消費税は何に使われるのか?

2018年10月15日の臨時閣議で、安倍総理大臣は来年の10月1日から消費税を8%→10%への引き上げを明言しました。

増税に伴う景気への影響を緩和するために、軽減税率やプレミアム商品券の導入などが検討されているようです。

ただ、問題は増税分を何に使うのかだと思います。本当に必要であれば増税は仕方がないことですし、不要な増税なら反対すべきでしょう。

5%→8%増税分は何に使われたのか

前回、2014年4月に5%→8%に上がりました。

上がった分の3%は社会保障に回すという約束でしたが、それは守られていません。

それまで10兆円そこそこだった消費税の税収は、8%にアップした平成26年度の決算では16.0兆円に増加しています。

それらが社会保障費に使用されたかというと、そうではないのです。

ちなみに社会保障関連費というのは、年金、医療、介護、子育ての4部門から構成されています。

平成25年度平成26年度
消費税による税収10.8兆円16.0兆円
社会保障関連費29.2兆円30.1兆円

増税によって税収は5兆円以上上がっているにもかかわらず、使われた社会保障関係費は1兆円も上がっていません。

社会保障関連費用は少子高齢化に伴い、毎年1兆円ずつ程度は自然に上がっていくと考えられています。

つまり、0.9兆円上がってはいますが、これは必要だから上がったのであり、消費税増税によって社会保障が拡充されたわけではないのです。

では、増税分の4兆円はどこにいったのかというと、借金の抑制に使用されています。

予算を組むときに税金で賄いきれない部分を公債を発行して調達していますが、この公債費抑制に使われました。

平成25年度平成26年度
消費税による税収10.8兆円16.0兆円
公債金収入43.4兆円38.4兆円
社会保障関連費29.2兆円30.1兆円

本来、各種税金が何に使われるのか?というのは決まっているものではありません。

所得税は防衛費に使って、消費税は社会保障に使うというものではないのです。

税金や公債から集めてきたお金を一般会計という一つの財布に入れて、その財布から予算を組むわけですから、どのお金がどの予算に充てられるかはわかりようもありません。

ただ、消費税が増収になって公債費が抑制されていますので、「消費税増税は社会保障につかいます!」ではなく「消費税増税は公債費抑制に使います!」というべきでしょう。

8%→10%は必要か?

2014年の消費税増税は公債費の抑制に使われていることがわかりました。

政府は2025年までにプライマリーバランスを黒字化させると宣言しています。

プライマリーバランスというのは、公債費の借入と返済のバランスのことで、プライマーバランスを黒字化するというのは、借入よりも返済を多くすることです。

返済のほうが多ければ、いずれ借金は解消されます。

5%→8%の増税はプライマリーバランスを黒字化させるためにあったといってもいいでしょう。

ちなみに平成29年度の借入は33.5兆円で、対する返済は22.5兆円でした。

つまり、政府は今後11兆円以上は公債費の圧縮を考えているということになります。

安倍総理大臣は10%にあげることで全世代型社会保障に使用すると言っていますが、8%に上げた時の前科がありますのでおいそれと信じるわけにはいかないでしょう。

債務の返済はするべきではない

国と地方の財政赤字は1200兆を超えていますが、これを減らそうとしたら景気に対する悪影響が起こります。

プライマーバランスを黒字化させるには、最低でも11兆円を増税か歳出削減でひねり出す必要があり、消費税だけでやろうとすれば20%にもなります。

長期的に見れば政府債務というのは、じわじわ右肩上がりに増えていくものです。

1200兆円あるからといって、心配する必要はなく、むしろ増税による消費の低迷のほうが問題になります。

まとめ

8%に上がった時は公債費の抑制に使用されました。

来年の10%への増税も同様に、社会保障に使われる見込みは少ないと思われます。

今後も政府の方針として、公債圧縮することで、不景気が続くことが予想されます。