなりました。経済学的には二年連続でマイナス物価になることをデフレと定義していますので、今回の発表で日本は再デフレ化したということになります。

デフレはみんなが金欠病にかかっていることの証明です。モノやサービスはあるにもかかわらずお金がないばっかりに支出が減り、結果的に物価が下がりました。店にものが無ければ仕方ありませんが、モノやサービスがあるにも関わらず買えないというのは悲惨です。売る方も商品は余っているわけですから、買ってもらいたいわけです。デフレというのは誰の得にもならないみじめな現象です。

安倍政権はデフレ脱却を掲げて登場したにもかかわらず、6年も政権を担当しておいてデフレ脱却できませんでした。そのうえ消費税増税を行って金欠病を悪化させようとしています。今、日本に必要なのは消費税の減税(廃止)と拡張的な財政支出です。この結果を受けて、それでも自民党を支持するなら、それは日本国民としてどんな結末でも受け入れる覚悟があるということでしょう。これこそ本当の自己責任だと思います。

名目GDPと実質GDPの違い

物価上昇率を加味しているかどうか

名目GDPは実際に調査を行って求める額面上のGDPです。名目GDPと実質GDPの違いは物価上昇率を加味しているかどうかです。名目GDPと実質GDPの関係は以下のようになります。

名目GDP ÷ 物価上昇率 = 実質GDP

実質GDPは名目GDPと物価上昇率から計算上求められる数字です。名目GDPが5%成長したとしても、物価上昇率も5%上昇していたなら、実質的には何も変化していないということになります。もし、名目GDPが5%成長して、物価上昇率に変化がないなら、実質的に5%成長したことになります。実質GDPが5%成長したということは、売り上げが5%増加したということを意味します。

経済成長を考える場合は、どれだけ数が売れたかを考える必要があるので、実質GDPを計算によって求めるのです。

GDPの計算の仕方

例えば、70万円の部品を仕入れて、150万円の自動車を生産したとしたら、80万円の付加価値が発生します。

150万円(売上)ー 70万円(仕入れ)= 80万円(付加価値)

この80万円の付加価値がGDPに計算される部分になります。自動車が1年間で10万台売れたとすると、

80万円 × 10万台 = 800億円

800億円のGDPが計上されることになります。

仮に国内で自動車とバイクだけを生産しているとします。50万円のバイクの部品の仕入れに20万円かかるとして、2万台を売り上げたとします。

50万円(売上) ー 20万円(仕入れ)= 30万円(付加価値)

30万円 × 2万台 =60億円

自動車とバイクを合わせて860億円のGDPが計上されることになります。

GDPデフレーターの計算の仕方

GDPデフレーターというのは物価上昇率のひとつです。新聞などには物価として消費者物価指数などがよく出てきますが、名目GDPから実質GDPを求めるときにはGDPデフレーターを使います。

実際にGDPデフレーターを計算してみたいと思います。物価上昇率という場合、以前の物価との比較して上昇か下落を判断する必要がありますので、5年前との比較を行います。少しややこしいので、読み飛ばして結果の数字だけ見てもらっても構いません。

注意する点としては今年も5年前も今年の販売台数を使用するところです。

現在 1台あたりの付加価値 売れた台数 付加価値
80万円 10万台 800億円
バイク 30万円 2万台 60億円
合計860億円
5年前
65万円 10万台 650億円
バイク 25万円 2万台 50億円
合計700億円

860億円 ÷ 700億円 = 1.229

5年前を基準としたとき、約22.9%の物価上昇が起こったことになります。GDPデフレーターが1を上回るとインフレ、下回るとデフレになります。

実質GDPの計算の仕方

名目GDPと物価上昇率(GDPデフレーター)は準備できましたので冒頭の式に当てはめてみます。

860億円 ÷ 1.229 = 700億円

となり、700億円が実質GDPということになります。5年前の物価の水準で見た場合に、700億円の生産がされたことになります。注意していただきたいのは、5年前と比較するときに、今の実質GDPと5年前の名目GDPを比較する必要があるということろです。今の実質GDPと5年前の実質GDPを比較しても意味がありません。

名目GDP 実質GDP
2007年 650億円 610億円
2012年 700億円 650億円
2017年 860億円 700億円

上の表では2012年の実質GDPは2007年をもとに計算しています。一見すると経済成長しているように見えますが、実は物価上昇をしているだけです。2012年の実質GDPと2007年の名目GDPを比較すると同じ650億円になっています。つまり、2007年から2017年の売上げ台数は同じになります。実質GDPが上昇しているので売り上げ数も上がっているように見えますが、今の実質GDPと基準となる年の名目GDPを比較する必要があるのです。

まとめ

・実質GDPは物価上昇を除いた量的な経済成長をみるためにある。
・実質GDPを見るときは、基準年の名目と比較する必要がある。

デフレとはなにか?

2種類の物価の変動

日本は長い間デフレでした。

安部政権になってやっとデフレを脱却するかとおもわれたのですが、最近のデータでは再びデフレの兆候が現れています。

このデフレという現象ですが、正確に理解している人は少ないようです。

モノの値段が下がること、というのはなんとなくイメージでわかると思います。

でも、値段が下がるのには、実は2種類あるというのはあまり知られていません。

2パターンあるので、ひとつずつ説明したいと思います。

パターン1

野菜が豊作になると、値段が安くなります。これがひとつ目のパターンです。

野菜が大量に収穫されれば、その分値段は安くなります。

テレビも液晶の32インチくらいのものは以前なら20万くらいしていましたが、今は5万円くらいで買えます。

東南アジアの人件費が安いところで作ったり
、生産技術の向上によって安く作れるようになったためです。

野菜にしてもテレビにしても、数がたくさんあるものは価値が下がります。

野菜やテレビというような、それぞれの事情で値段が下がるのはデフレではありません。一般的にデフレと呼ばれるのは、次の二つ目のパターンになります。

パターン2

減税をすれば、皆さんの手元には、沢山のお金が残ることになります。逆に増税をすると、残るお金は少なくなるでしょう。

消費税を増税して、手元に残るお金が少なくなると、お金の価値が上がります。

野菜やテレビが、生産される量によってその価値が決まったように、手元に残るお金の量によって、お金の価値は変動するのです。

なかなか実感として解りにくいところですが、みんなが持っていないものは、希少価値が上がります。

お金の価値が上がれば、モノの値段が下がります。これがデフレです。

特に消費税などは国民全員に関係するため、その影響は非常に大きくなります。

デフレは、みんながどのくらいお金を持っているかで決まります。

パターン1とパターン2のバランス

普段、皆さんが目にしている価格はパターン1とパターン2の合成値になります。

値段はモノの価値とお金の価値とを比較して決まります。

野菜が不作でも、デフレ(みんながお金を持っていない)だと、見た目の値段は変わらないかもしれません。

野菜の値段は上がっても、お金の価値が下がるためです。

実際には野菜の値動きの方が大きいので、こういったことは起きにくいのですが、値段は2つの価値の合成ですので、こういったことも考えられるのです。

デフレだと困ること

デフレというのはお金の希少価値が高まるために起きました。つまり、お金が手に入りにくくなる現象です。それは増税や社会保障の削減など、サイフに厳しい政策が行われることを意味しています。

これは嫌ですよね。

こう思う人もいるかもしれません。

「デフレになっても、その分モノの値段が安くなるから問題ないのでは?」

しかし、価格というのはお金の価値が変化に対して、ワンテンポ遅れる性質があります。手元のお金が減っているのに、価格は前のまま、という時期がしばらく続くのです。そして、やっと値段が下がり始めたら、今度は私たちの給料が下がり始めます。売り上げが減るので仕方がないのです。

これも嫌ですよね。

デフレになって良いことなど、あまりないのが現実です。

ただ、1つだけあるとするなら、すでに沢山の預貯金を持っている人にとっては、お金の価値が上がるのは歓迎されるかもしれません。

インフレとはなにか?

値段の変化は2種類ある

インフレというのはよく聞くことばですが、その正確な意味をご存知でしょうか?

モノの値段が上がること、というのはなんとなくイメージでわかると思います。

でも、この値段が上がるのには、実は2種類あるというのはあまり知られてません。

2パターンあるので、ひとつずつ説明したいと思います。

パターン1

野菜の不作で値段が上がることがありますが、これがひとつ目のパターンです。野菜が不足すれば、どうしても値段は上がるものです。

嵐のコンサートチケットが、ものすごく高い値段で売買されているというのを聞いたことがありますが、これもこちらのパターンに当てはまります。野菜にしてもチケットにしても数が少ないので、需要と供給のバランスの結果、値段が上がったものです。

逆に野菜が豊作になれば、値段は下がります。工業製品が技術革新が起こって大量に生産できるようになれば、これも値段が下がると考えられます。

このように、さまざまな財やサービスが個々の事情によって値段が変動するのがパターン1です。ただし、それぞれの事情で値段が上がるのはインフレではありません。一般的にインフレと呼ばれるのは、次の二つ目のパターンになります。

パターン2

減税をすれば、皆さんの手元には、沢山のお金が残ることになります。逆に増税をすると、残るお金は少なくなるでしょう。

野菜がとれる量によってその価値が決まったように、手元に残るお金の量によってお金の価値は変動します。

なかなか実感として解りにくいところですが、たくさん手元にお金があればお金の価値は下がり、あまりなければ価値があがるのです。みんなが、たくさん持っているものの価値というのは、下がっていきます。

ダイヤモンドがその辺に転がっているような石であれば、タダ同然の価格になります。希少だからこそ価値がでるのです。

みんながお金をより多くもてば、お金の価値がさがってモノの値段が上がります。これがインフレです。

もし、消費税が増税されれば国民全員からお金を吸収しますので、その分お金の価値が上がることになります。とてもインパクトが大きいです。

逆に減税かもしくは廃止されれば、今までよりお金が増えることになりますのでインフレになるというわけです。

税金はお金を徴収されるほうですが、年金など給付されるお金が増えることでもお金の価値は変化します。

減らされることの多い年金の受給額が、もし増えることになればこれも手元のお金が増えることになるのでこれまたインフレになります。

インフレは、みんながどのくらいお金を持っているかで決まるものなのです。

モノとお金の価値のバランス

普段、皆さんが目にしている価格はパターン1とパターン2の合成値になります。

モノを買うというのはお金とモノの交換ですので、それぞれが今どのくらいの価値があるかによって値段が決まります。お金とモノ、それぞれの価値の比較で値段が決まるのです。

野菜が豊作でも、インフレ(みんながお金を持っている)だと、見た目の値段は変わらないかもしれません。野菜の価値は下がっているのですが、同時にお金の価値も下がっているため、見た目上値段が変わらないのです。実際には野菜の値動きのほうが大きいので、こういったことが起こることはないでしょうが。

もし、今後、モノの値段が上がることがあったなら、パターン1かパターン2のどちらによるものか、わけて考えるとインフレかどうか判断できるでしょう。

消費税増税が不要なただ一つの理由

本当に消費増税は必要か?

消費税はできることなら上げてほしくないものです。でも、将来的に社会保障などが成り立たなくなるとすれば致し方ない、と考える人がほとんどではないでしょうか。

問題は本当に“将来的に問題がないのか、それともこのままいけば本当に立ち行かなくなるのかがよくわからない”というところだと思います。そうです、よくわからないのです。

テレビで見たことのあるコメンテーターが「消費税増税は必要です」と言っていると、「ああ、そうかも」となりがちですが、それはコメンテーターの意見であって、本当に必要かどうかはわかりません。

おそらく、このブログを見ている方で日本年金機構のサイトを訪れて、財務状況を確認したことのある人はほとんでいないのではないかと思います。あるいは、現在の消費税の使われ方を財務省の資料等で追いかけて調べた人もいないでしょう。

財政赤字は1200兆円をこえていて、新聞などでは消費税増税は待ったなしといった報道もあり、消費税増税はしょうがないと思っている人も多いと思います。

しかしまってください。

新聞が必ずしも正しいと限らないし、実際に自分の目で社会保障関連のデータを見たわけでもないのに不安になって消費税増税を受け入れてしまったり、あるいはむやみに消費税増税に反対していいのでしょうか。増税するにしても減税するにしても何かしらの根拠をもって決めたいですよね。それは新聞やテレビで言っていたからというものではありません。

結論から言うと日本の物価上昇率が低いから消費税増税は必要ない、ということになります。なんだそれは?と思われたでしょう。順番に説明していきますので興味のある方はそのままお読みください。

これから、少々頭の体操をしていただきます。落ち着いて考えればわかる話ですので、心配されなくて大丈夫です。

お金の本質がポイント

消費税や社会保障費、財政赤字などすべてお金の話です。

消費税が本当に必要かどうかはお金の本質と関係があります。お金とはなんでしょうか?また、お金は紙やアルミ、銅、ニッケルで出来ているのに、なぜ価値があるのでしょうか?

紙幣は日本銀行が発行しています。日本銀行は政府が55%の株式を持っていて、政府の子会社です。また、普通の株式会社は株主総会によって社長が決まりますが、日銀総裁は政府の人事案をもとに衆参両議会の同意を得て任命されています。なので、日本銀行が発行しているとはいっても、実質的には国が管理しているわけです。

日銀が通貨を発行するのはわかりましたが、なぜ価値があるのかはまだ不明です。一説によるとみんながお金に価値があると思っているから価値があるというものがあります。しかし、これだとなぜみんなが価値があると思っているのかが不明です。どうやってみんなに価値があると思い込ませたのでしょうか?

あるいは、日本政府が保証しているからというのものもあります。これは半分当たりなのですが十分ではありません。答えは・・

日本政府がお金で税金を納めることを保証しているから。というものになります。

税金をお金で納めるのは当たり前じゃないかと思われたかもしれません。

しかし、江戸時代の年貢はお米でしたし、もっと前は地域の特産品を納めたりもしていました。確定申告で税務署にお米を持ち込んでも受け取ってはくれないでしょう。ここからが頭の体操の部分になります。

お金に価値があるから税金をとるのではなくて、お金でしか税金を受け取らないことでお金に価値が発生します。

混乱してきましたか?

頭の体操ですので、よく考えてみましょう。

どういうことか年貢のお米を例に考えてみます。

江戸時代は農民はお米で年貢を納めていました。武士はその年貢米を給料としてもらっていたわけですが、コメというのは持ち運びが悪くて不便です。農民にしても、大八車に俵を山盛りにして奉行所まで運び入れるわけですら、大変な負担のはずです。そこで、幕府はコメ引換券を発行して、給料として武士に渡したとします。武士は米引換券を農民に渡して米をもらいます。

農民には、あらかじめ年貢はコメ引換券で納めるようにお触れを出しておけば、武士が来た時もすぐにお米を渡してくれるはずです。コメ引換券を使うことで、武士や農民が重いお米を運ぶ負担が減ります。それと同時にコメ引換券はいろんな取引にも使用されるようになります。年貢を納めるときに必要になるものですから、多くの人が欲しがるようになるわけです。コメ引換券がお金になります。

これが日本政府がお金で税金を納めることを保証しているということです。

江戸幕府が本当にコメ引換券を発行したわけではありませんが、お金の仕組みを説明するためのたとえ話だと思ってください。

日銀(政府)が発行したお金を、自らが税金として引き取ることによってお金に価値が生まれます。

もし、明日から税金は米で納めるようになったら、お金は紙くず(硬貨は金属片)になるでしょう。

それはそうです。政府が税金はお金で納めることを保証していたにもかかわらず、いきなり米に変えられてしまったら納税に使えなくなるわけですから。

お金を作り出せる政府がお金に困ることはありません。

税収が足りないからと言って、増税をする必要はないのです。なぜなら、お金を作って使えばいいわけですから。

そんな都合のいい話があるわけがないと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、今までの話の中でお金は政府が作り出せるというのはご理解いただけたと思います。

消費税が不要な理由

もちろん、お金を作り出すにしても限界はあります。

例えば、コメ引換券を発行しすぎて、農民が引き換えに応じなくなっている場合などです。

年貢用の引換券は十分に持っていて、残りの米は自分たちで食べようと思っていれば引換には応じないはずです。

ただし、今までよりも多めに引換券をくれれば考える農民もいるでしょう。

これがインフレです。お金を発行しすぎると価値が目減りしてしまうので、物価の上昇招くのです。

毎年とれる米にも限りがありますので、コメ引換券をむやみに発行するとコメ引換券自体の価値が下がります。

つまり、お金を発行するときに注意しないといけないのは物価の上昇率なのです。

この世に魔法の杖はないということですね。そんな都合のいい話があるわけがないと思った方の直感は正しいのです。

ただ、今の日本の物価上昇率は1%もありませんし、もしかしたらデフレになるかもしれないという予想もあります。

なので、社会保障などの予算が足りなければ、増税ではなく、お金を発行して使うことが望ましいです。

消費税増税が不要なただ一つの理由は、日本の物価上昇率が低いから

ということになります。

ところで、さっきのコメ引換券を発行しすぎてインフレになった場合はどうしたらいいでしょうか?

鋭い方はもうおわかりだと思いますが、2つの解決方法があります。

一つは発行を抑制することで、もう一つは税金をあげることです。

ふたつ同時に行えば効果的にインフレを抑制することができますね。

デフレは貨幣現象か需給のバランスか

デフレの原因として貨幣現象なのか、それとも需給のバランスかという議論があります。

貨幣現象という主張はアメリカの元FRB議長ベン・バーナンキ氏や内閣参与の浜田宏一氏など、いわゆるリフレ派が主張している理論で、通貨発行量によって物価が決まるという考え方です。

たくさんあるものの価値は下がるという原理があります。例えばダイヤモンドは希少だから価値があるのであって、どこでも採れるのであれば、そこまで高価な鉱物にはならなかったでしょう。お金にしてもアルバイトの時給が1万円の世界ではおそらく物価が高くなるはずです。簡単に1万円が手に入るのであれば、そもそも1万円の価値はそれほど高いものではないということになるからです。なので、お金を発行すればデフレは解決するというのが、リフレ派の主張になります。その原理をもとに日銀は金融機関がもつ大量の国債を買い取って現金を供給しました。

一方で、需要と供給のバランスで需要が不足するために、デフレが起こると考えるのが需給バランス派の考え方になります。こちらはケインズが主張した理論です。

例えば、野菜が不作になると供給が不足して値段が上がります。逆に供給過多になると値段が下がります。つまり、需要が不足するためにデフレになったということです。国内には家計、企業、政府という3つの経済主体があり、この3者それぞれに需要があります。家計は生活をするためにいろいろなものを購入しますが、所得の伸びが悪いので個人消費は減少傾向にあります。企業はそういった家計の支出の動きを察知して、新たな工場や機械の導入を手控えています。新しい設備投資は一種の需要になりますので、ここが減ると物価が下がるというわけです。また、政府も財政赤字を削減するために公共投資といった政府支出を削減しています。つまり、3者とも需要縮小しているので、それがデフレの原因というわけです。

では、どちらが本当のデフレの原因でしょうか?

実はこの二つの理論には少しずつ欠点があります。

リフレ派の主張するお金を発行すれば希少価値が下がってインフレになるという部分は、あくまで「全員にお金が供給されれば」という条件付きになります。誰しもが簡単にお金が手に入ることによって、お金の希少性が薄れるのです。金融機関が大量に保有する国債を日銀が買い取って現金を発行したとしても、銀行や生命保険といった金融機関にお金が入るだけであって、預金者や国民に現金が支給されるわけではありません。

その点、バーナンキはヘリコプターからお金をばらまけばインフレになると、理屈に沿った的確な表現をしています。つまり、ヘリコプターからまくようにみんなにお金が行き渡ることが大切だと言っているわけです。

一方の需給バランス派の理屈にも少しおかしいところがあります。昔は大根一本10円くらいだった時期もありました。現在では100円程度です。インフレによって物価が上昇した結果ですが、需給バランス派の主張だと天候不順による不作で値段があがる場合と、インフレによる価格の上昇は本質的には同じということになります。10円から100円に価格が上昇したのは、供給が減ったか需要が劇的に増えたことによるもので、昔に比べて大根が手に入りにくくなったことを表します。しかし、大根が手に入りにくいという話は聞いたことがありません。

価格はモノと通貨の価値を付き合わせて決定されます。大根が希少なら大根の価値が上がり、通貨が希少なら少ないお金で大根が手に入ります。リフレ派はお金の価値に注目して、需給バランス派はモノの価値に注目しているという点で実はそう本質的に食い違っているわけではありません。

強いて言うならデフレは全てのモノの値段に影響することから、お金の価値が高まることで起こる現象といえるでしょう。つまり、リフレ派のいう通貨供給量の少なさがデフレを誘発しているということだと考えられます。

日銀の金融緩和は金融機関にはお金が供給されますが、国民の財布に入るわけではありません。大切なのはお金の希少性が薄れることですので、消費税の減税や財政支出の増大などお金がなるべく多くの人に行き渡る施策が必要です。流行りのベーシックインカムなどもデフレには有効だと考えられます。