経済を勉強しても、コレを知らなければまったく意味がないという話。


コレを知らなければ始まらない


経済を勉強する上で、絶対に押さえておくべきポイントがあります。

これを知らなければ、いかに難しい経済理論や金融工学を学んだところで、まったく無意味といってもいいかもしれません。

それは、金利から国民所得が決まるメカニズムでも、株価と債権価格の関係でもありません。

経済の勉強をする上で絶対に知っておかなければならないのは、なぜお金には価値があるのか?ということです。

経済のことを考えるのに、お金のことを知らなければなにも始まりません。

お金に価値がある理由を、既に知っているという方はいらっしゃるでしょうか?

福沢諭吉や野口英世が印刷してあるだけの、ただの紙切れです。
透かしが入っていて、多少デザインが凝ってますが。

  • みんながお金に価値があると思っているから価値がある。
  • 日本政府が価値を保障しているから価値がある。
  • 金と交換できるから価値がある。

よく言われるお金に価値がある理由は、こんなところでしょうか。

100%間違いというわけではありませんが、正解でもありません。答えを言うと・・・

政府がお金で税金を徴収するからです。

私達は普段の生活で様々な税金を払っています。

持家であっても固定資産税は払わなければなりませんし、車を持っていれば毎年自動車税の納付書が届くでしょう。また、年金や健康保険も納めなければなりません。

これらの納税義務は日本円でしか納めることができず、ドルなどの外貨やその他の貴金属などでは受け取ってもらえません。

この悩ましい税金や各種保険こそが、紙切れのお金に最初の需要を生み出します。

払いたくないからといって、固定資産税から逃れることはできるでしょうか?
悪質な脱税は実刑になる場合もあります。

誰しも脱税で逮捕されて刑務所に入りたくないから、お金が必要というわけです。

日産の元会長のカルロスゴーンが支払った保釈金は、10億円だそうです。

よくそんなに持っているなという感想しかでませんが、それだけ払っても外に出たいという気持ちもわかります。保釈金や罰則金にしても、日本円でしか受け付けません。

このように、日本政府が税金や罰則金という形で円に需要を発生させているために、お金に価値が生まれます。

お金に価値があるのは、意外にネガティブな理由なのです。

経済は政府の手の平の上にある


紙幣は日本銀行が発行しています。

銀行の銀行とか、政府の銀行と呼ばれるあの日本銀行です。

日本銀行の株式の55%は日本政府が保有しており、日本銀行の総裁は内閣が人選をして、国会で承認されます。また、日本銀行の運営は日銀法によって決められています。

つまり、日本銀行は株式会社なのですが、ほぼ政府の出先機関なのです。
なので、お金は実質的には政府が発行していると考えていいでしょう。

むしろ、普通の株式会社がお金を発行している方が異様です。

日本銀行(政府)が発行したお金を、政府が税金や各種保険料という形で徴収するというのが、お金の流れの全体像になります。

例えば、政府が発行したお金は公務員給料から始まり、スーパーの売上になり、銀行預金になり、子供のお年玉になり、ゲームソフトの売上などを経て、税金や保険料として再び政府の元に戻ります。

日本は資本主義であり、自由主義経済なのですが、最初と最後はガッチリ政府が握っています。

お金の偽造は罪に問われますし、紙幣を燃やしたりシュレッダーにかけるのも(あまりいないと思いますが)罪に問われます。

お金の誕生と最後を決められるのは、政府だけです。

私達は普段、自由な経済活動を行っているわけですが、大きな視点で見れば政府の手のひらの上にいるようなものです。

お金に価値があるから経済活動が行えるわけで、その価値の源泉は徴税や罰則金などです。

国家権力に裏付けられたお金というのは、まさに国家そのものと言えると思います。

ビットコインが円にとって代わるという議論がありますが、いかに的はずれであるかおわかり頂けると思います。

ビットコインが法定通貨に取って代わるには、日本政府がビットコインでの納税や罰則金の支払いを認める必要があるからです。

お金の価値は常に変化している


お金の価値は一定ではなく、常に変化しています。

一度に大量の政府支出を行えば、インフレになるのはご存知だと思います。
政府支出を増やす以外にも、税金を下げるとインフレになります。

いわゆる物価上昇率というのは、実はお金の価値の変化のことを指しています。
お金の価値が下がればインフレ、上がればデフレです。

みなさんは、税金のない世界に住んでみたいと考えたことは無いでしょうか?

税金や社会保険料の無い世界はみんなの夢だと思いますが、本当に税金を無くしてしまうと強烈なインフレになります。

政府の徴収する税金や各種保険などが、お金の価値の後ろ盾ですので、それが無くなってしまうとお金の価値も失われるからです。

逆に増税したり政府支出を削減したりするとデフレになります。

政府は収支を調整することで、世の中に出回るお金の量を変化させ、物価を安定させるのです。

2019年の現在の日本はデフレです。それは取りも直さず政府支出が少なすぎるか、税金が高すぎることを意味しています。

信用創造について


通貨の発行は政府の特権ですが、それ以外にもお金が作られるケースがあります。
それは誰かがお金を借りたときです。

AさんがBさんから3000万を借りたとします。
Aさんの手元には3000万、Bさんには借用証書が渡ります。

Aさんが3000万円分の買物ができるのはもちろんですが、Bさんも借用証書で3000万円分の買物ができます。

簿記ができる方は分かると思いますが、手形(借用証書)が裏書きして決済に使用できるのと同じです。

借用証書は誰の手に渡ったとしても、Aさんから返してもらえる限り、3000万と同等の価値があると考えられます。この借用証書は、現金に近い性質を持っているということができるでしょう。

借金という形ではありますが、表面的にはお金が増えました。これを信用創造といいます。

AさんBさんそれぞれが3000万円のお金(借用証書)を持つことになりました。

たくさんお金を持っていれば使いたくなるのが人情ですので、信用創造によって購買力が上がれば、物価もあがります。政府支出だけでなく、信用創造もインフレの原因になります。

一般的には信用創造は銀行など金融機関がメインで行っていますが、話を単純にするため個人同士の取引にしています。

政府は経済政策を行う上で、物価を注視しています。政府支出だけでなく、信用創造によっても物価が左右されるからです。

例えば景気が悪くなって、Aさんが借金を返せるか怪しくなったとします。

Bさんは早く返してもらいたいし、他に借金の依頼があったとしても断るでしょう。

そうなると信用創造が停滞して、物価は横ばいか下がることになり、政府は物価の変化によって、景気の悪化を知ることになります。

リーマンショックのような急激な景気変動が起こると、BさんはAさんから無理矢理にでも返済を迫るかも知れません。

借金が返済されてしまえば、見た目上のお金が減ることになります。

これを信用収縮といいます。

こうなると物価は下がり、景気の悪化が鮮明になります。
物価が下がれば、政府はカウンターで政府支出を増やしたり、減税を行うことで物価を上げようとします。

まとめ

お金に価値があるのは、 政府が 税金や保険料、罰則金を徴収することよって、価値があるということにしているためでした。

お金の価値は一定ではなく、政府支出と税金のバランスによって変化します。
また、信用創造も物価上昇率に影響を及ぼします。

政府は景気の動向を知るために物価を(通貨価値)を注視して、その時の経済状態に応じた政策を行います。

お金を理解することは、物価を理解することに繋がります。
物価は経済を考える上で最も重要な概念です。

この一連のメカニズムを知っているだけでも、経済に対する見方が広がると思います。

逆にお金や物価について知らなければ、経済のコアの部分について理解するのは、なかなか難しいでしょう。

日銀データの見かた(資金循環統計)

データを見てみよう

国の借金が1200兆円にもなって大変だというニュースをよく目にします。元になるデータというのは日銀が三か月に一回発表する資金循環統計です。経済のことを考えるうえでデータは最も重要なのですが、発表する省庁ごとにバラバラに管理されており、探すのも結構めんどくさかったりします。なので、今回は一緒に見ていきたいと思います。

以下は日銀のサイトです。
http://www.boj.or.jp/

赤丸の統計にマウスを合わせるとメニューが表示されますので、「資金循環」をクリックしてください。

少し下のほうに参考図表というところがありますので、PDFをクリックします。

以下が政府、企業、家計などの金融資産と負債をいくら持っているかを表した図表になります。左下のほうに一般政府 (1,284)とあるのが、いわゆる「国の借金が1200兆円もあって大変だ!」といわれる政府の負債になりす。

参考図表なので細かい数字を並べた文書は他にあると思いますが、私はこれしか見ていません。ざっくりとした規模感覚が重要なので参考図表は便利です。右上の家計 (1,859)は「日本の家計の金融資産1800兆円!すごい!」といわれる根拠となる数字です。下のほうに資産の内訳が書いてあります。ちなみに経済学者や評論家の先生方もこの数字を見て発言しています。

画像では切れて見えませんが、下のほうに海外という項目があります。海外資産は708兆円あり、海外から見た資産というのは日本から見ると負債になります。つまり日本は海外に対して708兆円の金融負債があることになります。一方で資産(海外からみれば負債)は1040兆円あります。差し引き332兆円の金融資産を日本は持っているということがこの図表からわかります。

下のほうに行くと部門別の過不足金というページがあります。これは増えた資産と負債の差額を表しています。例えば一年間で200万円貯金して同時に100万円のローンを組んだとしたら、差し引き100万円の余剰金があったことなります。

②暦年を見ていただきたいのですが、17年の民間非金融法人企業は27.3兆円の余剰金が発生しています。これは2017年1月~12月までに企業全体の資産が負債よりも27.3兆円増えたということです。いわゆる内部留保が増えているというのが、この図からもわかると思います。12年~16年にかけて政府は猛烈な勢いで緊縮しています。2011年に東日本大震災があったことなど眼中にないかのような激しさです。

データは楽しい

このように実際にデータを見ることでわかることが色々ありますので、じっと眺めるだけでも結構楽しかったりします。政府の杜撰なデータ管理が問題になっていますが、これは非常に問題です。たとえ話ですが、手術中に血圧データが正確にわからなかったら患者はどうなるでしょうか。正しいデータからしか正しい政策は生まれませんので、総理大臣以下襟を正す必要があると思います。

待っていても、ビットコインは法定通貨に代わることはないという事実

ビットコインはお金に代わることはない

巷を騒がせている仮想通貨ですが、いつかビットコインがドルや円にとって変わると思っている方もいらっしゃるようです。断言しますが、ビットコインが法定通貨の地位を奪うことはありません。なぜなら、ビットコインでは納税できないためです。

税金がお金を作る

お金は税金として徴収されることによって、お金になります。一般的にはお金に価値があるので、そこに目をつけた政府が税金をとると考えられています。でも、本当は政府が税金をとることによって、お金に価値がでているのです。皆さんが思っているのとは逆なのです。逆、逆!

本来なら、国家は個人に強制的に労働させたり、年貢として米を納めさせたりするのですが、その代わりにお金を納めることでその義務から解放しています。通貨の本質は義務からの解放にあります。

紙幣を発行しているのは日銀です。日銀は日銀法によって、国が管理する許認可法人です。日銀総裁は内閣が指名して国会で承認され、日銀の株は過半数を政府がもっています。金融の独立性とはいいつつも、手綱はしっかりと政府が握っています。つまり、日銀が通貨を発行しているものの、事実上は政府が発行しているのと同じことなのです。政府の出張所のようなものですね。

政府が発行した紙切れを、税金として納めさせることによって、お金としての価値を担保しているということになります。図書カードと書店の関係のようなもので、発行したところが価値を保証する仕組みです。通貨は政府が発行して、税金として徴収することを保証しています。もし、ビットコインが法定通貨にとって代わるとしたら、この通貨発行と徴税のループに入る必要があります。ドルでの納税すら日本では認められていないので、ビットコインでの納税は考えにくいでしょう。

評価基準はあくまで法定通貨

ビットコインの価値は円換算して評価されます。あくまで、法定通貨を基準に価値を評価しています。今後、ビットコインが円による評価をされなくなって、単独で存在するようになるなら通貨になるかもしれません。

ただ、金ですら円に換算して評価をされるわけですから、そもそもビットコイン自体が絶対的価値基準にはなり得ないのです。

自治体による仮想通貨

仮想通貨はお金になり得ないという話をしましたが、もし、仮想通貨で通貨発行と徴税を行うなら普通にお金になります。

私が密かに夢想しているのが、自治体による仮想通貨の発行です。地域通貨としてなら本物のお金になり得ると考えています。これは仮想通貨に限らず、普通の紙のお金でも一緒です。

住民税や軽自動車税などを仮想通貨で徴収するようにすれば、仮想通貨に対する需要が発生しますので地域内で流通するようになります。

自治体が通貨発行権を持つこと自体、中央政府は認めようとはしないかもしれませんが、昨今の財源委譲や道州制の議論とセットでやれば面白いかもしれません。

これなら地方が独自に財源を確保できますので、色々と思いきったことができるようになるかもしれません。

問題はインフレにならないように、発行量をコントロールしないといけないところです。ビットコインは発行数量にあらかじめ上限が設定されています。新たに仮想通貨を作るなら、この上限を自治体が管理するようになるのかもしれません。

ビットコインが値上がりするわけ

ビットコインが60万円を超えて値上がりを続けています。一説にはバブルという説も出てきました。以前、ビットコインについての記事を書いたときは3万円台だったので、あのとき買っておけばと少し後悔しています。しかし、ここまで上がると怖くて手が出ません。

値上がりする理由

ビットコインが値上がりする理由は、以下の二つに集約できます。

・普及する途上にある
・ビットコインは発行上限がある

ひとつにはビットコインが普及する途上で、まだ全ての人に行き渡っていないということがあります。任天堂スイッチと同じ状態ということですね。それまでは急速に上がり続けるかもしれません。

それがどこまでか?は誰もわかりません。ビッグカメラなど一部のリアル店舗でも取り扱いが始まっていますので、今後、ビットコインが普段の生活になくてはならないものになるかどうか、によっても変わるでしょう。

限りあるものは価値がある

ある程度浸透して、価格が安定してきたとしても、その後もじわじわ上がることが予想されます。

図でいうとこんなイメージです。

ドルやユーロ、円といった法定通貨の発行上限はありませんが、一方のビットコインは2100万コインまでと上限が決まっています。ビットコインにはインフレを防ぐための上限があるのに対して、法定通貨には上限はありません。それがビットコインのレートをあげ続ける原因になると考えられます。

法定通貨はこれまで通貨発行や信用創造によって大きく膨張しており、今後も続くと考えられます。数に限りあるビットコインは、法定通貨が増えれば増えるだけ、値上がりすると予想されるのです。

これは物価一般に当てはまる話でもあります。ラーメン一杯100円の時代もありました。ラーメンが現在の値段なのは、銀行による信用創造や政府支出の増大などで円が膨張したためです。

金に似ているビットコイン

ビットコインとよく比較されるものの1つに金があります。

1971年に金本位の制度が終わってからの長期チャートになります。


1グラムあたりの金額(円)田中貴金属さんよりお借りしました

金市場ができてから1980年までは怒涛の値上がりですが、その後は冬の時代を迎えて2000年を境に上昇しています。チャート以前も金の売買は行われており、田中貴金属さんのデータによると1947年は150円だったようです。トレンドとしては上がり続けているのですが、1980年以降の値下がりはあまりにも長く深い谷です。

金のチャートはビットコインの今後を暗示しているような気もします。ただ、長期的には法定通貨が膨張し続ける限り、値上がりに上限はないと考えられます。金もビットコインもトレンドとしては上がり続けます。

ビットコインのリスク

ビットコインは理論上は値段が上がり続けるのですが、逆にそれらの前提が崩れた場合は値下がりします。

・発行上限の撤廃
・他の仮想通貨の存在
・デフレ

まず、発行上限撤廃の可能性があります。ビットコインは人が作ったものなので、技術的には可能です。今までもそういった議論がなされたことがありますので、今後、絶対に上限撤廃がないとは言い切れません。もし、上限が引き上げられたり、撤廃されるようなことがあれば、間違いなく値下がりします。

また、仮想通貨はビットコインだけではありません。イーサリアムなどの仮想通貨も徐々に広まりつつあるので、もし、そういった新興の通貨に人が集まれば、ビットコインの値下がりに繋がります。

あと、デフレですが、デフレになると法定通貨の価値が上がりますので、これまたビットコインの値下がりに繋がります。デフレというのは通貨の稀少価値が高まる現象ですので、ビットコインのレートも上がらなくなるというわけです。世界的に低物価ですので、今後足踏みすることも考えられます。

しかし、これからビットコイン決済ができる店舗等が増えてくるなら、普及していくパワーによって、しばらく値上がりしていくかもしれません。

まとめ

ビットコインが値上がりする理由は、まだ持っていない人が買うためと、あと、法定通貨は増え続けるのに対して、ビットコインの発行上限があるためです。逆にいうとこれらの前提が崩れれば、値下がりに繋がるということですね。

個人的には他の仮想通貨が、ビットコインのシェアを奪う可能性が高いのではないかと思います。後発のほうが技術的には上になりますし、ビットコインの開発者は100万コインを持っているらしいので、現在、その資産価値は5000億円にもなります。これはずるいというか、おいしい話なので、他の人が放っておかないような気がしますね。

ロシアなんかは国家をあげて仮想通貨を作っているらしいので、今後どうなるかは全く読めません。というわけで、金かビットコインを選べと言われたら、私なら金に投資します。でも、余裕があるならETFを買い増したいです。

日本の財政を考える

規模の感覚をつかもう

私たちは消費税をはじめ、所得税や固定資産税など、様々な場面で税金を納めています。国民はどのくらい税金を納めて、国はどういったことに支出しているのでしょうか?

全体的な収入と支出のバランスを見ていただきたいと思います。ここではざっくりと、あえて兆単位以下は四捨五入しました。

これは一般会計と呼ばれるもので、29年度の予算の内訳です。毎年、国会で予算編成が行われるのがこの一般会計です。支出の中でも飛び抜けているのが、社会保障費の32兆円です。高齢化により、医療費、介護、年金の支出が多いためです。

1980年代は65歳以上は10人に1人もいませんでしたが、2017年現在、4人に1人が65歳以上です。まさに高齢化社会です。今後は更に高齢者は増え続けて、2050年には2人に1人が65歳以上の高齢者になると予想されています。

消費税は所得税の次に大きな税収になっており、17兆円もあります。8%にあげる前は約10兆円でしたので、消費税増税によってそれなりに増収になりました。しかし、国民の貧困化が進行しており、これ以上の増税は経済に悪影響を及ぼすでしょう。

収入で34兆円の借金をしつつ支出では24兆円の借金を返済しています。国債の利子の支払いや、新たな借り換えによるものです。返済よりも借りるほうが大きくなっています。国と地方を合わせると1200兆円の借金があるというのは、この部分に原因があるためです。予定通りいけば、今年は32兆円-24兆円=10兆円の借金が増えます。

このように、ざっくりと見ることで、全体的な感覚がつかみやすいかと思います。限られた税収の中から予算は組まれていますが、一般会計のほかに政府は特別会計という別の財布を持っています。

真の埋蔵金「特別会計」

特別会計という言葉は、聞かれたことはあると思います。本来は見通しをよくするために一般会計ですべてを管理をするのが理想ですが、事業の性質によっては混ぜないほうが良いものもあります。その中のひとつに外国為替資金特別会計というものがあります。

「実は、2017年度予算案では、外国為替資金特別会計(以下、外為特会)の運用益(俗に言われる「埋蔵金」の1つ)の全額を一般会計のその他収入に繰り入れた。」
時事通信より

特別会計は全部で14個あり、外国為替資金特別会計(外為特会)はそのひとつです。日本政府は行きすぎた円高を是正するために、為替介入を行ってきました。

政府は日銀から円を借りてきて、為替市場でドルに交換することで円安に誘導しました。結果、手元にはドルが残ったわけですが、そのドルを管理しているのが外為特会です。最後に為替介入を行ったのは2011年になります。

残高は全て外貨(主にドル)です。2016年3月末の時点で144兆円あり、そのうち120兆円はアメリカ国債で運用していす。

外為特会のお金はどこから出たものか

144兆円もの残高のある外為特会ですが、これは税金をコツコツ貯めたものではありません。原資は政府が日銀から借りてきたものです。日銀は政府が管理する認可法人ですので、事実上は政府の機関といっても差し支えありません。

つまり、政府は何もないところから144兆円ものお金を作り出して、ドルに交換したことになります。外為特会はまさに埋蔵金なわけですが、そもそも政府が何もないところから、それだけのお金を作り出せるということがポイントです。通貨発行権は国家にだけ認められた大きな権力です。ニセ札作りが重い罪に問われるのはこのためです。

外為特会の残高はアメリカ国債で運用されていて、年に2~3兆円くらいの利子が入っています。時事通信の記事は2017年度は、その全てを一般会計に繰り入れたとあります。

まさに打出の小槌ですね。年金削減や消費税増税の議論がある一方で、あるところにはあるものです。利子だけでなく、元本を使っても構いません。毎年20兆円ずつ使えば、消費税分以上の支出が可能ですし、なくなればまた通貨発行すればすむ話です。

注意しなければならないのは、政府支出による物価の上昇です。とはいうもののデフレの今、もっと大胆に使っても良いのではないでしょうか。少なくとも消費税増税は、今のところ必要なさそうです。

ビットコインを他のものに例えると?

ビットコインは郵便為替のようなもの

最近ビットコインという言葉を耳にすることが多くなってきました。ビットコインというのはインターネット上で使用される仮想的な通貨です。

しかし、ビットコインがどういうものであるかというのは、なかなか理解が難しいところです。ビットコインを他のモノに例えるなら郵便為替のようなものと言えるでしょう。

郵便では現金は送れないので、通常は現金書留か為替にして送ります。窓口で送金するお金と手数料を払うと、為替の証書をもらえるのでそれを郵送します。受け取った人は再び窓口で現金に替えるわけです。

ビットコインもこれと全く同じような使い方をします。現金をビットコインに交換して相手に送ると、受け取った人は再び現金に交換します。ビットコインは決済手段の一つと言われるのは、このような利用の仕方をするためです。

郵便為替との違いは世界中どこにでも送金できるのと、10分ほどで送金完了できる早さです。他にもいろいろと送金手段はありますが、手数料が安く利用できるということと、個人情報などを必要としないことも特徴となっています。

安く早くお手軽に送金ができるため、主にネットショッピングやオークションといった商取引でひろく利用されています。

郵便為替は半年以内に窓口で現金に交換する必要がありますが、ビットコインに現金への交換期限はありません。そのため、ビットコインのまま保持し続けて、次の取引のときに使う場合もあります。そうするとビットコインは一種のお金のような性質をもつことになります。

ビットコインの正体は数字のやりとり

ビットコインというのはコンピュータの中の数字にすぎません。ネットワークを通じて田中さんから鈴木さんにコンピュータ上の数字を送ったというだけで、本来、経済とは関係のないの単なる数のやりとりです。ただ、郵便為替のように信頼性が高いために、送金手段として使われているわけです。

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これは実際の私のビットコインの口座番号(のようなもの)になります。このアドレスを指定すれば私にビットコインを送ることができます。郵便為替でいうところの住所氏名にあたります。このアドレスだけでは私がどこの誰かということはわかりません。ビットコインは個人情報を必要としないのです。

ちなみに上のアドレスは本物ですので、本当にビットコインを送ってもらってもかまいません(笑)。

送金するということ

少し送金するということを考えてみたいと思います。

A銀行からB銀行に1万円を送金したとします。A銀行の残高を1万円減らすと同時に、B銀行の残高を1万円ふやす操作をします。このような操作をすることで「送った」ように見えるわけです。

完全に電子的な操作なので、本当に何かを送ったわけではありません。また、電子的なものなので、間違えると証拠がありません。A銀行の口座を1万円減らしたのに、停電などのトラブルでB銀行の口座を増やさなかったら、1万円がこの世から消えてしまいます。

実際にこのようなことが起きることはまず考えられませんが、技術的な話としてはあり得るわけです。金融システムは一方を減らして一方を増やすといった、矛盾が無い状態を保つことが重要になります。ビットコインはこの仕組みが、とても優秀なのです。

つまり、送ったコインが消えてしまったり、送られてもいないコインを不正に受け取ったりすることが、できない仕組みになっています。

ビットコインの仕組み

ビットコインのキモは台帳の管理の仕方にあります。銀行の口座残高は銀行のシステムで一か所で厳重に管理されていますが、ビットコインの残高はビットコイン参加者全員が同じ台帳を持っています。

これは逆転の発想で、全員が同じ台帳をもっていればもし一人が不正を行ったとしても、他の人の台帳とちがえばすぐにばれるという考え方です。世界中で何億という人がビットコインに参加していますので、一遍にそれらの人たちの台帳を改ざんしなければ不正はできません。

全員で監視するほうが、ある意味、銀行のシステムのように一か所で管理するよりリスクが低いとも言えます。また、個人情報は一切必要としないため、口座残高や口座間のコインの動きはわかっても、それがどこの誰のものかはわからないようになっています。

ビットコインを送信するということ

ビットコインは分散された台帳に記録されています。ビットコインを1枚、AさんからBさんに送信したら、すべての台帳の残高を変更しなければなりません。その台帳を更新する役割を買って出ているのが、マイナーと呼ばれる人たちです。

マイナーになって台帳更新の作業を行うとビットコインが手数料としてもらえます。台帳更新専用のソフトをダウンロードすれば、だれでもマイナーになれます。ビットコインを求めて、世界中に不特定多数のマイナーがいます。

作業といっても、ソフトを立ち上げればあとは自動で動いてくれますので、人が何かをやるわけではありません。例えばMinerGateというソフトはそのひとつです。

緑になっているところがマイニング(台帳の更新作業)をおこなっている部分になります。あとは、パソコンの電源を落とさずに放置しておけばビットコインがもらえるというわけです。このソフトはほかにもイーサリアムといった他の仮想通貨のマイニングもできます。

残念なことにビットコインは人気がありますので、実際にマイニングを行ってもパソコンの電気代のほうが高くついて、儲からないというのが現状です。ビットコインのマイニングは日本でなく、電気代の安い中国で企業が高性能コンピューターを導入して大々的に行っているそうです。

まとめ

以上のことからビットコインは郵便為替のようなものといえるわけです。マイナーが郵便局の代わりに送金のシステムを支えています。

仮想通貨というより、仮想為替といったほうがいいかもしれません。お金というより送金するためのツールだからです。

知ってます?お金に価値がある本当の理由

お金はビール券だ

紙幣に価値があるのを、不思議に思ったことはないでしょうか。

金貨であれば、金自体に価値があるわけですが、紙に価値があるのは不思議ですよね。金は古代エジプトの遺跡からも発見されるように、昔から価値のある貴金属なので、通貨の背後で価値を支えることもできたわけです。しかし、現在の通貨は金などの後ろだてを持っていません。どのようにしてその価値を維持しているのでしょうか。

一説には「みんなが価値があると思っているから」というものがあります。しかし、これだとなぜみんなが価値があると思っているのか?という疑問がでてきます。または、政府が価値を保証しているから、というものも耳にすることがありますが、こちらもイマイチ分かりにくいですね。

実はお金はビール券と同じ構造をもつ一種の商品券のようなものなのです。通貨価値は、国家の存在自体と密接な関係があります。

国家とお金の関係

日本人は日本列島に住み、北は北海道から南は沖縄までを仲間だと思っています。熊本で震災があれば東北の人でも助けてくれますし、東日本大震災の時は全国から支援がされました。

国家は災害の時だけでなく、年金、医療、雇用など、様々な問題をみんなで乗り越えようという最大の集まりになります。そのため、他人を助ける余力のある人には、等しく国のために働く義務が課せられています。

本当なら一人一人がお年寄りの世話をしたり、道路や橋を作ったり、国民自ら働くのが本来の姿ですが、現実的に全員がそういった作業を行うことは不可能です。その代わりに税金を納めています。

お金を納めることで、義務を果たしているわけです。

税金の本当の意味

ここからは少し頭の体操になります。準備はいいですか?

政府はお金に価値があるから税金をとるわけではありません。

税金としてお金を徴収するから、お金に価値が生まれるのです。

混乱しますよね?

お金の価値に目をつけた政府が、国民からお金を徴収している訳ではないのです。

お金を発行したのは日銀(政府)です。ビール券ならビールと交換できますが、お金は納税することで、労働や物納などと同様に義務を果たしたとみなすのです。脱税をすれば捕まります。お金さえあれば捕まらずに済むのです。

これが、お金の価値になります。

もっと違った角度から説明してみます。

あまりよい例えではないかもしれませんが、徴兵制があるとします。20歳以上の男女は、2年間の兵役の義務があるとしましょう。ただし、100万円を納めれば、兵役を免除されるとしたらいかがでしょうか。

お金が欲しいですよね?2年間の兵役にいかずにすむわけですから。

飲酒運転をすると、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。初犯の場合は70万円~80万円らしいですが、もしお金が払えない場合は懲役刑になります。誰しも刑務所には行きたくないので、こういった罰則金という形でもお金に価値が発生します。

お金は国が税金や罰則金を通じて、価値があることにしているというわけです。

円に限らずドル、ユーロ、ウォンなど全て同じです。

価値があり、持ち運びも容易で、保存もできますので、買い物などで利用されるようになりました。

もし税金がなくなったら

もし、税金がなくなったら、お金は紙くずになります。税金がなくなれば天国のようですが、その反面、お金の価値はなくなるのです。

一般的にはみんながお金に価値がないと思えば紙くずになると思われていますが、実は政府が税金としてお金を受け付けなくなるときも紙くずになります。お店でビール券が使えないとしたらと、ただの紙になるのと同じことです。

現金での買い物はできなくなり、物々交換が始まるかもしれません。ただ、国として行政を行うための何らかの資源が必要ですので、江戸時代のように米などのモノを納めたり、労働が課されるようになるでしょう。お金がないと非常に不便なことになります。

かわいいお金

実は個人でもお金を発行することはできます。みなさんも発行したことがあるのではないでしょうか?

父の日や母の日に発行した肩たたき券は、紛れもなくお金です。肩たたき券を渡せば、子どもだった皆さんはしぶしぶ肩を叩いたことでしょう。何でも言うことを聞く券を発行して、大人になって使われたという、笑い話も聞いたことがあります。

手書きの肩たたき券に価値があるのは、肩を叩く約束をしているためです。国と国民の間にも、国民としての義務はお金を納めるという約束があります。

まとめ

お金はビール券や図書カード、肩たたき券などの一種です。

ビール券→ビールが貰える。
図書カード→本が貰える。
肩たたき券→肩を叩いて貰える。
お金→納税ができる。(国民としての義務の免除)

それぞれ利用価値が有るために、価値があるというわけです。

デフレとはなにか?

2種類の物価の変動

日本は長い間デフレでした。

安部政権になってやっとデフレを脱却するかとおもわれたのですが、最近のデータでは再びデフレの兆候が現れています。

このデフレという現象ですが、正確に理解している人は少ないようです。

モノの値段が下がること、というのはなんとなくイメージでわかると思います。

でも、値段が下がるのには、実は2種類あるというのはあまり知られていません。

2パターンあるので、ひとつずつ説明したいと思います。

パターン1

野菜が豊作になると、値段が安くなります。これがひとつ目のパターンです。

野菜が大量に収穫されれば、その分値段は安くなります。

テレビも液晶の32インチくらいのものは以前なら20万くらいしていましたが、今は5万円くらいで買えます。

東南アジアの人件費が安いところで作ったり
、生産技術の向上によって安く作れるようになったためです。

野菜にしてもテレビにしても、数がたくさんあるものは価値が下がります。

野菜やテレビというような、それぞれの事情で値段が下がるのはデフレではありません。一般的にデフレと呼ばれるのは、次の二つ目のパターンになります。

パターン2

減税をすれば、皆さんの手元には、沢山のお金が残ることになります。逆に増税をすると、残るお金は少なくなるでしょう。

消費税を増税して、手元に残るお金が少なくなると、お金の価値が上がります。

野菜やテレビが、生産される量によってその価値が決まったように、手元に残るお金の量によって、お金の価値は変動するのです。

なかなか実感として解りにくいところですが、みんなが持っていないものは、希少価値が上がります。

お金の価値が上がれば、モノの値段が下がります。これがデフレです。

特に消費税などは国民全員に関係するため、その影響は非常に大きくなります。

デフレは、みんながどのくらいお金を持っているかで決まります。

パターン1とパターン2のバランス

普段、皆さんが目にしている価格はパターン1とパターン2の合成値になります。

値段はモノの価値とお金の価値とを比較して決まります。

野菜が不作でも、デフレ(みんながお金を持っていない)だと、見た目の値段は変わらないかもしれません。

野菜の値段は上がっても、お金の価値が下がるためです。

実際には野菜の値動きの方が大きいので、こういったことは起きにくいのですが、値段は2つの価値の合成ですので、こういったことも考えられるのです。

デフレだと困ること

デフレというのはお金の希少価値が高まるために起きました。つまり、お金が手に入りにくくなる現象です。それは増税や社会保障の削減など、サイフに厳しい政策が行われることを意味しています。

これは嫌ですよね。

こう思う人もいるかもしれません。

「デフレになっても、その分モノの値段が安くなるから問題ないのでは?」

しかし、価格というのはお金の価値が変化に対して、ワンテンポ遅れる性質があります。手元のお金が減っているのに、価格は前のまま、という時期がしばらく続くのです。そして、やっと値段が下がり始めたら、今度は私たちの給料が下がり始めます。売り上げが減るので仕方がないのです。

これも嫌ですよね。

デフレになって良いことなど、あまりないのが現実です。

ただ、1つだけあるとするなら、すでに沢山の預貯金を持っている人にとっては、お金の価値が上がるのは歓迎されるかもしれません。

インフレとはなにか?

値段の変化は2種類ある

インフレというのはよく聞くことばですが、その正確な意味をご存知でしょうか?

モノの値段が上がること、というのはなんとなくイメージでわかると思います。

でも、この値段が上がるのには、実は2種類あるというのはあまり知られてません。

2パターンあるので、ひとつずつ説明したいと思います。

パターン1

野菜の不作で値段が上がることがありますが、これがひとつ目のパターンです。野菜が不足すれば、どうしても値段は上がるものです。

嵐のコンサートチケットが、ものすごく高い値段で売買されているというのを聞いたことがありますが、これもこちらのパターンに当てはまります。野菜にしてもチケットにしても数が少ないので、需要と供給のバランスの結果、値段が上がったものです。

逆に野菜が豊作になれば、値段は下がります。工業製品が技術革新が起こって大量に生産できるようになれば、これも値段が下がると考えられます。

このように、さまざまな財やサービスが個々の事情によって値段が変動するのがパターン1です。ただし、それぞれの事情で値段が上がるのはインフレではありません。一般的にインフレと呼ばれるのは、次の二つ目のパターンになります。

パターン2

減税をすれば、皆さんの手元には、沢山のお金が残ることになります。逆に増税をすると、残るお金は少なくなるでしょう。

野菜がとれる量によってその価値が決まったように、手元に残るお金の量によってお金の価値は変動します。

なかなか実感として解りにくいところですが、たくさん手元にお金があればお金の価値は下がり、あまりなければ価値があがるのです。みんなが、たくさん持っているものの価値というのは、下がっていきます。

ダイヤモンドがその辺に転がっているような石であれば、タダ同然の価格になります。希少だからこそ価値がでるのです。

みんながお金をより多くもてば、お金の価値がさがってモノの値段が上がります。これがインフレです。

もし、消費税が増税されれば国民全員からお金を吸収しますので、その分お金の価値が上がることになります。とてもインパクトが大きいです。

逆に減税かもしくは廃止されれば、今までよりお金が増えることになりますのでインフレになるというわけです。

税金はお金を徴収されるほうですが、年金など給付されるお金が増えることでもお金の価値は変化します。

減らされることの多い年金の受給額が、もし増えることになればこれも手元のお金が増えることになるのでこれまたインフレになります。

インフレは、みんながどのくらいお金を持っているかで決まるものなのです。

モノとお金の価値のバランス

普段、皆さんが目にしている価格はパターン1とパターン2の合成値になります。

モノを買うというのはお金とモノの交換ですので、それぞれが今どのくらいの価値があるかによって値段が決まります。お金とモノ、それぞれの価値の比較で値段が決まるのです。

野菜が豊作でも、インフレ(みんながお金を持っている)だと、見た目の値段は変わらないかもしれません。野菜の価値は下がっているのですが、同時にお金の価値も下がっているため、見た目上値段が変わらないのです。実際には野菜の値動きのほうが大きいので、こういったことが起こることはないでしょうが。

もし、今後、モノの値段が上がることがあったなら、パターン1かパターン2のどちらによるものか、わけて考えるとインフレかどうか判断できるでしょう。

消費税増税が不要なただ一つの理由

本当に消費増税は必要か?

消費税はできることなら上げてほしくないものです。でも、将来的に社会保障などが成り立たなくなるとすれば致し方ない、と考える人がほとんどではないでしょうか。

問題は本当に“将来的に問題がないのか、それともこのままいけば本当に立ち行かなくなるのかがよくわからない”というところだと思います。そうです、よくわからないのです。

テレビで見たことのあるコメンテーターが「消費税増税は必要です」と言っていると、「ああ、そうかも」となりがちですが、それはコメンテーターの意見であって、本当に必要かどうかはわかりません。

おそらく、このブログを見ている方で日本年金機構のサイトを訪れて、財務状況を確認したことのある人はほとんでいないのではないかと思います。あるいは、現在の消費税の使われ方を財務省の資料等で追いかけて調べた人もいないでしょう。

財政赤字は1200兆円をこえていて、新聞などでは消費税増税は待ったなしといった報道もあり、消費税増税はしょうがないと思っている人も多いと思います。

しかしまってください。

新聞が必ずしも正しいと限らないし、実際に自分の目で社会保障関連のデータを見たわけでもないのに不安になって消費税増税を受け入れてしまったり、あるいはむやみに消費税増税に反対していいのでしょうか。増税するにしても減税するにしても何かしらの根拠をもって決めたいですよね。それは新聞やテレビで言っていたからというものではありません。

結論から言うと日本の物価上昇率が低いから消費税増税は必要ない、ということになります。なんだそれは?と思われたでしょう。順番に説明していきますので興味のある方はそのままお読みください。

これから、少々頭の体操をしていただきます。落ち着いて考えればわかる話ですので、心配されなくて大丈夫です。

お金の本質がポイント

消費税や社会保障費、財政赤字などすべてお金の話です。

消費税が本当に必要かどうかはお金の本質と関係があります。お金とはなんでしょうか?また、お金は紙やアルミ、銅、ニッケルで出来ているのに、なぜ価値があるのでしょうか?

紙幣は日本銀行が発行しています。日本銀行は政府が55%の株式を持っていて、政府の子会社です。また、普通の株式会社は株主総会によって社長が決まりますが、日銀総裁は政府の人事案をもとに衆参両議会の同意を得て任命されています。なので、日本銀行が発行しているとはいっても、実質的には国が管理しているわけです。

日銀が通貨を発行するのはわかりましたが、なぜ価値があるのかはまだ不明です。一説によるとみんながお金に価値があると思っているから価値があるというものがあります。しかし、これだとなぜみんなが価値があると思っているのかが不明です。どうやってみんなに価値があると思い込ませたのでしょうか?

あるいは、日本政府が保証しているからというのものもあります。これは半分当たりなのですが十分ではありません。答えは・・

日本政府がお金で税金を納めることを保証しているから。というものになります。

税金をお金で納めるのは当たり前じゃないかと思われたかもしれません。

しかし、江戸時代の年貢はお米でしたし、もっと前は地域の特産品を納めたりもしていました。確定申告で税務署にお米を持ち込んでも受け取ってはくれないでしょう。ここからが頭の体操の部分になります。

お金に価値があるから税金をとるのではなくて、お金でしか税金を受け取らないことでお金に価値が発生します。

混乱してきましたか?

頭の体操ですので、よく考えてみましょう。

どういうことか年貢のお米を例に考えてみます。

江戸時代は農民はお米で年貢を納めていました。武士はその年貢米を給料としてもらっていたわけですが、コメというのは持ち運びが悪くて不便です。農民にしても、大八車に俵を山盛りにして奉行所まで運び入れるわけですら、大変な負担のはずです。そこで、幕府はコメ引換券を発行して、給料として武士に渡したとします。武士は米引換券を農民に渡して米をもらいます。

農民には、あらかじめ年貢はコメ引換券で納めるようにお触れを出しておけば、武士が来た時もすぐにお米を渡してくれるはずです。コメ引換券を使うことで、武士や農民が重いお米を運ぶ負担が減ります。それと同時にコメ引換券はいろんな取引にも使用されるようになります。年貢を納めるときに必要になるものですから、多くの人が欲しがるようになるわけです。コメ引換券がお金になります。

これが日本政府がお金で税金を納めることを保証しているということです。

江戸幕府が本当にコメ引換券を発行したわけではありませんが、お金の仕組みを説明するためのたとえ話だと思ってください。

日銀(政府)が発行したお金を、自らが税金として引き取ることによってお金に価値が生まれます。

もし、明日から税金は米で納めるようになったら、お金は紙くず(硬貨は金属片)になるでしょう。

それはそうです。政府が税金はお金で納めることを保証していたにもかかわらず、いきなり米に変えられてしまったら納税に使えなくなるわけですから。

お金を作り出せる政府がお金に困ることはありません。

税収が足りないからと言って、増税をする必要はないのです。なぜなら、お金を作って使えばいいわけですから。

そんな都合のいい話があるわけがないと思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、今までの話の中でお金は政府が作り出せるというのはご理解いただけたと思います。

消費税が不要な理由

もちろん、お金を作り出すにしても限界はあります。

例えば、コメ引換券を発行しすぎて、農民が引き換えに応じなくなっている場合などです。

年貢用の引換券は十分に持っていて、残りの米は自分たちで食べようと思っていれば引換には応じないはずです。

ただし、今までよりも多めに引換券をくれれば考える農民もいるでしょう。

これがインフレです。お金を発行しすぎると価値が目減りしてしまうので、物価の上昇招くのです。

毎年とれる米にも限りがありますので、コメ引換券をむやみに発行するとコメ引換券自体の価値が下がります。

つまり、お金を発行するときに注意しないといけないのは物価の上昇率なのです。

この世に魔法の杖はないということですね。そんな都合のいい話があるわけがないと思った方の直感は正しいのです。

ただ、今の日本の物価上昇率は1%もありませんし、もしかしたらデフレになるかもしれないという予想もあります。

なので、社会保障などの予算が足りなければ、増税ではなく、お金を発行して使うことが望ましいです。

消費税増税が不要なただ一つの理由は、日本の物価上昇率が低いから

ということになります。

ところで、さっきのコメ引換券を発行しすぎてインフレになった場合はどうしたらいいでしょうか?

鋭い方はもうおわかりだと思いますが、2つの解決方法があります。

一つは発行を抑制することで、もう一つは税金をあげることです。

ふたつ同時に行えば効果的にインフレを抑制することができますね。