年金の財源問題。年金カット法案は必要か?

2016年11月28日 国内

安部政権は国会を延長して年金改正法案を強制的に通そうとしているようです。

現行では物価が上がれば年金も上がるマクロ経済スライド制になっていますが、今回の改正は物価が上昇しても賃金が上がらなければ,賃金に合わせて据え置くようにするものです。民進党の試算では国民年金が年額で4万円、厚生年金が14万円の削減になるとのことで野党は批判をしています。

 

厚生年金は平均月額147,000円、国民年金のみの月額は平均で54,000円程度であり、いま現在でも年金だけで生活できる水準にはありません。年金の財源が足りなくなるという不安を抱えている人も多いかと思いますが、本当に年金運営は厳しいのでしょうか?

年金の構造65歳以上の高齢者は3000万人を超えており、現役世代は6500万人です。そのことからお年寄り一人を二人の現役世代が支えていると言われています。

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国民年金の保険料は月に16,260円ですので、二人で支えるとすると32,520円にしかなりません。実は国が1/2負担していて、それで満額の65008円を支給しています。つまり、

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このようなイメージです。平成21年3月までは国庫からの支出は1/3でした。高齢化に伴い、現役世代の負担が大きくなることから、1/2へ引き上げられました。

政府が1/2負担するにしても、その分税金で支払うなら保険料を上げるのと同じことです。2050年には1人が1人を支えることになるので、政府支出は1/2からさらに増えることが考えられます。政府が負担するにも財源が問題になってきます。

財源をどうするか?28年度予定の流れをざっくり見ると、以下のようなものになるようです。145兆円積立があり、損失が問題になったGPIFが運用しています。
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100年安心を謳っている制度ですが、株で失敗などしていれば145兆はすぐになくなりそうです。また、保険料だけで不足するときは、徐々に切り崩して使います。若い人に限らずこれから受給する人でも少し不安があるかもしれません。

埋蔵金でもあればいいのですが、 実はあるのです。

埋蔵金はどこにあるのか?毎年1月から予算編成が始まり、一年のお金の使い道が決まります。これを一般会計といいます。それとは別に特別会計という用途を限定した会計があり、その中外国為替資金特別会計というものがあります。略して外為特会といいます。

外為特会には2016年10月末現在で1,242,792百万ドルの残高があり、日本円で140兆円ほどになります。今の所使う予定もそれほどなく、眠っている状態です。このお金を使おうというわけではありません。

そもそも、なぜこれほどまでの大金が眠っているのか?

というところに着目していただきたいのです。
もともと、円高が進行したときに、財務省が為替介入を行った名残です。為替が円高になると輸出企業の収益が悪化するので、円をドルに交換する市場介入をおこないます。

政府は政府短期債権を発行して、日銀から資金を得ます。これは税金ではなく、日銀が新たに発行したお金です。為替介入によって円安に誘導することで、政府の手元にはドルが残ります。これがさきほどの1,242,792百万ドルです。

ドルのままではなく、アメリカ国債を買って保有しているため、毎年2兆円前後の金利収入もあります。

つまり、この外為特会は通過発行によって、140兆円もの資金を保有していることになります。コツコツ税金を貯めたお金ではありません

隠さず外為特会のお金を使え、という議論もありますが、そんなことをしなくても通過発行して使えば済む話です。これが埋蔵量です。

お金はもともと人が作り出したものです。年金の支払いにも節度をもって使用すれば、新しく通貨発行することに何の問題ありません。

節度と言うのは物価上昇率です。一気に巨額の支出をすると、強いインフレになりますので、様子を見ながらということになります。通貨発行は物価の上昇を伴いますので、うまく支出すればデフレ脱却にも繋がると考えられます。

お金を発行して使うなど、とんでも無いことだと思われるかもしれません。このブログには他にもなぜお金に価値があるのかを説明した記事もありますので、一度落ちついてゆっくり考えてみられることをおすすめします。

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