待っていても、ビットコインは法定通貨に代わることはないという事実

ビットコインはお金に代わることはない

巷を騒がせている仮想通貨ですが、いつかビットコインがドルや円にとって変わると思っている方もいらっしゃるようです。断言しますが、ビットコインが法定通貨の地位を奪うことはありません。なぜなら、ビットコインでは納税できないためです。

税金がお金を作る

お金は税金として徴収されることによって、お金になります。一般的にはお金に価値があるので、そこに目をつけた政府が税金をとると考えられています。でも、本当は政府が税金をとることによって、お金に価値がでているのです。皆さんが思っているのとは逆なのです。逆、逆!

本来なら、国家は個人に強制的に労働させたり、年貢として米を納めさせたりするのですが、その代わりにお金を納めることでその義務から解放しています。通貨の本質は義務からの解放にあります。

紙幣を発行しているのは日銀です。日銀は日銀法によって、国が管理する許認可法人です。日銀総裁は内閣が指名して国会で承認され、日銀の株は過半数を政府がもっています。金融の独立性とはいいつつも、手綱はしっかりと政府が握っています。つまり、日銀が通貨を発行しているものの、事実上は政府が発行しているのと同じことなのです。政府の出張所のようなものですね。

政府が発行した紙切れを、税金として納めさせることによって、お金としての価値を担保しているということになります。図書カードと書店の関係のようなもので、発行したところが価値を保証する仕組みです。通貨は政府が発行して、税金として徴収することを保証しています。もし、ビットコインが法定通貨にとって代わるとしたら、この通貨発行と徴税のループに入る必要があります。ドルでの納税すら日本では認められていないので、ビットコインでの納税は考えにくいでしょう。

評価基準はあくまで法定通貨

ビットコインの価値は円換算して評価されます。あくまで、法定通貨を基準に価値を評価しています。今後、ビットコインが円による評価をされなくなって、単独で存在するようになるなら通貨になるかもしれません。

ただ、金ですら円に換算して評価をされるわけですから、そもそもビットコイン自体が絶対的価値基準にはなり得ないのです。

自治体による仮想通貨

仮想通貨はお金になり得ないという話をしましたが、もし、仮想通貨で通貨発行と徴税を行うなら普通にお金になります。

私が密かに夢想しているのが、自治体による仮想通貨の発行です。地域通貨としてなら本物のお金になり得ると考えています。これは仮想通貨に限らず、普通の紙のお金でも一緒です。

住民税や軽自動車税などを仮想通貨で徴収するようにすれば、仮想通貨に対する需要が発生しますので地域内で流通するようになります。

自治体が通貨発行権を持つこと自体、中央政府は認めようとはしないかもしれませんが、昨今の財源委譲や道州制の議論とセットでやれば面白いかもしれません。

これなら地方が独自に財源を確保できますので、色々と思いきったことができるようになるかもしれません。

問題はインフレにならないように、発行量をコントロールしないといけないところです。ビットコインは発行数量にあらかじめ上限が設定されています。新たに仮想通貨を作るなら、この上限を自治体が管理するようになるのかもしれません。

ビットコインを他のものに例えると?

ビットコインは郵便為替のようなもの

最近ビットコインという言葉を耳にすることが多くなってきました。ビットコインというのはインターネット上で使用される仮想的な通貨です。

しかし、ビットコインがどういうものであるかというのは、なかなか理解が難しいところです。ビットコインを他のモノに例えるなら郵便為替のようなものと言えるでしょう。

郵便では現金は送れないので、通常は現金書留か為替にして送ります。窓口で送金するお金と手数料を払うと、為替の証書をもらえるのでそれを郵送します。受け取った人は再び窓口で現金に替えるわけです。

ビットコインもこれと全く同じような使い方をします。現金をビットコインに交換して相手に送ると、受け取った人は再び現金に交換します。ビットコインは決済手段の一つと言われるのは、このような利用の仕方をするためです。

郵便為替との違いは世界中どこにでも送金できるのと、10分ほどで送金完了できる早さです。他にもいろいろと送金手段はありますが、手数料が安く利用できるということと、個人情報などを必要としないことも特徴となっています。

安く早くお手軽に送金ができるため、主にネットショッピングやオークションといった商取引でひろく利用されています。

郵便為替は半年以内に窓口で現金に交換する必要がありますが、ビットコインに現金への交換期限はありません。そのため、ビットコインのまま保持し続けて、次の取引のときに使う場合もあります。そうするとビットコインは一種のお金のような性質をもつことになります。

ビットコインの正体は数字のやりとり

ビットコインというのはコンピュータの中の数字にすぎません。ネットワークを通じて田中さんから鈴木さんにコンピュータ上の数字を送ったというだけで、本来、経済とは関係のないの単なる数のやりとりです。ただ、郵便為替のように信頼性が高いために、送金手段として使われているわけです。

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これは実際の私のビットコインの口座番号(のようなもの)になります。このアドレスを指定すれば私にビットコインを送ることができます。郵便為替でいうところの住所氏名にあたります。このアドレスだけでは私がどこの誰かということはわかりません。ビットコインは個人情報を必要としないのです。

ちなみに上のアドレスは本物ですので、本当にビットコインを送ってもらってもかまいません(笑)。

送金するということ

少し送金するということを考えてみたいと思います。

A銀行からB銀行に1万円を送金したとします。A銀行の残高を1万円減らすと同時に、B銀行の残高を1万円ふやす操作をします。このような操作をすることで「送った」ように見えるわけです。

完全に電子的な操作なので、本当に何かを送ったわけではありません。また、電子的なものなので、間違えると証拠がありません。A銀行の口座を1万円減らしたのに、停電などのトラブルでB銀行の口座を増やさなかったら、1万円がこの世から消えてしまいます。

実際にこのようなことが起きることはまず考えられませんが、技術的な話としてはあり得るわけです。金融システムは一方を減らして一方を増やすといった、矛盾が無い状態を保つことが重要になります。ビットコインはこの仕組みが、とても優秀なのです。

つまり、送ったコインが消えてしまったり、送られてもいないコインを不正に受け取ったりすることが、できない仕組みになっています。

ビットコインの仕組み

ビットコインのキモは台帳の管理の仕方にあります。銀行の口座残高は銀行のシステムで一か所で厳重に管理されていますが、ビットコインの残高はビットコイン参加者全員が同じ台帳を持っています。

これは逆転の発想で、全員が同じ台帳をもっていればもし一人が不正を行ったとしても、他の人の台帳とちがえばすぐにばれるという考え方です。世界中で何億という人がビットコインに参加していますので、一遍にそれらの人たちの台帳を改ざんしなければ不正はできません。

全員で監視するほうが、ある意味、銀行のシステムのように一か所で管理するよりリスクが低いとも言えます。また、個人情報は一切必要としないため、口座残高や口座間のコインの動きはわかっても、それがどこの誰のものかはわからないようになっています。

ビットコインを送信するということ

ビットコインは分散された台帳に記録されています。ビットコインを1枚、AさんからBさんに送信したら、すべての台帳の残高を変更しなければなりません。その台帳を更新する役割を買って出ているのが、マイナーと呼ばれる人たちです。

マイナーになって台帳更新の作業を行うとビットコインが手数料としてもらえます。台帳更新専用のソフトをダウンロードすれば、だれでもマイナーになれます。ビットコインを求めて、世界中に不特定多数のマイナーがいます。

作業といっても、ソフトを立ち上げればあとは自動で動いてくれますので、人が何かをやるわけではありません。例えばMinerGateというソフトはそのひとつです。

緑になっているところがマイニング(台帳の更新作業)をおこなっている部分になります。あとは、パソコンの電源を落とさずに放置しておけばビットコインがもらえるというわけです。このソフトはほかにもイーサリアムといった他の仮想通貨のマイニングもできます。

残念なことにビットコインは人気がありますので、実際にマイニングを行ってもパソコンの電気代のほうが高くついて、儲からないというのが現状です。ビットコインのマイニングは日本でなく、電気代の安い中国で企業が高性能コンピューターを導入して大々的に行っているそうです。

まとめ

以上のことからビットコインは郵便為替のようなものといえるわけです。マイナーが郵便局の代わりに送金のシステムを支えています。

仮想通貨というより、仮想為替といったほうがいいかもしれません。お金というより送金するためのツールだからです。