経済成長とはなんでしょうか?
結論から言うと、経済成長というのはGDPが成長することです。
うーん、でもGDPっていうのがイマイチピンと来ないんだよね、という人もいらっしゃるかと思います。
経済成長とはGDPが成長すること
日々、私たちはイトーヨーカドーやAコープといったお店で買い物をしますが、売られている製品は誰かが作ったものです。
この生産活動がGDPと密接に関係しています。
具体的に
60円の材料を仕入れて加工し、100円で売るとすると40円の利益になります。この40円がGDPに計上される部分です。
40円は原材料を加工することによって得られる対価の部分で、付加価値ともいわれます。
誰も何もしなかったら自分で材料を買ってきて加工する必要があります。簡単なものならDIYできるかもしれませんが、半導体など高度な知識と技術が必要なものは素人ではお手上げでしょう。
GDPの大きさ=国力
日本国内で1年間にどれだけの付加価値が作り出されたかが、GDP(国内総生産)です。この付加価値が多くなれば多くなるほど便利で快適な世の中だよね、ということになります。GDPが大きいことが、日本が経済大国だといわれる理由です。
服にしてもパソコンにしても元になる部品や原材料を仕入れて、加工、販売するはずです。
GDP(国内総生産) = 国内で生産された付加価値
イメージとしては、日本全体で一年間にどれだけのものが生産されたか、ということです。
民間と政府に分けられる
国内で生産された付加価値は民間と政府に分けることができます。
GDP(国内総生産) = 民間による付加価値 + 政府による付加価値
例えば、警察は政府が提供する行政サービスの一つです。ただ、警察に犯人を逮捕してもらったからといって、お金を払うわけではありません。
売り上げと仕入れの原則に反するわけですが、公務員が提供するサービスは、警察を運営した費用が、そのままGDPとして計上されるようになっています。
また、公共事業などの政府支出なども含めて政府支出はGDPを構成する重要な要素になります。
経済成長とはこのGDPが毎年増えることを指します。過去、10年間の推移を見ると、リーマンショックによって大きく凹んでいるのがわかります。
内閣府(国民経済計算より)名目GDP暦年(兆円)
2008年の秋にリーマンショックが始まって、回復基調になるまで4年はかかっています。2015年にようやく元の水準に戻ってきたというところです。
経済は成長しているけど・・
生活者の実感としては景気がいいと感じる人は、一部なのではないかと想像します。非正規雇用の拡大や過去46年で最低の労働分配率などがその原因として考えられます。
大学生の二人に一人がローンを背負って卒業するといわれています。こういったことからも決して国民すべてが豊かに生活しているとは言えません。親の所得が低いのは非正規雇用だからというわけです。日本全体としてはGDPも回復してきて絶好調のようですが、いわゆる格差の問題はこのグラフからは読み取れません。
そもそも、国内の豊かさを測るために考えられたGDP(国内総生産)ですが、格差という内部的な偏りには対応していないという問題があります。同様に株価も庶民の暮らしと直接的に関連しません。経済成長しているから、経済政策は成功だと考えるのは早合点であり、もっときめ細かく見ていく必要があると思います。