日韓スワップの意味

2016年9月29日 海外

日本と韓国のスワップ協定が検討されている。2013年に韓国から延長の申し入れがなかったので、終了していたものだ。

97年に韓国の通貨であるウォンが対ドルで非常に安くなったことがあり、その時のことが韓国のトラウマになっている。輸入物価の上昇によるインフレが起こったからだ。

国際的な経済の連鎖は、どこか一ヶ所でも景気が悪くなると、全体に影響が及んでしまうので、それを防ぐための協定になる。

為替の動きが激しくなると、韓国政府は手持ちのドルを手放して、ウォンに交換することでウォンの下落を防ごうとする。

ドルを潤沢に持っていればいいが、弾切れなにった場合は、為替が動くに任せるしかなくなってしまう。

そこで、日本がドルを融通して、ウォン安に歯止めをかける手伝いをするというのがこの協定の趣旨だ。
一時期は700億ドル(7兆円)までは融通するという取り決めをしていた。

もちろん、日本に何かあれば韓国が助けることになるが、確率的にはゼロに近いだろう。日本が韓国のウォンを支える協定と言っても良いかもしれない。

韓国経済が悪くなれば、日本も全くの無傷とはいかないので、それなりにメリットはあるかもしれない。

一般的には貿易赤字が膨らんでくると、為替が安くなる。

サムスンやLGのスマホ事業があやしくなってきているので、今のうちに手を打っておきたいというのが韓国の思惑だろう。韓国の輸出が、いつまで今のウォンの価格を維持できるかわからない。

財務省には外国為替資金特別会計というものがあり、最新のデータでは外国債券(主にアメリカ国債だろう)を120兆円近く保有している。この債券を売ることでドルを入手して、韓国に貸すことになる。

韓国に限らずアフリカといった途上国にも積極的に投資を行うなど、安部総理は国内とは違って気前がいい。それもこの外国為替資金特別会計のお陰だ。

そもそも、なぜ大量のアメリカ国債を持っているのかというと、かつて日本が円高を防ぐために為替介入を行った名残だ。

日銀が通貨を発行して(税金ではない)ドルに替えることで、円高を防ごうとした。手元に残ったドルをアメリカ国債にしておいたものだ。

日本は経常収支が安定的に黒字になりやすいため、通貨高体質といえる。しかし、韓国はそうでないため通貨安になりやすい。

いくら海外に良い顔しても、日銀が通貨発行したものなら痛くも痒くもない。

ドルは日本では遣えず、かといって円に交換すると、円高を招いてしまいもとも子もない。

結局、アメリカ国債にしておいて金利をコツコツ稼ぐか、途上国に貸し出したり、今回のように通貨スワップくらいしか使い道がないのだ。

売れる恩は売れるだけ売っておく、というのが日本外交スタンスだ。竹島や従軍慰安婦の問題でもめているが、それはそれとしてこういった外交も必要だろう。

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