ヨーロッパ、日本と続き、アメリカもマイナス金利を導入しようとしています。しかし、このマイナス金利とはなんでしょうか?
マイナス金利とは?
マイナス金利というのは、銀行が日銀に預けるときにかかる金利です。2016年1月29日に行われた、日銀の金融政策決定会合で日本で初めて導入されました。
銀行と日銀の関係
私たちは銀行に預金するわけですが
私達が銀行に預けたお金は、更に日銀に預金されます。
私たちの預金のほとんどは、日銀に集結しているというイメージです。
日銀にある銀行の口座を日銀当座預金といい、この日銀当座預金に対してマイナス金利が適用されています。
日銀当座預金に入っているお金は、マイナス金利がかかる部分、ゼロ金利の部分、0.1%の金利がもらえる3つに別れていて、すべてマイナス金利というわけではありません。
ちなみに、2020年5月現在の日銀当座預金残高は、約413兆円であるのに対して、マイナス金利が適用されるのは5兆円前後となっています。
413兆円というのは、日本のほぼ全ての金融機関がもつ預金の総額になります。
マイナス金利の目的
政府や日銀は何とか景気をよくするため、銀行の融資を増やそうとしています。 お金を借りて使う人が増えれば、それだけ経済が活性化するからです。
銀行に厳しいマイナス金利
銀行の収益は主に融資、手数料、国債利子、日銀当座預金の利子から得られます。
マイナス金利が取られると銀行の収益が悪化するので、融資を頑張るだろうと期待されていました。融資が増えれば、企業の投資が増えて景気が良くなるからです。
でも、お金の貸し借りは、貸す方と借りる方の合意があって初めて成り立つものです。銀行がいくら息巻いても借りるほうの都合が考慮されていなければ、融資は増えません。マイナス金利では期待されるほど融資は増えませんでした。
マイナス金利はアメとムチでいえばムチのほうになります。日銀の政策はドSと言えなくもありません。
マイナス金利の影響
融資は増えませんでしたが、ATMの時間外手数料を増やしたり、店舗を減らして銀行は収益の改善を図ろうとしています。
欧州では口座の管理費をとる銀行もあります。
日本ではまだ口座管理費をとる銀行はありませんが、いずれそういう銀行が出てくるかもしれません。