なぜ、マイルドなインフレがいいのか。

経済状態を考えるうえで、よく、マイルドなインフレがいいといわれます。でも、なぜマイルドなインフレがいいのでしょうか?

ハイパーインフレよりは、マイルドなインフレがいいというのはわかると思います。しかし、マイルドなデフレやゼロインフレではダメなのでしょうか?

ここで述べるのは、からあげ弁当オリジナルの理論なので、話半分に聞いていただきたいと思います。

r>g

上の式は少し前に流行ったピケティ著、「21世紀の資本の資本」に出てくる式です。

株などの資本収益率のほうが、経済成長率(給料の伸び率)を超えているというのが、歴史の事実ということをピケティーは示しました。

簡単に言うと、資本主義では金持ちのところにより金が集まって、労働賃金より成長速度が速い。ということです。このことにより格差が開いていきます。

放置すると格差はどんどん開いていくので政府が再分配を行うのですが、是正する方法として、持っているひとから徴税する方法と、通貨発行して(国債による財政赤字拡大)支出する方法の二つが考えられます。

富裕層への課税で再分配の財源をすべて賄おうとすると、かなり過激な税率になります。

現実的には通貨発行と併せて行うということになり、市場に流れるお金が政府の負債分増えてインフレになります。

これがマイルドなインフレじゃなければダメな理由です。

なので、お金持ちが全額負担してくれるのなら、ゼロインフレでも構わないと思います。ただ、全て金持ちが負担するとなると、「儲ける」ことができなくなります。

これは政治的に難しそうなので、赤字国債を併用するというところに落ち着くでしょう。

MMTでも財政赤字は物価上昇率が適正な範囲なら問題ないと言っていますし。

ピケティーに言わせれば、国際協調して資産に対して課税するのが一番良いということで、次善の策としてインフレをあげています。

ピケティーによるとインフレは必ずしも富裕層にマイナスに働くとは限らないといいます。

極端な金持ちは不動産や貴金属、株式といった、様々な金融商品に安いコストでアクセスすることができるためというものです。

一番割を食うのは中途半端な資産を持っている人たちだそうで、銀行預金で目減りするのを防ぐのがせいぜいということらしいです。

しかし、最近は投資信託もコストが安いものが多いですし、この本が書かれた2015年に比べてもかなり投資がやりやすい環境にはなっています。

適正なインフレ率とは?

適正なインフレ率とはどの程度かというと、当たり障りのないところで2%みたいな考え方をする人もいますが、からあげ弁当は一つの目安として国債金利を下回る程度であれば問題ないと考えています。

0 < 物価上昇率 < 国債金利

式にすると上のような感じでしょうか。

日本はゼロ金利、マイナス物価ですのでアウトですね。

アメリカの10年国債金利は2.5%程度で、物価上昇率が2%弱なので、適正といえるのではないかと思います。

ここでいう物価上昇率はGDPデフレーターが適当でしょう。

生活実感を捉えるなら消費者物価指数がいいですが、通貨価値の目減りを厳密にとらえるならGDPデフレーターが良いと思うからです。

ハイパーインフレになると、一気に国債金利を上回りますので、アウトということになります。

一つの仮説ですが、インフレによって損をする人は居ないかもしれないということが可能性としてあります。

インフレは金融資産の敵ではないかもしれません。

物価上昇率が国債金利以下であれば、銀行預金でも目減りしないからです。

となれば、デフレは誰の特にもならないので、さっさとインフレにしてwin-winの社会を迎え入れたいですね!

フリーランチはないという反論がありそうですが、高いと知らずに5,000円のランチを食べる人がいるのが現実ではないでしょうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA