グローバル化の問題点

2017年9月28日 マクロ経済, 海外

 

モノ、人、金の移動

盛んにグローバル化ということが言われています。貿易を自由に行い世界を相手に企業がビジネスを展開するようなイメージは、誰しもがもつことでしょう。

グローバル化というのは国境を越えて人、物、お金(資本)が自由に行き来することを言います。

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変な言い方ですが、日本の国内は完全にグローバル化されています。県境を越える関所もありませんし、東北の人が東京で就職するのも自由です。

これが江戸時代のように関所があって、いちいち「お伊勢参りに参ります」などと役人に申告しなければならないとしたら面倒くさい限りです。観光産業は大打撃でしょう。

グローバル化されたユーロ

ユーロは2000年から人、物、お金の移動が自由になりました。ユーロに加盟している国同士であれば、パスポートなしで行き来ができます。

共通の通貨にすることで、ドイツからフランスに自転車で買物に行って、戻ってくることも可能になりました。ユーログローバリズムということができるでしょう。

日本なら隣の県に買物に行くくらいの気楽さです。このように規制をなくすことで経済が効率的になります。ヨーロッパを観光するのに、昔だったらマルクやフランといった、それぞれの国の通貨にお金を交換しながら旅をしていましたが、ユーロになってからはそういった手間がなくなりました。

観光を主な産業にしていたギリシャは、共通通貨のユーロは大変魅力的でした。パスポートもいらずお金の交換もなしに旅行に行けるとなれば、イタリアに来たついでにちょっとギリシャまで足をのばそうか、と考える旅行客が増えたとしても不思議はありません。

ただし、ユーロ加盟には条件があり、財政赤字がGDPの60%以下で毎年の赤字は3%以下である必要があったのです。この基準を満たせなかったギリシャは財政赤字などの情報を粉飾したことが問題になりました。

国境が県境になる

人の行き来が自由で物の行き来も自由となれば、経済的にはほとんど国内と同様になります。フランス人がドイツのスーパーに行ってイタリアのビールを買う、というような光景も当たり前になります。これは商売をする上では画期的といえます。

ただし、問題がないわけではありません。日本国内は完全にグローバル化されていて、福岡から佐賀に行くのにパスポートはいりませんし、関税もありません。なので、佐賀の人は休みになると福岡市内に買物に出て行きます。自ずと佐賀県の経済は潤わず税収も低くなります。これが東京や大阪だともっと顕著になります。

地域を越えて自由に商売ができるようになると、地域間での経済発展に偏りを生じさせます。経済が潤わない地方都市は財政が苦しいところがほとんどです。

再分配の問題

佐賀の場合は平成26年度の予算のうち、48%が地方交付税と国庫支出金で国からのお金になります。ほぼ半分は国からお金をもらっているわけです。

一方、東京は国からお金はもらっていません。東京は経済が活発で十分な税収があるために、国の助けは必要ないのです。

多くの地方自治体は国からの援助で行政サービスをまかなっています。もし、国からの援助がなければ地方は立ち行かないでしょう。

実は佐賀と同じ問題を抱えているのがギリシャです。ユーロの中でギリシャは経済的に他の国に比べて押されています。ギリシャには観光と海運くらいしか輸出できるような産業がありません。いわばユーロの中のパッとしない地方都市なのです。

日本国内であれば地方交付税や国庫支出金などでカバーしてもらえますが、外国であるドイツやフランスからお金をもらうことはなかなか難しいでしょう。なぜなら、違う国民だからです。

政治と経済の一体性

同一国内であれば、地方交付税といった再分配をしてもらえるとこを、ギリシャはお金を借りることで凌いできました。

本来、共通通貨やグローバリズムといったことは、同じくらいの経済力同士でないとなかなかうまくいきません。 一方的に商売を展開されると税収などに偏りが出てしまうからです。

日本国内であれば同じ国民だから助けてもらえますが、ドイツ人はギリシャにお金をあげることに猛反対するでしょう。

グローバル化は経済が一体化することです。しかし、そこには政治的な一体性がなければ持続できません。

自由に経済活動するグローバル化は、お金持ちと貧しい人、お金のある自治体と無い自治体といった、偏りを生じさせます。経済を持続させるには偏りを是正する仕組みが必要で、日本国内では地方交付金や国庫支出金がそれでした。

経済効率を考えるならグローバリズムはベストな選択ですが、国境を越えてお互い助けあう精神がなければ、貧富の格差を生み出すシステムになってしまうのです。

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