経済を勉強しても、コレを知らなければまったく意味がないという話。


コレを知らなければ始まらない


経済を勉強する上で、絶対に押さえておくべきポイントがあります。

これを知らなければ、いかに難しい経済理論や金融工学を学んだところで、まったく無意味といってもいいかもしれません。

それは、金利から国民所得が決まるメカニズムでも、株価と債権価格の関係でもありません。

経済の勉強をする上で絶対に知っておかなければならないのは、なぜお金には価値があるのか?ということです。

経済のことを考えるのに、お金のことを知らなければなにも始まりません。

お金に価値がある理由を、既に知っているという方はいらっしゃるでしょうか?

福沢諭吉や野口英世が印刷してあるだけの、ただの紙切れです。
透かしが入っていて、多少デザインが凝ってますが。

  • みんながお金に価値があると思っているから価値がある。
  • 日本政府が価値を保障しているから価値がある。
  • 金と交換できるから価値がある。

よく言われるお金に価値がある理由は、こんなところでしょうか。

100%間違いというわけではありませんが、正解でもありません。答えを言うと・・・

政府がお金で税金を徴収するからです。

私達は普段の生活で様々な税金を払っています。

持家であっても固定資産税は払わなければなりませんし、車を持っていれば毎年自動車税の納付書が届くでしょう。また、年金や健康保険も納めなければなりません。

これらの納税義務は日本円でしか納めることができず、ドルなどの外貨やその他の貴金属などでは受け取ってもらえません。

この悩ましい税金や各種保険こそが、紙切れのお金に最初の需要を生み出します。

払いたくないからといって、固定資産税から逃れることはできるでしょうか?
悪質な脱税は実刑になる場合もあります。

誰しも脱税で逮捕されて刑務所に入りたくないから、お金が必要というわけです。

日産の元会長のカルロスゴーンが支払った保釈金は、10億円だそうです。

よくそんなに持っているなという感想しかでませんが、それだけ払っても外に出たいという気持ちもわかります。保釈金や罰則金にしても、日本円でしか受け付けません。

このように、日本政府が税金や罰則金という形で円に需要を発生させているために、お金に価値が生まれます。

お金に価値があるのは、意外にネガティブな理由なのです。

経済は政府の手の平の上にある


紙幣は日本銀行が発行しています。

銀行の銀行とか、政府の銀行と呼ばれるあの日本銀行です。

日本銀行の株式の55%は日本政府が保有しており、日本銀行の総裁は内閣が人選をして、国会で承認されます。また、日本銀行の運営は日銀法によって決められています。

つまり、日本銀行は株式会社なのですが、ほぼ政府の出先機関なのです。
なので、お金は実質的には政府が発行していると考えていいでしょう。

むしろ、普通の株式会社がお金を発行している方が異様です。

日本銀行(政府)が発行したお金を、政府が税金や各種保険料という形で徴収するというのが、お金の流れの全体像になります。

例えば、政府が発行したお金は公務員給料から始まり、スーパーの売上になり、銀行預金になり、子供のお年玉になり、ゲームソフトの売上などを経て、税金や保険料として再び政府の元に戻ります。

日本は資本主義であり、自由主義経済なのですが、最初と最後はガッチリ政府が握っています。

お金の偽造は罪に問われますし、紙幣を燃やしたりシュレッダーにかけるのも(あまりいないと思いますが)罪に問われます。

お金の誕生と最後を決められるのは、政府だけです。

私達は普段、自由な経済活動を行っているわけですが、大きな視点で見れば政府の手のひらの上にいるようなものです。

お金に価値があるから経済活動が行えるわけで、その価値の源泉は徴税や罰則金などです。

国家権力に裏付けられたお金というのは、まさに国家そのものと言えると思います。

ビットコインが円にとって代わるという議論がありますが、いかに的はずれであるかおわかり頂けると思います。

ビットコインが法定通貨に取って代わるには、日本政府がビットコインでの納税や罰則金の支払いを認める必要があるからです。

お金の価値は常に変化している


お金の価値は一定ではなく、常に変化しています。

一度に大量の政府支出を行えば、インフレになるのはご存知だと思います。
政府支出を増やす以外にも、税金を下げるとインフレになります。

いわゆる物価上昇率というのは、実はお金の価値の変化のことを指しています。
お金の価値が下がればインフレ、上がればデフレです。

みなさんは、税金のない世界に住んでみたいと考えたことは無いでしょうか?

税金や社会保険料の無い世界はみんなの夢だと思いますが、本当に税金を無くしてしまうと強烈なインフレになります。

政府の徴収する税金や各種保険などが、お金の価値の後ろ盾ですので、それが無くなってしまうとお金の価値も失われるからです。

逆に増税したり政府支出を削減したりするとデフレになります。

政府は収支を調整することで、世の中に出回るお金の量を変化させ、物価を安定させるのです。

2019年の現在の日本はデフレです。それは取りも直さず政府支出が少なすぎるか、税金が高すぎることを意味しています。

信用創造について


通貨の発行は政府の特権ですが、それ以外にもお金が作られるケースがあります。
それは誰かがお金を借りたときです。

AさんがBさんから3000万を借りたとします。
Aさんの手元には3000万、Bさんには借用証書が渡ります。

Aさんが3000万円分の買物ができるのはもちろんですが、Bさんも借用証書で3000万円分の買物ができます。

簿記ができる方は分かると思いますが、手形(借用証書)が裏書きして決済に使用できるのと同じです。

借用証書は誰の手に渡ったとしても、Aさんから返してもらえる限り、3000万と同等の価値があると考えられます。この借用証書は、現金に近い性質を持っているということができるでしょう。

借金という形ではありますが、表面的にはお金が増えました。これを信用創造といいます。

AさんBさんそれぞれが3000万円のお金(借用証書)を持つことになりました。

たくさんお金を持っていれば使いたくなるのが人情ですので、信用創造によって購買力が上がれば、物価もあがります。政府支出だけでなく、信用創造もインフレの原因になります。

一般的には信用創造は銀行など金融機関がメインで行っていますが、話を単純にするため個人同士の取引にしています。

政府は経済政策を行う上で、物価を注視しています。政府支出だけでなく、信用創造によっても物価が左右されるからです。

例えば景気が悪くなって、Aさんが借金を返せるか怪しくなったとします。

Bさんは早く返してもらいたいし、他に借金の依頼があったとしても断るでしょう。

そうなると信用創造が停滞して、物価は横ばいか下がることになり、政府は物価の変化によって、景気の悪化を知ることになります。

リーマンショックのような急激な景気変動が起こると、BさんはAさんから無理矢理にでも返済を迫るかも知れません。

借金が返済されてしまえば、見た目上のお金が減ることになります。

これを信用収縮といいます。

こうなると物価は下がり、景気の悪化が鮮明になります。
物価が下がれば、政府はカウンターで政府支出を増やしたり、減税を行うことで物価を上げようとします。

まとめ

お金に価値があるのは、 政府が 税金や保険料、罰則金を徴収することよって、価値があるということにしているためでした。

お金の価値は一定ではなく、政府支出と税金のバランスによって変化します。
また、信用創造も物価上昇率に影響を及ぼします。

政府は景気の動向を知るために物価を(通貨価値)を注視して、その時の経済状態に応じた政策を行います。

お金を理解することは、物価を理解することに繋がります。
物価は経済を考える上で最も重要な概念です。

この一連のメカニズムを知っているだけでも、経済に対する見方が広がると思います。

逆にお金や物価について知らなければ、経済のコアの部分について理解するのは、なかなか難しいでしょう。

せっかくいいところまできていたのに、再デフレ化した日本。

日本が再デフレ化しています。安倍政権の前半はデフレ脱却しかけていましたが、またデフレに逆戻りしてしまいました。

3月8日に内閣府が2018年の10~12月のGDP統計を発表しました。GDP統計は経済成長率がどのくらいあったかという統計ですが、同時に物価の指標であるGDPデフレーターが掲載されています。

経済が1.5倍に成長をしても、物価が1.5倍になってしまっては意味がありません。そのため、GDPには物価の影響を差し引いた、実質GDPを計算しておく必要があります。実質GDPを求めるのに使う物価の指標が、GDPデフレーターというわけです。

こういった政府がだす統計は、見るのが非常にめんどくさいです。あまり簡単に見られると困るのかな?と思ったりします。なので、このブログでは日本が再デフレ化したという証拠を、みなさんと一緒に見に行きたいと思います。こういうことは元となる情報が重要です(最近はあやしい?)。GDP統計は内閣府が発表する統計です。

内閣府のリンク

統計情報・調査結果のリンクをクリックします。



国民経済計算(GDP統計)のリンクをクリックします。



主な時系列データ(PDF形式:594KB)とありますので、ダウンロードしてください。サイズがそこそこありますので、スマホのギガが心配な方はWi-Fiのあるところでダウンロードしてください。



開くと以下のような表紙が出てくると思います。下のページにはびっしりと数字が並んでいますが、全部飛ばしてPDFの一番下(P28)に行くとGDPデフレーターが載っているところがあります。


暦年デフレーターというところがあります。これは2011年の物価を100とした時の物価を表しています。2018年は102.7で前年より下がっています。経済学の定義に従えば、二年連続で物価が下がるとデフレということになります。2016年から二年連続で下がっていますので、はれて再デフレ確定というわけです。



デフレというのは、国民が金欠病になっていることを表しています。お金がなくてモノが買えなければ(消費、投資) 物価が下がります。

物価上昇率を見る場合、いくつかの指標があります。一番ポピュラーなのは消費者物価指数でしょうか。衣食住といった日常生活をするうえで必要なものやサービスの価格を指標化したもので、私たちの生活実感と近い性質をもっています。

ただし、GDPデフレーターと違って国内のすべての財やサービスをカバーしていません。また、エネルギーといった為替に左右される輸入品の影響を受けますので、純粋に需給のバランスからくる物価(景気)を見るのには不向きです。

日本人が金欠病を再発していることが明らかになりました。この状況で安倍政権は消費税増税を行うのでしょうか。3月7日に発表された景気動向指数も悪化しており、これ以上国民を金欠にして何がしたいのか?という怒りがわいてきます。

ここからは個人的な予想ですが、消費税を上げるよ上げるよと言っておきながら、参議院選挙前に「やっぱり中止!」そして衆議院も解散して「中止するから自民党に入れてね!」とやるような気がしてなりません。

いろんな経済失策をやらかしている自民党ですが、それでも一定の支持者がいるのは事実です。国民が現状を肯定してそれでも支持するのなら仕方がないと思います。残念ですが日本が滅びるのをただ見守るしかないでしょう。

再デフレ化確定

2月14日に内閣府から国民経済計算(2018年10月~12月)の速報が発表されました。 2018年が終わったことで、 物価を考えるうえで最も重要と考えるGDPデフレーターも出そろいました。

物価を考える上でポピュラーなのは、消費者物価指数とGDPデフレータです。消費者物価指数は衣食住といった、私たちが生活するうえで直接的に使用するものやサービスに関する物価なので生活実感に近い指標といえます。それに対してGDPデフレーターは、国内で生産されたすべてのモノやサービスをカバーしています。GDPデフレーターは海外製品を除外していますので、日本全体の物価(景気)を知るのに適しており、筆者はGDPデフレーターを重視しています。

さっそく内閣府のHPまで見に行ってみましょう。

内閣府

赤丸の統計情報・調査結果をクリックしてください。

国民経済計算(GDP統計)をクリックします。


少し下のほうに行くと緑で成長率が表示してあるところがあります。黄色の枠の部分に注目していただきたいのですが、実質のほうが名目よりも成長率が高く出ています。これは物価上昇率がマイナスであったためで、2018年はマイナス物価だったことがわかります。

記者公表資料(PDF形式:252KB)とあるリンクをクリックすると、今回の発表に関する概要がPDFで閲覧できます。その中にあるのが下のグラフです。

赤いグラフが暦年のGDPデフレータを示しています。2017年に続いて二年連続でマイナスとなりました。経済学的には二年連続でマイナス物価になることをデフレと定義していますので、今回の発表で日本は再デフレ化したということになります。

デフレはみんなが金欠病にかかっていることの証明です。モノやサービスはあるにもかかわらずお金がないばっかりに支出が減り、結果的に物価が下がりました。店にものが無ければ仕方ありませんが、モノやサービスがあるにも関わらず買えないというのは悲惨です。売る方も商品は余っているわけですから、買ってもらいたいわけです。デフレというのは誰の得にもならないみじめな現象です。

安倍政権はデフレ脱却を掲げて登場したにもかかわらず、6年も政権を担当しておいてデフレ脱却できませんでした。そのうえ消費税増税を行って金欠病を悪化させようとしています。今、日本に必要なのは消費税の減税(廃止)と拡張的な財政支出です。この結果を受けて、それでも自民党を支持するなら、それは日本国民としてどんな結末でも受け入れる覚悟があるということでしょう。これこそ本当の自己責任だと思います。

日銀データの見かた(資金循環統計)

データを見てみよう

国の借金が1200兆円にもなって大変だというニュースをよく目にします。元になるデータというのは日銀が三か月に一回発表する資金循環統計です。経済のことを考えるうえでデータは最も重要なのですが、発表する省庁ごとにバラバラに管理されており、探すのも結構めんどくさかったりします。なので、今回は一緒に見ていきたいと思います。

以下は日銀のサイトです。
http://www.boj.or.jp/

赤丸の統計にマウスを合わせるとメニューが表示されますので、「資金循環」をクリックしてください。

少し下のほうに参考図表というところがありますので、PDFをクリックします。

以下が政府、企業、家計などの金融資産と負債をいくら持っているかを表した図表になります。左下のほうに一般政府 (1,284)とあるのが、いわゆる「国の借金が1200兆円もあって大変だ!」といわれる政府の負債になりす。

参考図表なので細かい数字を並べた文書は他にあると思いますが、私はこれしか見ていません。ざっくりとした規模感覚が重要なので参考図表は便利です。右上の家計 (1,859)は「日本の家計の金融資産1800兆円!すごい!」といわれる根拠となる数字です。下のほうに資産の内訳が書いてあります。ちなみに経済学者や評論家の先生方もこの数字を見て発言しています。

画像では切れて見えませんが、下のほうに海外という項目があります。海外資産は708兆円あり、海外から見た資産というのは日本から見ると負債になります。つまり日本は海外に対して708兆円の金融負債があることになります。一方で資産(海外からみれば負債)は1040兆円あります。差し引き332兆円の金融資産を日本は持っているということがこの図表からわかります。

下のほうに行くと部門別の過不足金というページがあります。これは増えた資産と負債の差額を表しています。例えば一年間で200万円貯金して同時に100万円のローンを組んだとしたら、差し引き100万円の余剰金があったことなります。

②暦年を見ていただきたいのですが、17年の民間非金融法人企業は27.3兆円の余剰金が発生しています。これは2017年1月~12月までに企業全体の資産が負債よりも27.3兆円増えたということです。いわゆる内部留保が増えているというのが、この図からもわかると思います。12年~16年にかけて政府は猛烈な勢いで緊縮しています。2011年に東日本大震災があったことなど眼中にないかのような激しさです。

データは楽しい

このように実際にデータを見ることでわかることが色々ありますので、じっと眺めるだけでも結構楽しかったりします。政府の杜撰なデータ管理が問題になっていますが、これは非常に問題です。たとえ話ですが、手術中に血圧データが正確にわからなかったら患者はどうなるでしょうか。正しいデータからしか正しい政策は生まれませんので、総理大臣以下襟を正す必要があると思います。

消費税は社会保障には使われていないという事実

10月15日の臨時閣議で安倍総理は消費税10%への増税を明言し、落ち込む消費対策としてプレミアム商品券やクレジットカードのポイント還元などを指示しています。

一回上がってしまったら減税しないかぎり10%が続くのに、本気で一時的な商品券やポイントでしのごうとしているのでしょうか。めまいがしてくるようなセンスです。

ただ、多少景気が落ち込んでも、社会保障のためならなら仕方がないという意見もあるようです。しかし、本当に社会保障に使われているのでしょうか。まず、現状の社会保障をおさらいしておきたいと思います。

社会保障の概略

政府には一般会計と特別会計という2つの財布があり、所得税、法人税、消費税などは一般会計へ入って、国民・厚生年金や介護保険などの掛け金は特別会計に入ります。平成28年度の国民・厚生年金の給付総額は51兆円で、うち40兆円が特別会計から支払われ、11兆円が一般会計から補填されました。支払われる年金の8割が保険税として納めた特別会計から支出されており、2割が一般会計から補助的に支出されています。年金に限らず、健康保険、介護、子育てなどの社会保障のメインは特別会計であり、補助的に税金が入っているというのが大雑把なイメージになります。

年金は賦課方式で現役世代が支払った保険税が、右から左にそのまま高齢者に給付されます。このことから税金で補填しなくても、私たちが保険料を納める限り、8割程度の給付水準は維持できるといえます。また、年金は破綻することが懸念されていますが、年金特別会計の残高は29年度末で164.1兆円あり、破綻するどころか逆に過去最高に達しています。平成元年末には73.4兆円だったことから平成時代を通して2.2倍になりました。これは、取り崩すことなく私たちの保険料が積み立てられたのと、運用が株式にシフトしたことで運用益があがったことによるものです。

財務省の詭弁

平成26年に消費税を8%へ増税したときには、税収が5.2兆円ほど増えましたが、社会保障関連費は0.9兆円しか増えていません。

25年度 26年度
消費税 10.8兆円 16.0兆円
社会保障関連費 29.2兆円 30.1兆円

しかし、財務省は消費税増税した分は、全て社会保障に使っていると公式に発表しています。大ウソなんですが、頭の切れる?官僚なので、そのへんの逃げ道は用意されています。それは今まで社会保障費として公債費(借金)によって穴埋めしてきたものを、消費税で賄うようにしたというものです。直接的には公債費を抑えて、足りない分を消費税で肩代わりしたという理屈です。実際に公債費は消費税の税収が増えた分、低く抑えられています。

25年度 26年度
消費税 10.8兆円 16.0兆円
公債費 43.4兆円 38.4兆円
社会保障関連費 29.2兆円 30.1兆円

一般会計には所得税や法人税、消費税がごちゃまぜに入っているので、消費税は社会保障で所得税は防衛費といった考え方はしません。集めた税金を1つの財布に入れているので、消費税を何に使うかなど決めようがないのです。そんなことを言うなら、国会議員の給料のために消費税をあげたと、言って言えなくはありません。今までは借金によって議員報酬を支払ってきたけど、消費税で払うようにする、と言っても理屈は通ります。それを恩着せがましく社会保障に使っているというのですから、悪質なウソといっていいでしょう。

消費税の目的

仮に10%に上がっても、社会保障が純増するわけではないと考えています。公債によって支えられてきたものを消費税に置き換えただけで、実際には公債費の抑制に使われるでしょう。社会保障に使ったという詭弁が使われる可能性が大きいので、注意して見ておく必要があります。現在の政府が全力で目指している方向は、社会保障の充実ではなく、政府債務の削減です。学校にエアコンがつかないのも、生活保護が削減されるのも、災害復旧が進まないのも、全て借金の抑制のためです。

政府は2025年までに借金に頼らない予算編成ができるように目指しています。29年度の決算ベースでみると、あと11兆円ほど支出削減するか税収が上がれば、借金に頼らない財政運営ができます。これを全て消費税で行おうとすれば、15%〜20%にはなるのではないでしょうか。それまでは緊縮財政と増税の猛威が国民を襲い続けるでしょう。

消費税は何に使われるのか?

2018年10月15日の臨時閣議で、安倍総理大臣は来年の10月1日から消費税を8%→10%への引き上げを明言しました。

増税に伴う景気への影響を緩和するために、軽減税率やプレミアム商品券の導入などが検討されているようです。

ただ、問題は増税分を何に使うのかだと思います。本当に必要であれば増税は仕方がないことですし、不要な増税なら反対すべきでしょう。

5%→8%増税分は何に使われたのか

前回、2014年4月に5%→8%に上がりました。

上がった分の3%は社会保障に回すという約束でしたが、それは守られていません。

それまで10兆円そこそこだった消費税の税収は、8%にアップした平成26年度の決算では16.0兆円に増加しています。

それらが社会保障費に使用されたかというと、そうではないのです。

ちなみに社会保障関連費というのは、年金、医療、介護、子育ての4部門から構成されています。

平成25年度平成26年度
消費税による税収10.8兆円16.0兆円
社会保障関連費29.2兆円30.1兆円

増税によって税収は5兆円以上上がっているにもかかわらず、使われた社会保障関係費は1兆円も上がっていません。

社会保障関連費用は少子高齢化に伴い、毎年1兆円ずつ程度は自然に上がっていくと考えられています。

つまり、0.9兆円上がってはいますが、これは必要だから上がったのであり、消費税増税によって社会保障が拡充されたわけではないのです。

では、増税分の4兆円はどこにいったのかというと、借金の抑制に使用されています。

予算を組むときに税金で賄いきれない部分を公債を発行して調達していますが、この公債費抑制に使われました。

平成25年度平成26年度
消費税による税収10.8兆円16.0兆円
公債金収入43.4兆円38.4兆円
社会保障関連費29.2兆円30.1兆円

本来、各種税金が何に使われるのか?というのは決まっているものではありません。

所得税は防衛費に使って、消費税は社会保障に使うというものではないのです。

税金や公債から集めてきたお金を一般会計という一つの財布に入れて、その財布から予算を組むわけですから、どのお金がどの予算に充てられるかはわかりようもありません。

ただ、消費税が増収になって公債費が抑制されていますので、「消費税増税は社会保障につかいます!」ではなく「消費税増税は公債費抑制に使います!」というべきでしょう。

8%→10%は必要か?

2014年の消費税増税は公債費の抑制に使われていることがわかりました。

政府は2025年までにプライマリーバランスを黒字化させると宣言しています。

プライマリーバランスというのは、公債費の借入と返済のバランスのことで、プライマーバランスを黒字化するというのは、借入よりも返済を多くすることです。

返済のほうが多ければ、いずれ借金は解消されます。

5%→8%の増税はプライマリーバランスを黒字化させるためにあったといってもいいでしょう。

ちなみに平成29年度の借入は33.5兆円で、対する返済は22.5兆円でした。

つまり、政府は今後11兆円以上は公債費の圧縮を考えているということになります。

安倍総理大臣は10%にあげることで全世代型社会保障に使用すると言っていますが、8%に上げた時の前科がありますのでおいそれと信じるわけにはいかないでしょう。

債務の返済はするべきではない

国と地方の財政赤字は1200兆を超えていますが、これを減らそうとしたら景気に対する悪影響が起こります。

プライマーバランスを黒字化させるには、最低でも11兆円を増税か歳出削減でひねり出す必要があり、消費税だけでやろうとすれば20%にもなります。

長期的に見れば政府債務というのは、じわじわ右肩上がりに増えていくものです。

1200兆円あるからといって、心配する必要はなく、むしろ増税による消費の低迷のほうが問題になります。

まとめ

8%に上がった時は公債費の抑制に使用されました。

来年の10%への増税も同様に、社会保障に使われる見込みは少ないと思われます。

今後も政府の方針として、公債圧縮することで、不景気が続くことが予想されます。

待っていても、ビットコインは法定通貨に代わることはないという事実

ビットコインはお金に代わることはない

巷を騒がせている仮想通貨ですが、いつかビットコインがドルや円にとって変わると思っている方もいらっしゃるようです。断言しますが、ビットコインが法定通貨の地位を奪うことはありません。なぜなら、ビットコインでは納税できないためです。

税金がお金を作る

お金は税金として徴収されることによって、お金になります。一般的にはお金に価値があるので、そこに目をつけた政府が税金をとると考えられています。でも、本当は政府が税金をとることによって、お金に価値がでているのです。皆さんが思っているのとは逆なのです。逆、逆!

本来なら、国家は個人に強制的に労働させたり、年貢として米を納めさせたりするのですが、その代わりにお金を納めることでその義務から解放しています。通貨の本質は義務からの解放にあります。

紙幣を発行しているのは日銀です。日銀は日銀法によって、国が管理する許認可法人です。日銀総裁は内閣が指名して国会で承認され、日銀の株は過半数を政府がもっています。金融の独立性とはいいつつも、手綱はしっかりと政府が握っています。つまり、日銀が通貨を発行しているものの、事実上は政府が発行しているのと同じことなのです。政府の出張所のようなものですね。

政府が発行した紙切れを、税金として納めさせることによって、お金としての価値を担保しているということになります。図書カードと書店の関係のようなもので、発行したところが価値を保証する仕組みです。通貨は政府が発行して、税金として徴収することを保証しています。もし、ビットコインが法定通貨にとって代わるとしたら、この通貨発行と徴税のループに入る必要があります。ドルでの納税すら日本では認められていないので、ビットコインでの納税は考えにくいでしょう。

評価基準はあくまで法定通貨

ビットコインの価値は円換算して評価されます。あくまで、法定通貨を基準に価値を評価しています。今後、ビットコインが円による評価をされなくなって、単独で存在するようになるなら通貨になるかもしれません。

ただ、金ですら円に換算して評価をされるわけですから、そもそもビットコイン自体が絶対的価値基準にはなり得ないのです。

自治体による仮想通貨

仮想通貨はお金になり得ないという話をしましたが、もし、仮想通貨で通貨発行と徴税を行うなら普通にお金になります。

私が密かに夢想しているのが、自治体による仮想通貨の発行です。地域通貨としてなら本物のお金になり得ると考えています。これは仮想通貨に限らず、普通の紙のお金でも一緒です。

住民税や軽自動車税などを仮想通貨で徴収するようにすれば、仮想通貨に対する需要が発生しますので地域内で流通するようになります。

自治体が通貨発行権を持つこと自体、中央政府は認めようとはしないかもしれませんが、昨今の財源委譲や道州制の議論とセットでやれば面白いかもしれません。

これなら地方が独自に財源を確保できますので、色々と思いきったことができるようになるかもしれません。

問題はインフレにならないように、発行量をコントロールしないといけないところです。ビットコインは発行数量にあらかじめ上限が設定されています。新たに仮想通貨を作るなら、この上限を自治体が管理するようになるのかもしれません。

老後が不安でも、財政再建はやってはいけない

選挙が終わるやいなや、たばこ税の増税や所得税控除の引き下げのニュースが出てきています。また、自民党の公約である、2019年の消費増税による教育無償化などが現実のものとなってきました。テレビや新聞では、財政再建待ったなしの論調で溢れています。政府の財政赤字が地方を合わせて1200兆円を超えているわけですから、通常の感覚なら、少しでも減らすべきだと考えることでしょう。

税収は毎年50兆円そこそこですから、そこからやりくりして10兆円ずつ返したとしても120年はかかるわけです。また、その間には利子も発生するので、実際に返済する額はもっと多くなります。消費税を上げてでも借金を返済すべき、という論が出てくるのも仕方ないと思います。

でも、実はこれって返す必要がない借金なのです。一般的に借金というと必ず返すもの、という思い込みがあります。それはあくまで個人の話であって、企業や政府には当てはまりません。

返さなくていい借金

借金は返すものという思い込みが誰しもあります。私もそうでした。でも、これは個人の場合限定なのです。お金を貸す人の立場になって考えるとわかりますが、貸す側の人は利子を稼ぐために貸すわけです。利子がもらい続けられれば、いつまででも借りてもらいたいし、もし返済されたら新たな借り手を探すでしょう。

もちろん、必要になったときはかえしてもらうわけですが、いつでもすぐに返してもらえるなら、貸しっぱなしでも困ることはありません。

個人に貸す場合は寿命がありますので、死ぬまでに返せる額ということになります。もし、不死身の人がいれば、サラリーマンでも10億くらい借りられるのではないでしょうか。

これが企業や政府になると、ある意味不死身となり、特に政府は永続性が顕著ですので、途方もない額の借り入れも可能になります。もちろん、個々の借金には期限があり、返済は行われますが、返済するお金も借金によって行われます。なので、表面上はいつまでたっても、借金の総額は減らないのです。これは個人なら多重債務になって、即破産への道のりです。

企業は成長するにつれて、借金が多くなる傾向があります。トヨタ自動車は創業以来借金が増え続けて、現在では19兆円の借金があります。政府や大企業の負債というのは増えることはあっても、減ることはまれなのです。

外国との比較

安部政権はプライマリーバランスの黒字化を2020年に予定していました。つまり、支出と収入のバランスを黒字化して、借金返済を始めるのが2020年ということです。

下のグラフは日本の財政赤字を示しています。


世界経済のネタ帳さんからお借りしました。

キレイに借金が膨らんでいます。予定では2020年からこのグラフが右肩下がりになるということです。ここで少し他の国と比較してみたいと思います。G20の先進国と比べてみましょう。ざっと眺めるだけで結構です。



















すべて世界経済のネタ帳さんからお借りしました。世界経済のネタ帳さん最高!

あれ?と思いませんか?サウジアラビアを除いてほぼ全て右肩上がりになっています。これは、G20が特殊なのではなく、世界中の国のほとんどで、財政赤字は増えているのです。

世界的に見ると、財政赤字は増えるのが普通であり、減っているところは例外といえるでしょう。歴史的にも建国以来、財政赤字が減っている国はほとんどありません。

安倍さんはこれを2020年から右肩下がりにしようとしているわけですから、どれほど異様なことかご理解いただけるのではないでしょうか。

社会保障費はどこからでるか

今後、長期的な社会保障はどのように負担されるべきでしょうか?

これは、結論からいうと公債、つまり借金によって捻出されるというのが答えになります。G20の政府債務残高からもわかるように、多くの国が公債によって行政を維持しています。

これを将来世代へのツケの先送りという言い方をすることもありますが、政府に貸しているお金はもともと国民のお金です。私たちの祖先も政府にお金を貸していますが、未だに返済はされていません。銀行や生命保険に預けている私たちのお金も、政府に貸し付けられています。おそらく、私たちの子孫も私たちと同じように銀行預金を通じてお金を政府に貸すはずです。

政府は借りたお金によって社会保障や公共事業といった必要な支出を行います。病院やなどに支払われた政府が支出したお金は、紆余曲折を経て再び私たちの預貯金になります。つまり、私たちから借りたお金が政府によって使われて、再び私たちの所へ帰ってくるということを延々続けているのです。

政府の財政赤字を増やしながら私たちの資産を形成していくというこの方法は、歴史的、世界的な標準であり、借金というだけで恐れる必要はありません。むしろ、これは持続可能なシステムであり、将来にわたって私たちの社会保障を維持していくでしょう。

その影響として、物価の上昇が起こります。今、100円位するアイスも、昔は10円で売られていました。昭和のモノの値段が安かったのは、マネーの量がそれだけ変わったことを示しています。今後も物価が上がり続けて、政府債務残高も増えて、私たちの社会保障を維持していくことが理想です。

しかし、現在は世界的な低物価です。つまり、それだけ世界中の政府支出や社会保障の削減といった、弱者を切り捨てる方向に行っていることを示しています。

まとめ

政府の財政赤字は増えるのが普通であり、老後のために財政再建をするのは、ナンセンスというほかありません。G20を見ても財政再建と言っている国など日本くらいのものです。

基本的に行政コストは公債から支出して維持していき、財政赤字は増えていくものです。その結果、物価の上昇が起きます。翻って、政府がきちんと社会保障などの手当てを行っているかを物価をみることで判断できるということです。

ビットコインが値上がりするわけ

ビットコインが60万円を超えて値上がりを続けています。一説にはバブルという説も出てきました。以前、ビットコインについての記事を書いたときは3万円台だったので、あのとき買っておけばと少し後悔しています。しかし、ここまで上がると怖くて手が出ません。

値上がりする理由

ビットコインが値上がりする理由は、以下の二つに集約できます。

・普及する途上にある
・ビットコインは発行上限がある

ひとつにはビットコインが普及する途上で、まだ全ての人に行き渡っていないということがあります。任天堂スイッチと同じ状態ということですね。それまでは急速に上がり続けるかもしれません。

それがどこまでか?は誰もわかりません。ビッグカメラなど一部のリアル店舗でも取り扱いが始まっていますので、今後、ビットコインが普段の生活になくてはならないものになるかどうか、によっても変わるでしょう。

限りあるものは価値がある

ある程度浸透して、価格が安定してきたとしても、その後もじわじわ上がることが予想されます。

図でいうとこんなイメージです。

ドルやユーロ、円といった法定通貨の発行上限はありませんが、一方のビットコインは2100万コインまでと上限が決まっています。ビットコインにはインフレを防ぐための上限があるのに対して、法定通貨には上限はありません。それがビットコインのレートをあげ続ける原因になると考えられます。

法定通貨はこれまで通貨発行や信用創造によって大きく膨張しており、今後も続くと考えられます。数に限りあるビットコインは、法定通貨が増えれば増えるだけ、値上がりすると予想されるのです。

これは物価一般に当てはまる話でもあります。ラーメン一杯100円の時代もありました。ラーメンが現在の値段なのは、銀行による信用創造や政府支出の増大などで円が膨張したためです。

金に似ているビットコイン

ビットコインとよく比較されるものの1つに金があります。

1971年に金本位の制度が終わってからの長期チャートになります。


1グラムあたりの金額(円)田中貴金属さんよりお借りしました

金市場ができてから1980年までは怒涛の値上がりですが、その後は冬の時代を迎えて2000年を境に上昇しています。チャート以前も金の売買は行われており、田中貴金属さんのデータによると1947年は150円だったようです。トレンドとしては上がり続けているのですが、1980年以降の値下がりはあまりにも長く深い谷です。

金のチャートはビットコインの今後を暗示しているような気もします。ただ、長期的には法定通貨が膨張し続ける限り、値上がりに上限はないと考えられます。金もビットコインもトレンドとしては上がり続けます。

ビットコインのリスク

ビットコインは理論上は値段が上がり続けるのですが、逆にそれらの前提が崩れた場合は値下がりします。

・発行上限の撤廃
・他の仮想通貨の存在
・デフレ

まず、発行上限撤廃の可能性があります。ビットコインは人が作ったものなので、技術的には可能です。今までもそういった議論がなされたことがありますので、今後、絶対に上限撤廃がないとは言い切れません。もし、上限が引き上げられたり、撤廃されるようなことがあれば、間違いなく値下がりします。

また、仮想通貨はビットコインだけではありません。イーサリアムなどの仮想通貨も徐々に広まりつつあるので、もし、そういった新興の通貨に人が集まれば、ビットコインの値下がりに繋がります。

あと、デフレですが、デフレになると法定通貨の価値が上がりますので、これまたビットコインの値下がりに繋がります。デフレというのは通貨の稀少価値が高まる現象ですので、ビットコインのレートも上がらなくなるというわけです。世界的に低物価ですので、今後足踏みすることも考えられます。

しかし、これからビットコイン決済ができる店舗等が増えてくるなら、普及していくパワーによって、しばらく値上がりしていくかもしれません。

まとめ

ビットコインが値上がりする理由は、まだ持っていない人が買うためと、あと、法定通貨は増え続けるのに対して、ビットコインの発行上限があるためです。逆にいうとこれらの前提が崩れれば、値下がりに繋がるということですね。

個人的には他の仮想通貨が、ビットコインのシェアを奪う可能性が高いのではないかと思います。後発のほうが技術的には上になりますし、ビットコインの開発者は100万コインを持っているらしいので、現在、その資産価値は5000億円にもなります。これはずるいというか、おいしい話なので、他の人が放っておかないような気がしますね。

ロシアなんかは国家をあげて仮想通貨を作っているらしいので、今後どうなるかは全く読めません。というわけで、金かビットコインを選べと言われたら、私なら金に投資します。でも、余裕があるならETFを買い増したいです。

経済成長とはなにか?

経済成長とはGDPが成長すること

突然ですが、経済成長とはなんでしょうか?結論から言うと、経済成長というのはGDPが成長することということです。うーん、でもGDPっていうのがイマイチピンと来ないんだよね、という人もいらっしゃるかと思います。

日々、私たちはイトーヨーカドーやAコープといったお店で買い物をしますが、売値から仕入れ値を引いた粗利がGDPの部分だと思ってください。

60円の商品を仕入れて100円で売るとすると、40円の粗利益になります。この40円がGDPに計上される部分です。難しくはないですよね。

40円はお店に並べてお客さんが買い物をしやすいようにしたり、お客さんの自宅付近に店舗を作ったりする資金になります。つまり、サービスを提供することによって得られる対価です。綺麗で身近にある店舗や商品ごとに整理されて陳列されている棚など、誰かがはたらくことで維持されています。いわゆる付加価値というものです。

誰も何もしなかったらメーカーをネットで検索して、直接取り寄せなければいけないのでめんどくさい限りです。しかし、お店が色んなメーカーを取り揃えて、しかも整理して比較しやすいようにしてくれています。そういった小売サービスに対して私たちは対価を支払っています。この部分が労働によって生み出された付加価値です。

日本国内で1年間にどれだけの付加価値が作り出されたかが、GDP(国内総生産)です。この付加価値が多くなれば多くなるほど便利で快適な世の中だよね、ということになり、経済成長が大切だといわれる所以です。服にしてもパソコンにしても元になる部品や原材料を仕入れて、加工、販売するはずです。

また、輸出額から輸入額を差し引いた額を純輸出といい、これもGDPに加算されます。2016年は86.7兆円の輸出に対して、81.5兆円の輸入を行っていますので、差し引き5.2兆がGDPに計上されました。

GDP(国内総生産) = 国内で生産された付加価値 + 純輸出

2016年の名目GDPは537兆円でしたので、貿易黒字が占める割合というのは1%にも満たないということになります。貿易赤字になればその分、GDPは下がることになります。

国内で生産された付加価値は更に民間と政府に分けることができます。例えば行政サービスもサービスですので付加価値ということになり、GDPに計上されます。ただ、警察に犯人を逮捕してもらったからといって、お金を払うわけではありません。売り上げと仕入れの原則に反するわけですが、公務員が提供するサービスは、支払われた給料がそのままGDPとして計上されるようになっています。また、公共事業などの政府支出なども含めて政府支出はGDPを構成する重要な要素になります。

GDP(国内総生産) = 民間による付加価値 + 政府による付加価値 + 純輸出

経済成長とはこのGDPが毎年上がっていることを指します。過去、10年間の推移を見るとある程度は順調に上がってきていることがわかります。


内閣府(国民経済計算より)名目GDP暦年(兆円)

2008年の秋にリーマンショックが始まって、翌年は落ち込んでしまいました。回復基調になるまで4年はかかっています。2015年にようやく元の水準に戻ってきたというところです。

経済は成長しているけど・・

こうしてみてみると、リーマンショックという外的な要因を除けば、そこまで経済状態が悪いというわけでもありません。ただ、生活者の実感としては景気がいいと感じる人は、一部なのではないかと想像します。非正規雇用の拡大や過去46年で最低の労働分配率などがその原因として考えられます。

大学生の二人に一人がローンを背負って卒業するといわれています。こういったことからも決して国民すべてが豊かに生活しているとは言えません。親の所得が低いのは非正規雇用だからというわけです。日本全体としてはGDPも回復してきて絶好調のようですが、いわゆる格差の問題はこのグラフからは読み取れません。

そもそも、国内の豊かさを測るために考えられたGDP(国内総生産)ですが、格差という内部的な偏りには対応していないという問題があります。同様に株価も庶民の暮らしと直接的に関連しません。経済成長しているから、経済政策は成功だと考えるのは早合点であり、もっときめ細かく見ていく必要があると思います。