経済危機のベネズエラ、捨てられる犬たち
[ロステケス(ベネズエラ) 7日 ロイター] – 深刻な経済危機に見舞われているベネズエラで、通りや公園、仮設シェルターに、痩せ衰えた捨て犬があふれている。家族を養うことすら大変なのにペットの世話までできないからだ。リンク
ベネズエラでは犬の餌代が払えずに、捨てる人がいるらしい。
ベネズエラは原油の埋蔵量では世界一なので、サウジアラビアのように裕福な国になっても良さそうなものだが、実際には日用品などの物不足に陥っている。
物不足というのはつまりインフレだ。生活用品などスーパーに行っても手には入らないらしい。
戦後の日本のようだ。といっても、若い人はピンとこないかもしれないが。
店が襲が襲撃されたり、治安の悪さは世界一とも言われている。
日本はモノあまりのデフレに陥っているので、真逆の経済状況とえいる。
ベネズエラは社会主義的な政策をとって、企業の国有化を行っており、殖産を行っていたがうまくいかなかった。
豊富な石油を輸出して稼いだ外貨で、日用品や耐久消費財を購入している。なまじ、資源があるものだから何でも輸入すれば大丈夫、と思ったかどうかはわからないが、石油依存の経済がベネズエラの命取りになったのは間違いない。
太陽光や風力発電の普及やシェールガス等の代替エネルギーが、原油の需要を下げつつある。輸出の9割以上を原油が占めるベネズエラのような国にとっては痛い。
せめて普段使うものや食べるものくらい自給できれば、インフレにならずに済んだはずだ。
原油価格が下がって外貨が稼げなくなった上に、ベネズエラの通貨であるボリバルが値下がりしてしまった。10年前は1ボリバル50円だったのが今は10円くらいだ。その結果、輸入品は5倍もする高級品になってしまった。しかも日用品だ。治安も悪くなるというものだろう。
今ではボリバルを持っていれば、原油が買えたわけだが、原油自体の需要が減れば、ベネズエラには売るものがなくなる。
治安の悪い国に観光にいこうと思う人も居なくなるわけで、通貨ボリバルの需要もなくなる。
だいぶん落ち着きはしたものの、日本は外国人観光客が多い。日本に観光に行こうと思えば、円の需要が高くなり円高になる。
円安のお陰で観光が増えたのに、外国人観光客の増加は皮肉にも円高要因なのだ。ベネズエラでは真逆のことが進行中だ。
よく、日本がハイパーインフレになるという人がいるが、ベネズエラこそが最もハイパーインフレに近い。