お金に価値がある本当の理由

お金はビール券だ

紙幣に価値があるのを、不思議に思ったことはないでしょうか。

金貨であれば、金自体に価値があるわけですが、紙に価値があるのは不思議ですよね。金は古代エジプトの遺跡からも発見されるように、昔から価値のある貴金属なので、通貨の背後で価値を支えることもできたわけです。しかし、現在の通貨は金などの後ろだてを持っていません。どのようにしてその価値を維持しているのでしょうか。

一説には「みんなが価値があると思っているから」というものがあります。しかし、これだとなぜみんなが価値があると思っているのか?という疑問がでてきます。または、政府が価値を保証しているから、というものも耳にすることがありますが、こちらもイマイチ分かりにくいですね。

実はお金はビール券と同じ構造をもつ一種の商品券のようなものなのです。通貨価値は、国家の存在自体と密接な関係があります。

国家とお金の関係

日本人は日本列島に住み、北は北海道から南は沖縄までを仲間だと思っています。熊本で震災があれば東北の人でも助けてくれますし、東日本大震災の時は全国から支援がされました。

国家は災害の時だけでなく、年金、医療、雇用など、様々な問題をみんなで乗り越えようという最大の集まりになります。そのため、他人を助ける余力のある人には、等しく国のために働く義務が課せられています。

本当なら一人一人がお年寄りの世話をしたり、道路や橋を作ったり、国民自ら働くのが本来の姿ですが、現実的に全員がそういった作業を行うことは不可能です。その代わりに税金を納めています。

お金を納めることで、義務を果たしているわけです。

税金の本当の意味

ここからは少し頭の体操になります。

政府はお金に価値があるから税金をとるわけではありません。

税金としてお金を徴収するから、お金に価値が生まれるのです。

混乱しますよね?

お金の価値に目をつけた政府が、国民からお金を徴収している訳ではないのです。

お金を発行したのは日銀(政府)です。ビール券ならビールと交換できますが、お金は納税することで、労働や物納などと同様に義務を果たしたとみなすのです。脱税をすれば捕まります。お金さえあれば捕まらずに済むのです。これが、お金の価値になります。

あまりよい例えではないかもしれませんが、徴兵制があるとします。20歳以上の男女は、2年間の兵役の義務があるとしましょう。ただし、100万円を納めれば、兵役を免除されるとしたらいかがでしょうか。

お金が欲しいですよね?2年間の兵役にいかずにすむわけですから。

飲酒運転をすると、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。初犯の場合は70万円~80万円らしいですが、もしお金が払えない場合は懲役刑になります。誰しも刑務所には行きたくないので、こういった罰則金という形でもお金に価値が発生します。

お金は国が税金や罰則金を通じて、価値があることにしているというわけです。

円に限らずドル、ユーロ、ウォンなど全て同じです。

価値があり、持ち運びも容易で、保存もできますので、買い物などで利用されるようになりました。

もし税金がなくなったら

もし、税金がなくなったら、お金は紙くずになります。税金がなくなれば天国のようですが、その反面、お金の価値はなくなるのです。

一般的にはみんながお金に価値がないと思えば紙くずになると思われていますが、実は政府が税金としてお金を受け付けなくなるときも紙くずになります。お店でビール券が使えないとしたら、ただの紙になるのと同じことです。

現金での買い物はできなくなり、物々交換が始まるかもしれません。ただ、国として行政を行うための何らかの資源が必要ですので、江戸時代のように米などのモノを納めたり、労働が課されるようになるでしょう。お金がないと非常に不便なことになります。

かわいいお金

実は個人でもお金を発行することはできます。みなさんも発行したことがあるのではないでしょうか?

父の日や母の日に発行した肩たたき券は、紛れもなくお金です。肩たたき券を渡せば、子どもだった皆さんはしぶしぶ肩を叩いたことでしょう。何でも言うことを聞く券を発行して、大人になって使われたという、笑い話も聞いたことがあります。

手書きの肩たたき券に価値があるのは、肩を叩く約束をしているためです。国と国民の間にも、国民としての義務はお金を納めるという約束があります。

まとめ

お金はビール券や図書カード、肩たたき券などの一種です。

ビール券→ビールが貰える。
図書カード→本が貰える。
肩たたき券→肩を叩いて貰える。
お金→納税ができる。(国民としての義務の免除)

それぞれ利用価値が有るために、価値があるというわけです。

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