せっかくいいところまできていたのに、再デフレ化した日本。

日本が再デフレ化しています。安倍政権の前半はデフレ脱却しかけていましたが、またデフレに逆戻りしてしまいました。

3月8日に内閣府が2018年の10~12月のGDP統計を発表しました。GDP統計は経済成長率がどのくらいあったかという統計ですが、同時に物価の指標であるGDPデフレーターが掲載されています。

経済が1.5倍に成長をしても、物価が1.5倍になってしまっては意味がありません。そのため、GDPには物価の影響を差し引いた、実質GDPを計算しておく必要があります。実質GDPを求めるのに使う物価の指標が、GDPデフレーターというわけです。

こういった政府がだす統計は、見るのが非常にめんどくさいです。あまり簡単に見られると困るのかな?と思ったりします。なので、このブログでは日本が再デフレ化したという証拠を、みなさんと一緒に見に行きたいと思います。こういうことは元となる情報が重要です(最近はあやしい?)。GDP統計は内閣府が発表する統計です。

内閣府のリンク

統計情報・調査結果のリンクをクリックします。



国民経済計算(GDP統計)のリンクをクリックします。



主な時系列データ(PDF形式:594KB)とありますので、ダウンロードしてください。サイズがそこそこありますので、スマホのギガが心配な方はWi-Fiのあるところでダウンロードしてください。



開くと以下のような表紙が出てくると思います。下のページにはびっしりと数字が並んでいますが、全部飛ばしてPDFの一番下(P28)に行くとGDPデフレーターが載っているところがあります。


暦年デフレーターというところがあります。これは2011年の物価を100とした時の物価を表しています。2018年は102.7で前年より下がっています。経済学の定義に従えば、二年連続で物価が下がるとデフレということになります。2016年から二年連続で下がっていますので、はれて再デフレ確定というわけです。



デフレというのは、国民が金欠病になっていることを表しています。お金がなくてモノが買えなければ(消費、投資) 物価が下がります。

物価上昇率を見る場合、いくつかの指標があります。一番ポピュラーなのは消費者物価指数でしょうか。衣食住といった日常生活をするうえで必要なものやサービスの価格を指標化したもので、私たちの生活実感と近い性質をもっています。

ただし、GDPデフレーターと違って国内のすべての財やサービスをカバーしていません。また、エネルギーといった為替に左右される輸入品の影響を受けますので、純粋に需給のバランスからくる物価(景気)を見るのには不向きです。

日本人が金欠病を再発していることが明らかになりました。この状況で安倍政権は消費税増税を行うのでしょうか。3月7日に発表された景気動向指数も悪化しており、これ以上国民を金欠にして何がしたいのか?という怒りがわいてきます。

ここからは個人的な予想ですが、消費税を上げるよ上げるよと言っておきながら、参議院選挙前に「やっぱり中止!」そして衆議院も解散して「中止するから自民党に入れてね!」とやるような気がしてなりません。

いろんな経済失策をやらかしている自民党ですが、それでも一定の支持者がいるのは事実です。国民が現状を肯定してそれでも支持するのなら仕方がないと思います。残念ですが日本が滅びるのをただ見守るしかないでしょう。

経済成長とはなにか?

経済成長とはGDPが成長すること

突然ですが、経済成長とはなんでしょうか?結論から言うと、経済成長というのはGDPが成長することということです。うーん、でもGDPっていうのがイマイチピンと来ないんだよね、という人もいらっしゃるかと思います。

日々、私たちはイトーヨーカドーやAコープといったお店で買い物をしますが、売値から仕入れ値を引いた粗利がGDPの部分だと思ってください。

60円の商品を仕入れて100円で売るとすると、40円の粗利益になります。この40円がGDPに計上される部分です。難しくはないですよね。

40円はお店に並べてお客さんが買い物をしやすいようにしたり、お客さんの自宅付近に店舗を作ったりする資金になります。つまり、サービスを提供することによって得られる対価です。綺麗で身近にある店舗や商品ごとに整理されて陳列されている棚など、誰かがはたらくことで維持されています。いわゆる付加価値というものです。

誰も何もしなかったらメーカーをネットで検索して、直接取り寄せなければいけないのでめんどくさい限りです。しかし、お店が色んなメーカーを取り揃えて、しかも整理して比較しやすいようにしてくれています。そういった小売サービスに対して私たちは対価を支払っています。この部分が労働によって生み出された付加価値です。

日本国内で1年間にどれだけの付加価値が作り出されたかが、GDP(国内総生産)です。この付加価値が多くなれば多くなるほど便利で快適な世の中だよね、ということになり、経済成長が大切だといわれる所以です。服にしてもパソコンにしても元になる部品や原材料を仕入れて、加工、販売するはずです。

また、輸出額から輸入額を差し引いた額を純輸出といい、これもGDPに加算されます。2016年は86.7兆円の輸出に対して、81.5兆円の輸入を行っていますので、差し引き5.2兆がGDPに計上されました。

GDP(国内総生産) = 国内で生産された付加価値 + 純輸出

2016年の名目GDPは537兆円でしたので、貿易黒字が占める割合というのは1%にも満たないということになります。貿易赤字になればその分、GDPは下がることになります。

国内で生産された付加価値は更に民間と政府に分けることができます。例えば行政サービスもサービスですので付加価値ということになり、GDPに計上されます。ただ、警察に犯人を逮捕してもらったからといって、お金を払うわけではありません。売り上げと仕入れの原則に反するわけですが、公務員が提供するサービスは、支払われた給料がそのままGDPとして計上されるようになっています。また、公共事業などの政府支出なども含めて政府支出はGDPを構成する重要な要素になります。

GDP(国内総生産) = 民間による付加価値 + 政府による付加価値 + 純輸出

経済成長とはこのGDPが毎年上がっていることを指します。過去、10年間の推移を見るとある程度は順調に上がってきていることがわかります。


内閣府(国民経済計算より)名目GDP暦年(兆円)

2008年の秋にリーマンショックが始まって、翌年は落ち込んでしまいました。回復基調になるまで4年はかかっています。2015年にようやく元の水準に戻ってきたというところです。

経済は成長しているけど・・

こうしてみてみると、リーマンショックという外的な要因を除けば、そこまで経済状態が悪いというわけでもありません。ただ、生活者の実感としては景気がいいと感じる人は、一部なのではないかと想像します。非正規雇用の拡大や過去46年で最低の労働分配率などがその原因として考えられます。

大学生の二人に一人がローンを背負って卒業するといわれています。こういったことからも決して国民すべてが豊かに生活しているとは言えません。親の所得が低いのは非正規雇用だからというわけです。日本全体としてはGDPも回復してきて絶好調のようですが、いわゆる格差の問題はこのグラフからは読み取れません。

そもそも、国内の豊かさを測るために考えられたGDP(国内総生産)ですが、格差という内部的な偏りには対応していないという問題があります。同様に株価も庶民の暮らしと直接的に関連しません。経済成長しているから、経済政策は成功だと考えるのは早合点であり、もっときめ細かく見ていく必要があると思います。

経済を考える上で最も大切なGDP

給料は何で決まる?

サラリーマンの場合、経済への関心の入り口は、給料ではないでしょうか。給料は会社の売り上げで決まるのですが、会社の売り上げを左右するのは日本全体の景気を表すGDPです。

つまり、日本全体の景気を反映したGDPが会社の売り上げに影響を及ぼして、最終的に給料やボーナスを左右しているというわけです。

GDPとは何か?

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GDPは内閣府が年に4回発表する経済指標です。1年間に国内でどれだけのモノやサービスが生産されているかを、数字で表したものがGDPになります。例を使ってGDPを計算してみたいと思います。

20円で小麦粉を仕入れてパンを焼いて、120円で売ったとしたら、100円分の生産をしたことになります。

 120円(売価)ー 20円(仕入れ)= 100円(生産) 

生産額はそれだけの付加価値をつけたということです。パンを焼いたことに対する対価と言っても良いでしょう。

国内で1年間に生産された付加価値をあらゆる産業にわたってトータルしたものがGDPになります。このパンの例では、100円分の付加価値が生産されました。

1億2700万人の日本人全員が毎日3食1年間このパンを食べたとしたら、13.9兆円のGDPが計上されることになります。日本全体のGDPが約500兆円ですので結構な額ですね。

GDPが大きい国はそれだけ多くのモノやサービスを生産している国です。アメリカのGDPは約2000兆円で世界一です。それだけモノやサービスを大量に生産しているということになり、ひいてはそういった生産力が軍事大国になる背景になっています。

日本が経済大国と呼ばれるのは、この生産力の高さゆえです。工業製品にしろ日用品にしろ、質の高い多くのモノやサービスが生産されていることが経済大国の証といえるでしょう。

GDPは分配される

パン屋さんの生産の中から、従業員への給料の支払いが行われます。残った利益がパン屋さんの運転資金となり、同時に従業員の給料とパン屋さんの利益に対して税金がかけられます。つまり、下の式が導かれます。

100円(GDP) = 50円(従業員) + 40円(パン屋) + 10(税収)

あくまで概算ですが、現在の日本では概ね5(家計):4(企業):1(政府)の比率で分配されています。

国内の平均給料が上がっているとしたらGDPが成長している可能性が高いです。また、労働分配率が低下すれば、GDPが変わらずとも給料が下がることになります。

20年近く日本のGDPは横ばいできました。給料がなかなか上がらないのはGDPが上がらないから、ということが言えます。


世界経済のネタ帳さんより

このグラフは1980年からの名目GDPのですが、90年代後半から全く上がっていません。つまり、私たちの給料もこの頃から平均的な水準は変わっていないということです。

GDPは給料そのものだ

GDPが成長しない以上、所得は増えようがありません。現在は非正規雇用が増えてしまい、労働分配率も下がっているのが現状です。

また、税収もGDPに左右されますので、財政赤字が拡大してきた裏には日本経済の不調にあるということが言えます。GDPが増えれば所得税や法人税も増えるからです。

つまり、GDPが会社の売り上げを左右しており、それと同時に私たちの給料も決定しているのです。