国債は暴落するか?

2017年10月8日 マクロ経済, 国内, 社会

国債とは

国債が暴落するという本が本屋さんにあり、心配している方もいらっしゃるかと思います。結論から言えばファンタジークラスのことが起こらなければ、理屈からいって起こることはありません。理屈を説明する前に国債について少し触れておきたいと思います。

国債というのは、政府がお金を借りるときの借用証書です。政府は税収で行政を行っていますが、足りない部分は国債を発行してお金を借りています。平成29年度の一般会計では73兆円の支出のうち、10兆円が国債で補填されました。

国債は主に銀行や生命保険といった金融機関が購入しています。購入すると言ってもお金を政府に貸しているということです。金融機関が国債を買うときのお金は私たちの預貯金や保険の掛金です。

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預貯金や保険料は利子をつけて返さないといけないので、銀行や生保にとっては負債になります。利子をつけて返すには住宅ローンや企業向け融資といったもので、金利を稼ぐ必要がありますが、適当な貸出先が見当たらない場合、銀行や生保は国債で運用します。

本来なら3、4%くらいで企業などに貸したいところですが、デフレの経済環境の中で借りてくれるところが無いために、国債を買わざるを得ないというのが現状です。個人や企業に貸すと返ってこなくなる可能性もあるのですが、政府はほぼそういった心配がありません。

国債は誰が持っているのか

以上のような理由で、銀行や生命保険は国債を持たざるを得ない状況にあるということを踏まえて下の図をご覧ください。

財務省HPより

これは今までに発行された国債を誰が持っているかの内訳です(2017年6月末)。1084兆円のうち436兆円を日銀が保有しています。以前はこんなに大量に国債は保有していませんでしたが、アベノミクスの第一の矢である金融緩和でお金を市場に流したために大量の国債を保有することになりました。

国債が暴落するとしたら、誰かが投げ売りをしてくると考えられますが、日銀が投げ売りをしてくることはまずないでしょう。日銀が政府に反旗をひるがえして投げ売りにでるのは、九州が日本から独立するくらいの確立です。

二番目に多いのが国内の金融機関です。投げ売りたくても投げうる理由がありません。政府が貸し倒れになる可能性は低く、他に適当な預貯金の運用先もなければ売る理由がないからです。その次に多いのが公的年金と年金基金が77兆円持っています。公的年金が国債を投げ売りすることも、ちょっと考えられません。

あとは海外が117兆円分もっていますが、これはどうでしょうか?もしかしたら投げ売りを仕掛けてくるかもしれません。

国債が投げ売りにあったら

可能性は低いですが、万が一海外が投げ売りをしてくれば、国内金融機関が我先に買うでしょう。日本国内に出回っている国債は不足気味ですので、銀行や生保が喜んで買う可能性大です。

もし、それでも足りなければ政府が日銀に買わせることも可能です。すでに436兆円もっていますが、あと117兆を買い取ることは不可能ではありません。買い取る時のお金の出所は税金ではありません。日銀が新たに発行したお金です。その意味では制限なく素早くに買い取ることも可能です。

安倍政権は量的緩和を行っており、日銀が金融機関から国債を大量に買っています。年間80兆円ペースで国債を買い集めており、海外の保有者が全部売ったとしても、日銀が一年ちょっとで買い取れる金額です。日銀が量的緩和で国債を買っているので、国内は国債不足にすらなりつつあります。

また、仮に外国人が国債を売ったとしても、売って手に入れたお金はどこにいくのでしょうか?両替してドルにするかもしれません。両替をして円を受け取ったであろう金融機関は、両替した円をどこかに貸出すなり使うなりする必要があります。

タンス預金でもすれば別ですが、兆単位のお金は口座に入れて管理するはずです。銀行に預けるのであれば再び国債の原資になります。銀行に預けられたお金は運用難で国債を買うからです。国債を売ったお金は巡り巡って国債に向かうのです。

というわけで、日本円はどうあがいても再び国債を買う運命にあるということが言えます。銀行の口座に入るということは、そのまま国債購入に充てられるからです。

保有者の構成や保有している理由を考えると、投げ売りにあうというシナリオは、極めて起こりにくいということが言えそうです。

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